第1回 Googleアナリティクス4(GA4)とは?

⑤初級者のためのやさしくGoogleアナリティクス4(GA4)を説明する18回 ブログ

初級者のための やさしくGoogleアナリティクス4(GA4)を説明する18回


みなさん、こんにちは。
今日から第18回にわたり、Googleアナリティクス4についてお届けしていきます。


Googleアナリティクス4略して「GA4」は、ウェブサイトやアプリのトラフィックとユーザー行動を分析するためのデジタルマーケティングには欠かせないツールのひとつです。基本的にはウェブサイトの行動を分析するツールですが、アプリの計測に使われることもあります。

ウェブサイトやアプリのオーナーが訪問者の動きを分析し、そのデータをもとにユーザーエンゲージメントやコンバージョンの向上を図るのに役立ちます。2020年9月までは従来のGoogleアナリティクス(ユニバーサルアナリティクス)でしたが、2020年10月からはGA4になりました。ユニバーサルアナリティクスから進化を遂げ、より洗練されたユーザー分析ができるようになりました。

このシリーズでは基本的にウェブサイトで使うGA4の役立つ機能と情報について話していきますね。
それではどうぞ!

1.GA4の主要な機能と特徴

Googleアナリティクス4(以下、GA4)は、ユーザーがサイト内でどんな動きをしてるのかがわかります。

例えば、スマホで商品を見てパソコンで買う、そんな行動もしっかりとユーザーの一連の行動として捉えてくれます。従来のセッションベースの追跡から一歩進み、イベントベースのデータ収集に焦点を当てています。その結果、マーケターやウェブサイトオーナーにとって、ユーザー行動のより深い理解と精密な分析が可能になりました。


もう少し簡単に説明すると、前のGoogleアナリティクス(以下、ユニバーサルアナリティクス)ではこの「ユーザーの一連の行動」を追いづらかったのですが、GA4になってからは追えるようになり、サイトのオーナーや分析官にとっては、とても重要な情報を得られるようになりました。

GA4の主要な機能と特徴を3つ紹介します。

①ユーザー中心のトラッキング

GA4の大きな特徴の一つは、前述したようにユーザー中心のトラッキングになったことです。
このユーザー中心のトラッキングになったことにより、個々のユーザーが複数のデバイスやプラットフォームを跨いだ行動を統合的に追跡し、分析することが可能になりました。

例えば、ユーザーがスマートフォンで製品を見て、後日デスクトップで購入するといった行動パターンも、一つのユーザージャーニーとして捉えることができます。この行動を確認できることは、*オムニチャネル戦略を実施する企業にとって非情に価値のある情報であり、顧客体験の向上とマーケティング施策の効果測定に利用することができます。

*オムニチャネル戦略=オムニチャネルとは、オンライン(ウェブサイト、SNS、メールなど)とオフライン(実店舗など)を含む、さまざまな販売チャネルやコミュニケーションチャネルを統合し、一貫して高品質な顧客体験を提供する戦略やアプローチのことを指します。オムニチャネル戦略とは、お店やブランドが提供するその販売チャネル(実店舗、オンラインショップ、モバイルアプリなど)を一体化し、顧客がどのチャネルを利用しても同じように良い体験ができるようにすることを言います。

②イベントベースのデータモデル

ユニバーサルアナリティクスがページビューやセッションに焦点を当てていたのに対し、GA4はあらゆるユーザーの相互作用を「イベント」として捉えます。これにはページの閲覧だけでなく、ボタンのクリックや動画の視聴など、サイト上での細かいアクションも含まれます。

わかりやすく言うと。GA4では、ウェブサイトでの些細な動きも「イベント」として記録していきます。ページを見ることも、ボタンを押すことも、すべてが重要な情報として記録されるわけです。これによって、私たちのウェブサイトをより理解することができ、改善するためのヒントを見つけることができるようになりました。

つまり、GA4では、ウェブサイトオーナーは訪問者の行動をより詳細に追跡し、理解することが可能になります。また、カスタムイベントを設定することで、特定のビジネス目標に合わせた追跡も容易になります。




