第16回 クロスドメインとは?クロスドメインの役割と設定方法について詳しく解説

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初級者のための やさしくGoogleアナリティクス4(GA4)を説明する18回

みなさん、こんにちは!このシリーズでは、Googleアナリティクス4(GA4)の活用方法を紹介しています。GA4の使い方を基礎から応用まで、初心者の方々にも分かりやすいように丁寧に解説していきます。今回は第16回目として、「クロスドメイン追跡」に焦点を当てます。

ウェブサイトを運営する中で、複数のドメインをまたがるユーザーの行動を一貫して追跡することは、データ分析の精度を向上させる上で非常に重要です。どのようにして複数のドメイン間でユーザーを追跡し、全体的なユーザー体験を把握するかは、効果的なオンライン戦略を立てるための鍵となります。この記事を通じて、クロスドメインの基本から、その設定方法までを、初心者の方にも理解していただけるように解説していきます。

クロスドメイン追跡の詳細について一緒に学んでいきましょう。それではどうぞ!

クロスドメイントラッキングとは?

ウェブサイトを運営する際に、異なるドメインやサブドメイン間でユーザーの行動を一貫して追跡することは、多くの課題を伴います。クロスドメイントラッキングとは、このような課題を解決し、ユーザーのセッションを複数のウェブサイト間で連続して追跡するためのテクニックです。この方法により、企業はユーザーの行動パターンをより正確に理解し、最適化されたマーケティング戦略を展開することが可能になります。

クロスドメイントラッキングの基本概念

クロスドメイントラッキング(以下、クロスドメイン)の主な目的は、ユーザーが複数の関連するウェブサイトやサービス間を移動する際の行動を、単一のセッションとして追跡することです。例えば、あるユーザーがオンラインショッピングサイトで商品を選び、購入のために支払いサイト(別のドメイン)にリダイレクトされた場合、通常の設定では新しいセッションが開始されてしまいます。しかし、クロスドメイン追跡を利用することで、これらのアクションを一つのセッションの連続として捉え、より一貫したユーザー体験の分析が可能となります。

クロスドメインの重要性

クロスドメインを設定する際は、GA4において、関連するすべてのドメインを設定画面の「データストリーム」から設定する必要があります。これにより、ユーザーが異なるドメイン間を移動しても、その行動が一つのセッションとして追跡されるようになります。この設定を行うことで、ユーザーが複数のドメインを横断しても、その行動を正確に追跡し、全体的なユーザー行動の洞察を得ることができます。

ウェブサイト運営においてクロスドメイン追跡は、複数のドメイン間でユーザーの行動を正確に把握するために不可欠です。この追跡方法は、ユーザー体験の向上、マーケティング戦略の精度向上、そして最終的な売上増加へと直結する貴重な洞察を提供します。以下に、クロスドメイン追跡の重要性について詳しく説明します。

ユーザー体験の向上

ユーザーがサイト間をスムーズに移動できるかは、オンライン体験の質に大きな影響を与えます。クロスドメインを設定することで、訪問者が異なるドメイン間でどのように行動しているかを詳細に追跡できるため、これらのデータを基にユーザーインターフェースの改善やナビゲーションの最適化が行えます。例えば、ある特定のページから他のドメインへの移動が多い場合、その遷移をよりシームレスにするための設計変更が可能です。

データの完全性と正確性の確保

異なるドメイン間でセッションが途切れることなく追跡できると、データの完全性が保たれ、分析の正確性が向上します。これは、特に複数のドメインを通じて製品やサービスを提供するビジネスにとって重要です。クロスドメインがない場合、ユーザーがドメインを跨ぐ際に新しいセッションが開始され、以前の行動データが切断されてしまう可能性があります。これにより、ユーザーの行動パターンの解析や購入プロセスの理解が不完全になりかねません。

マーケティング効果の最適化

クロスドメインデータを活用することで、どのマーケティングキャンペーンが複数のドメインにわたって効果的であるかを判断できます。例えば、プロモーションが特定のドメインで開始された後、他のドメインでの成果にどのように影響を与えているかを追跡できるため、キャンペーンのROIを正確に評価し、将来のマーケティング戦略をデータに基づいて調整することが可能です。

売上向上への直接的な影響

クロスドメインにより得られる洞察は、顧客の購入行動を深く理解する上で非常に有効です。複数のドメインを通じて一貫したユーザー体験を提供することで、顧客の信頼を獲得し、リピート購入やアップセルの機会を増やすことができます。また、ユーザーが各ドメインでどのように行動しているかを把握することで、より効果的なクロスセル戦略を立てることが可能になり、売上の最大化が期待できます。

クロスドメイン追跡は、これらの理由から、デジタルマーケティングの世界で非常に価値の高いツールとなっています。正確なユーザー行動の追跡と分析を通じて、ユーザー体験の質を高め、ビジネス成果を向上させるために、その導入と適用に真剣に取り組むことが推奨されます。

