みなさん、こんにちは。このシリーズではGA4の活用方法を紹介しています。GA4の使い方を基礎から応用まで、初心者の方々にも分かりやすいように丁寧に解説していきます。今回は第13回目として、探索機能の「セグメント」の使い方に焦点を当て解説していきます。
セグメントを利用することは、データ分析を行う上で非常に重要なステップです。ユーザーデータを特定の条件で絞り込むことにより、特定のユーザーグループの行動や傾向を明らかにすることができ、これにより、より具体的かつ効果的な改善策を立てることが可能になります。この記事を通じて、セグメントの基本的な使い方から、セグメントを使ったデータ分析の進め方までを、初心者の方にも理解していただけるように解説していきます。
GA4を使って、ウェブサイトやアプリのユーザー行動をより深く理解し、その知見を活用してビジネスやプロジェクトを前進させるための洞察を得ましょう!それでは、セグメントを活用した探索機能の使い方を一緒に学んでいきましょう。
セグメントとは?
セグメントは、データを特定の属性や行動に基づいてフィルタリングする強力な機能であり、分析者が全体のデータから特定のユーザーグループのデータのみを抽出し、そのグループの行動パターンや傾向を明確に理解することを可能にします。
セグメントの重要性
セグメントは、データ分析の精度を格段に高めるツールです。ウェブサイトやアプリの全訪問者に対して一律の分析を行うことも可能ですが、セグメントを利用することで、より細分化されたユーザーグループの特定の行動や反応を深く掘り下げることができます。たとえば、新規訪問者とリピーター、特定の地域からの訪問者、あるいは特定のキャンペーンを通じて訪れたユーザーなど、様々なセグメントに基づいた分析を行うことで、より具体的な洞察やアクションプランを立てることができます。
セグメントの作成と活用
GA4では、ユーザーの属性(例えば、年齢、性別、地理的位置など)、セッションの特性(例えば、訪問時間帯など)、ユーザー行動(例えば、特定のページ閲覧など)に基づいて、セグメントをカスタマイズできます。このカスタマイズ性は、マーケティング戦略や製品開発、コンテンツ制作において、特定のユーザーグループに焦点を当てた具体的な洞察を得るのに非常に有効です。
セグメントを活用することで、次のような分析が可能になります。
ユーザー行動の理解
どのセグメントのユーザーが最もコンバージョン率が高いか、またはサイトでより多くの時間を過ごしているかなどを理解できます。
キャンペーンの効果分析
特定のマーケティングキャンペーンを受けたセグメントの反応を分析し、キャンペーンの効果を測定できます。
コンテンツ戦略の最適化
異なるセグメントがどのコンテンツに最も反応するかを理解することで、よりパーソナライズされたコンテンツ戦略を立てることができます。
セグメントの設定には細心の注意が必要です。過度に細分化されたセグメントは、有意義なデータを得るのが難しくなる可能性があります。一方で、適切に設定されたセグメントは、ユーザー体験の向上、キーイベントの増加、そして最終的には収益の向上に直結します。
セグメントは、GA4を用いたデータ分析における最も強力なツールの一つです。セグメントを適切に利用することで、データからより具体的で実用的な洞察を得ることができ、それに基づいて戦略を練ることが可能になります。データ駆動型の意思決定を行う現代のデジタルマーケティングにおいて、セグメントの理解と活用は不可欠です。
セグメントの作成方法
以下に、セグメントを作成するための初歩的なステップを詳しく説明します。
STEP1 探索機能に移動
ダッシュボードから左側のナビゲーションメニューを使用して、「探索」セクションを見つけ、選択します。これにより、新しい探索レポートの作成プロセスを開始できます。探索セクションは、データをカスタマイズし、特定のユーザーグループに焦点を当てた分析を行うための中心的な場所です。
どのテンプレートでもセグメントは利用できますが、今回は「空白」を利用します。
STEP2 セグメントの追加
探索レポート画面の上部に位置する「セグメント」エリアを探し、「セグメントを追加」を選択します。ここから、新しいセグメントを作成し、分析に必要な特定のユーザーグループを定義することができます。
STEP3 セグメントの条件設定を選択
セグメントを追加した後、ユーザー属性(年齢、性別、地域など)、セッション属性(訪問日時、セッション持続時間など)、イベント(ページビュー、購入など)など、分析に含めたい具体的な条件を設定します。これらの条件は、分析の目的に合わせてカスタマイズでき、特定のユーザーグループの行動や反応を詳細に分析するための基盤を形成します。
大きく分けてセグメント作成方法には「カスタムセグメント」と「参照を使用する」に2種類があります。
カスタムセグメント