GA4のイベント作成画面。ここのイベント作成ボタンからカスタムイベントを作成する。

③クロスプラットフォームの追跡

GA4になり、ウェブサイトだけでなくモバイルアプリのデータも一元的に分析できるため、クロスプラットフォームでのユーザー行動を包括的に把握できます。これにより、ユーザーが異なるデバイスやチャネルをどのように利用しているかをより把握しやすくなりました。

また、アプリを持っている(運用している)起業であれば、ウェブサイトのデータを組み合わせることで、より幅広い視点からユーザージャーニーを分析し、エンゲージメントの向上を図ることができます。

まだまだ、ここまで活用できている起業は少ないですが、GA4はただの分析ツールではなく、デジタルマーケティングとユーザーエクスペリエンスの最適化を支える強力なプラットフォームへと進化させています。

つまり、GA4はウェブサイトだけでなく、モバイルアプリのデータも分析できます。これにより、さまざまなデバイスや場所でのユーザーの行動を理解することができます。


GA4の主要な機能と特徴として「①ユーザー中心のトラッキング」「②イベントベースのデータモデル」「③クロスプラットフォームの追跡」はを紹介しました。

2.GA4を利用するには?(GA4を使えるようになるには?)

前述したようにGA4は、デジタルマーケティングの効果を最大限に引き出すための重要なツールのひとつです。GA4以外にもデジタルマーケティングをサポートするアクセス解析ツールは多くあります。しかし、どのアクセス解析ツールも多くの場合が利用するまでの設定、つまりセットアップが必要になります。

より深いユーザー理解とデータ駆動型の意思決定を実現するための重要なステップです。ここでは、GA4のセットアッププロセスを詳細に説明し、始めるために必要な手順を解説します。

以下が簡単なGA4の導入手順になります。

詳しいことはこのシリーズで第二回以降で説明します。

①Googleアナリティクスアカウントの作成

まず、Googleアナリティクスのアカウントがない場合は、Googleアナリティクスのウェブサイトにアクセスし、アカウントを作成します。既存のGoogleアカウントを使用することも、新しいアカウントを設定することもできます。アカウント作成後、GA4プロパティの作成に進みます。

まずは、Googleアナリティクスのウェブサイトに行って、アカウントを作成します。すでにGoogleアカウントを持っていれば、それを使うこともできますし、新しく作ることもできます。アカウントができたら、次はGA4の「プロパティ」を作成します。

②GA4プロパティのセットアップ

GA4プロパティは、データ収集と分析のためのコンテナとして機能します。Googleアナリティクスの管理画面で「プロパティを作成」を選択し、GA4プロパティのセットアップウィザードに従ってプロパティを設定します。プロパティ名、タイムゾーン、通貨などの基本的な情報を入力し、セットアッププロセスを完了させます。

「プロパティ」というのは、分析したいウェブサイトやアプリのこと+データを集めて分析するための場所みたいなものです。
管理画面から「プロパティを作成」を選んで、名前やタイムゾーン、使っている通貨など基本的な情報を入力し、セットアッププロセスを完了させます。

③データストリームの設定

ウェブサイトやアプリからデータを集めるために、「データストリーム」を設定します。

GA4では、ウェブサイトやアプリからデータを収集するために「データストリーム」を設定します。ウェブサイトの場合は「ウェブ」ストリームを、モバイルアプリの場合は「iOSアプリ」または「Androidアプリ」ストリームを選択し、必要な情報を入力します。ウェブストリームの場合は、ウェブサイトのURLを入力し、ストリーム名を設定します。


GA4のデータストリーム設定画面

④トラッキングコードの組み込み

データストリームを設定したら、GA4が提供するトラッキングコードをウェブサイトのすべてのページに追加する必要があります。これで、訪問者の行動を追跡して、データをGA4に送ることができるようになります。

データストリームを設定すると、GA4から提供されるトラッキングコード(またはタグ)をウェブサイトの全ページに組み込む必要があります。しかし、今日では多くのウェブサイトの場合、測定IDを利用してGoogleタグマネージャーという別ツールで設定するケースがほとんどです。

GA4の測定ID。管理画面の「データストリーム」で確認することができる。この測定IDをGA4とは別のツール「Googleタグマネージャー」を使って管理することが多い(その方が設定も簡単)。