クロスドメイン追跡の設定方法

クロスドメインを正確に設定することは、ウェブサイト運営者にとって非常に重要です。この設定を適切に行うことで、ユーザーが複数の関連ドメイン間で行う活動を一貫して追跡し、データの整合性を保つことができます。クロスドメインを設定するプロセスは以下のように進めます。


1.管理画面から データストリームを選択

管理画面内で、「データストリーム」セクションを選びます。ウェブサイトのデータストリームを選択し、設定を続けます。

2. クロスドメインのユーザー追跡を設定

データストリームの設定画面に移動し、「タグ設定を行う」を開きます。ここに「クロスドメインユーザーIDの設定」があります。このセクションで、「ドメインの追加」をクリックし、追跡したいドメインを追加します。

3. ドメインを追加

追跡するドメインのリストを入力します。例えば、メインサイトが「example.com」で、サブドメインや関連する他のドメインがある場合、それぞれ「shop.example.com」や「payment.example.com」などと追加します。ドメイン名は正確である必要があり、タイプミスがないように注意してください。

すべてのドメインが正しく追加され、必要なパラメータが設定されたことを確認した後、「保存」をクリックして設定を完了します。この段階で設定の誤りがないか、二重チェックを行うことが重要です。

4. テストと監視

設定が完了したら、実際にサイト間を移動するテストを行い、データが正しく収集されているかを確認します。Google アナリティクスのリアルタイムレポートを利用して、トラッキングが正しく機能しているかを監視し、必要に応じて調整を行います。

クロスドメイン追跡を行う際には、GA4は自動的に「_ga」というパラメータをURLに追加し、ユーザーがサイト間を移動する際にセッション情報を保持します。

クロスドメイン追跡の設定は、初めて行う場合はやや複雑に感じるかもしれませんが、これにより得られるデータの洞察は非常に価値が高いです。適切に設定と管理を行うことで、ユーザー行動のより深い理解とウェブサイトのパフォーマンス向上が期待できます。

まとめ

第16回の記事では、クロスドメイントラッキングの基本からその重要性、そして具体的な設定方法について深く掘り下げました。この追跡は、複数のドメイン間でユーザー行動を一貫して追跡し、全体的なユーザー体験の分析を可能にするために不可欠です。クロスドメイン追跡を適切に設定することで、ウェブサイトのユーザー流動を正確に把握し、より効果的なマーケティング戦略を立てるための洞察を得ることができます。

また、この機能を利用することで、ユーザーがウェブサイト間をどのように移動しているかを明確に追跡し、各ドメインが如何に連携して効果を発揮しているかを具体的に評価することが可能になります。これにより、全ドメインの統合されたマーケティング効果を最大化することができます。

クロスドメイン追跡の設定には注意が必要ですが、正確に行うことで、ウェブサイトのパフォーマンス向上に直接貢献する貴重なデータを収集することが可能です。適切な設定と継続的な監視により、データの完全性を保ちながら、全体的なユーザー体験を向上させることが期待できます。

次回もぜひお楽しみに!

初級者のためのやさしくGoogleアナリティクス4(GA4)を説明する18回

第1回:Googleアナリティクス4(GA4)とは?
第2回:Googleアナリティクス4(GA4)の設定方法:アカウントとプロパティの作成
第3回:GA4入門者必見!効果的なデータ収集のための6つの設定
第4回:はじめてのGA4 レポート機能を使ってみよう
第5回:リアルタイムレポートでウェブサイトの現状を把握しよう
第6回:GA4におけるーザー属性と興味関心の分析方法
第7回:オーディエンス機能とは?オーディエンス機能の有効的な使い方
第8回:レポート機能を使ったチャネル分析
第9回:イベントとコンバージョンの設定
第10回:ライブラリ機能を使ったカスタムレポートの作り方
第11回:初心者でもわかるように解説!探索機能の使い方_基礎編
第12回:探索機能の「空白」テンプレートの使い方
第13回:探索機能の「セグメント」の使い方
第14回:探索機能の「経路データ探索」の使い方と分析
第15回:探索機能の「ファネルデータ探索」の使い方と分析
第16回:クロスドメインとは?クロスドメインの役割と設定方法について詳しく解説
第17回:GA4利用者必見!utmパラメータとは?役割と設定方法について詳しく解説
第18回(最終回):GA4とGoogle Search Consoleの連携方法

【監修】森 和吉

株式会社吉和の森 代表取締役
青森県八戸市出身。2019年11月、ライフワークとしてデジタル・マーケティングに携わり、人の役に立ちたいたいと思い起業。さまざまな業態・業種の事業案件を手掛けている。コンテンツ立ち上げ後の集客や運用、コンテンツを持っている事業者との「アライアンス業務」、「Webを使った集客」を強みとするウェブ解析士マスター、チーフSNSマネージャー、提案型ウェブアナリスト。
特に不動産業が強く、デジタルマーケティングを使って、不動産投資クラウドファンディングで25万人の会員・出資額50億円を1年間で集めたり、不動産投資の累計販売額は100億を記録する。

◆著書◆
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◆株式会社吉和の森◆
https://yoshikazunomori.com/

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