④イベントとコンバージョンの設定

前述したようにGA4では、ウェブサイトやアプリでのさまざまな行動を「イベント」として追跡します。自動で追跡されるイベントもあれば、特定の行動を追跡するためにカスタムイベントを設定することもできます。また、大事なビジネス目標を達成したときにカウントされる「コンバージョン」も設定できます。また、ビジネス目標に関連する特定のイベントを「コンバージョン」としてマークすることで、その成果を特別に追跡できます。


この「イベント」や「コンバージョン」についても全18回シリーズのどこかで詳しく解説します。


⑤ユーザーとプライバシーの設定

GA4では、ユーザーのプライバシーも大切にしています。データの収集と処理の方法をしっかりと管理し、透明性を保つことが大切です。

GA4では、ユーザープライバシーとデータ保護を重視しています。データ収集と処理に関する設定を適切に管理し、ユーザーに対して透明性を持たせることが重要です。プライバシー設定には、データ保持期間の設定や、IPアドレスの匿名化などが含まれます。

GA4のデータは最大でも14か月しか保持できない。


①~⑤のステップを踏むことで、セットアップすることができます。このシリーズでは、次回からもっと詳しくGA4の使い方や便利な機能についてお話していきます。

GA4のセットアップは少し手間がかかるかもしれませんが、その努力はきっと大きな成果となって返ってきます。デジタルマーケティングを成功させるために、GA4をうまく活用しましょう。


GA4を利用することで、ウェブサイトやアプリを訪れる人たちが何を求めているのか、どうしたらもっと満足してもらえるかがわかるようになります。それが結果的にビジネスの成長につながります。

3.GA4でできること

ここではGA4でできることについて解説します。

GA4は、ユーザー行動の追跡、コンバージョン(目標)の測定、オーディエンスの利用、レポートのカスタマイズなど、多岐にわたる機能があります。
これらの機能により、マーケターやウェブサイトのオーナーはより戦略的な意思決定を行い、ビジネス成果の最大化を図ることができます。

それではひとつずつ解説していきます。


①ユーザー行動の追跡

GA4の最大の特長の一つは、サイト訪問者の行動を細かく追跡できることです。
GA4は、訪れた人がどんなページを見て、どんなボタンを押したかなど、細かい動きまで分析が可能です。このデータを見ることで、ユーザーがウェブサイトの何に興味を持っているのか、どこで困っているのかがよくわかります。それをもとに、ウェブサイトを使いやすくしたり、もっと興味を持ってもらえるように改善したりすることが可能です。

たとえば、GA4はページビュー(ページの表示回数)、ボタンクリック、スクロールの深度(ページのどこまで下に進んだか)、フォームの入力(設定が必要)など、ユーザーがサイト内で取るさまざまなアクションを詳細に記録します。これにより、ユーザーがウェブサイトでどのように行動しているか、どのコンテンツが最も関心を引いているか、どのページで離脱が多いかなど、改善に必要な洞察を得ることができます。


②コンバージョンの測定

GA4では、「コンバージョン」と呼ばれる「成果」もしっかり測ることができます。コンバージョンとは、例えば商品を買ってもらうことや、メールマガジンに登録してもらうことなど、ウェブサイトを通じて達成したい目標のことです。これを測定することで、どの施策が効果的だったかを知ることができます。

GA4では、このようなコンバージョンイベントをカスタマイズして設定し、その成果を詳細に分析することが可能です。

設定したコンバージョンを測定する「コンバージョンレポート」

③オーディエンスの分析

GA4の強力なオーディエンス分析機能により、ウェブサイトの訪問者をさまざまな属性や行動に基づいて細分化することができます。年齢、性別、地域、使用デバイス、興味関心などの基本的なデモグラフィック情報から、特定のページ訪問、コンバージョン達成、購買行動まで、多岐にわたるデータを基にオーディエンスセグメントを作成でき、訪問者をグループ分けして考えることができます(このことを「オーディエンス機能」と言います)。これによって、ターゲットに合ったマーケティング戦略を立てたり、よりパーソナルな内容を提供したりすることが可能になります。

④レポートのカスタマイズ

GA4ではレポートのカスタマイズ性も大幅に向上しています。デフォルトで用意されているレポートに加えて、ユーザー自身が重要と考えるデータを基にカスタムレポートを作成できます。これにより、ビジネスの特定のニーズや目標に合わせたデータ分析が可能になり、より戦略的な意思決定をサポートします。また、レポートの共有やエクスポートも容易であり、チーム内でのデータ共有やプレゼンテーション資料作成がスムーズに行えます。


これらの機能を通じて、GA4はデータドリブン型のマーケティング戦略を実現するための強力な基盤を作ります。ユーザー行動の深い洞察からコンバージョンの最適化、オーディエンスの細分化、そして柔軟なレポート作成に至るまで、GA4はデジタルマーケティングのあらゆる側面を支えるツールとして利用できます。


まとめ

いかがでしたでしょうか。
GA4は、デジタルマーケティングにおけるウェブサイトやアプリ分析のための強力なツールです。特にウェブサイトにおいてはGA4を導入している起業も多く、デジタルマーケティング戦略に必須のツールとなっています。

このツールは、ユーザー中心のトラッキング、イベントベースのデータモデル、クロスプラットフォームの追跡を特徴としており、従来のGoogleアナリティクスから大きく進化しています。これらの機能により、ユーザー行動のより深い理解、効果的なコンバージョン測定、精密なオーディエンス分析、そして柔軟なレポートのカスタマイズが可能になります。

またGA4を利用することで、マーケターやウェブサイトオーナーはユーザー行動の詳細な追跡、コンバージョンの効果的な測定、ターゲットオーディエンスの深い理解、そしてデータに基づく戦略的な意思決定を行うことができます。これらの機能は、デジタルプレゼンスを最適化し、ユーザーエクスペリエンスを向上させ、最終的にはビジネス成果の向上に貢献します。

GA4は私たちがもっと賢く、効果的にマーケティングを進めるための強い味方になります。データをもとにした賢い決断をしたり、ユーザーの体験をよくしたり、結果的にビジネスを成長させるために、とっても役立ちます。

GA4を始めることは、デジタルの世界で成功するための大切な一歩になります。

初級者のためのやさしくGoogleアナリティクス4(GA4)を説明する18回

第1回:Googleアナリティクス4(GA4)とは?
第2回:Googleアナリティクス4(GA4)の設定方法:アカウントとプロパティの作成
第3回:GA4入門者必見!効果的なデータ収集のための6つの設定
第4回:はじめてのGA4 レポート機能を使ってみよう
第5回:リアルタイムレポートでウェブサイトの現状を把握しよう
第6回:GA4におけるーザー属性と興味関心の分析方法
第7回:オーディエンス機能とは?オーディエンス機能の有効的な使い方
第8回:レポート機能を使ったチャネル分析
第9回:イベントとコンバージョンの設定
第10回:ライブラリ機能を使ったカスタムレポートの作り方
第11回:初心者でもわかるように解説!探索機能の使い方_基礎編
第12回:探索機能の「空白」テンプレートの使い方
第13回:探索機能の「セグメント」の使い方
第14回:探索機能の「経路データ探索」の使い方と分析
第15回:探索機能の「ファネルデータ探索」の使い方と分析
第16回:クロスドメインとは?クロスドメインの役割と設定方法について詳しく解説
第17回:GA4利用者必見!utmパラメータとは?役割と設定方法について詳しく解説
第18回(最終回):GA4とGoogle Search Consoleの連携方法

【監修】森 和吉

株式会社吉和の森 代表取締役
青森県八戸市出身。2019年11月、ライフワークとしてデジタル・マーケティングに携わり、人の役に立ちたいたいと思い起業。さまざまな業態・業種の事業案件を手掛けている。コンテンツ立ち上げ後の集客や運用、コンテンツを持っている事業者との「アライアンス業務」、「Webを使った集客」を強みとするウェブ解析士マスター、チーフSNSマネージャー、提案型ウェブアナリスト。
特に不動産業が強く、デジタルマーケティングを使って、不動産投資クラウドファンディングで25万人の会員・出資額50億円を1年間で集めたり、不動産投資の累計販売額は100億を記録する。

◆著書◆
日本一詳しいWeb集客術「デジタル・マーケティング超入門」…第3刷
https://amzn.asia/d/4fMhaK8
自社サイトをコストで終わらせないために ウェブ解析士の事例発表集(47) Kindle版
https://amzn.asia/d/br065Wk

◆株式会社吉和の森◆
https://yoshikazunomori.com/

関連記事

カテゴリー

アーカイブ