カスタムセグメントは、特定の基準や条件に基づいてユーザー群をカスタマイズして作成する機能です。利用者が自由に定義できる条件を設定し、その条件にマッチするユーザーだけを抽出して分析することが可能です。例えば、特定の地域からの訪問者、ある特定のキャンペーンを通じて訪れたユーザー、特定のページを閲覧したユーザーなど、多様な条件を組み合わせてセグメントを作成できます
参照を使用する
おすすめのセグメントは、Googleが提供する事前定義済みのセグメントです。これらは一般的によく使われるユーザーの分類基準に基づいており、新しいユーザー、リターンユーザー、購入者など、特定のユーザービヘイビアに基づくグループが用意されています。おすすめのセグメントを使用することで、迅速に重要なユーザーグループの分析を開始することができます。
ここでは例としてカスタムセグメントを使って「性別=男性」というセグメントを作成していきます。
まずカスタムセグメントのセッションイベントをクリックします。
新しい条件を追加をクリックします。
次にセグメントしたい項目を選択します。ここでは「性別」を選択しました。
次に「フィルタを追加」をクリックします。
男性にチェックを入れます。
適用をクリックします。
画面右にどれくらい該当するユーザーがいるか表示されます。
※これが「該当なし=0」の場合は本当に該当するユーザーがいないか、設定が間違っているケースがあります。特に設定条件を複雑にすると該当ユーザーがいなくなるケースがあります。
セグメント名を入力しましょう。
複雑な設定をしている場合は下の「簡単な説明を入力」に入力しておくと他の人もわかりやすいです(今回は割愛)。
最後に「保存して適用」をクリックすれば完了です。
セグメントは作成すると自動的にデータに反映されます。
これにより、特定のセグメントに属するユーザーのデータのみがレポートに表示され、分析の精度が向上します。
GA4の探索機能におけるセグメントの作成は、データ分析をより深くより具体的に行うための第一歩です。このステップにより、分析者は特定のユーザーグループの行動パターンや傾向を詳細に分析することが可能になります。正確なセグメントの設定は、データに基づいた洞察を得る上で不可欠であり、マーケティング戦略を成功に導くための重要なステップとなります。
カスタムセグメントの種類とその違い
カスタムセグメントを作成する際に「ユーザーセグメント」、「セッションセグメント」、「イベントセグメント」という3つの主要なセグメントタイプを使用します。これらのセグメントを理解し、適切に活用することで、データからより具体的かつ有意義な洞察を引き出すことが可能になります。以下に、それぞれのセグメントの特徴と例を挙げて説明します。
1. ユーザーセグメント
定義: ユーザーセグメントは、特定の属性や行動を持つユーザー全体を対象とします。このセグメントは、ユーザーが一定期間内に示した行動や特性に基づいてグループ化されます。
例: ある特定の国からアクセスしているユーザー全員を対象とするセグメント。例えば「日本からのユーザー」セグメントでは、日本からサイトに訪問したすべてのユーザーがこのセグメントに含まれます。これにより、地域別のユーザー行動や傾向を分析することができます。
2. セッションセグメント
定義: セッションセグメントは、特定のセッション内でのユーザーの行動に焦点を当てたセグメントです。このセグメントは、一連のセッション属性やその中で発生したイベントに基づいています。
例: 「5ページ以上を閲覧したセッション」セグメントは、一つの訪問(セッション)でユーザーが5ページ以上閲覧した場合に該当します。このセグメントを分析することで、ウェブサイトのエンゲージメントが高い訪問パターンを理解することができます。
3. イベントセグメント
定義: イベントセグメントは、特定のイベントやアクションが行われたインスタンスに焦点を当てます。これは、ユーザーが特定の行動を取った際のデータを抽出するために使用されます。
例: 「購入イベントを完了したユーザー」セグメントは、ウェブサイト上で商品購入のプロセスを完了したユーザーの行動を分析します。このセグメントを利用することで、購入を促進する要因や、コンバージョンに至ったユーザーの特性を深く理解することができます。
ユーザーセグメント、セッションセグメント、イベントセグメントは、それぞれ異なる分析目的に応じてデータをグループ化するための方法を提供します。ユーザーセグメントはユーザー全体の属性や行動を、セッションセグメントは特定の訪問での行動を、イベントセグメントは特定の行動やイベントを対象としています。これらのセグメントを適切に活用することで、データからより精密な洞察を得ることが可能になり、効果的なマーケティング戦略やユーザーエクスペリエンスの改善につなげることができます。
まとめ
第13回の記事では、探索機能における「セグメント」の活用方法について詳しく掘り下げました。セグメント機能は、データを特定の条件で絞り込み、特定のユーザーグループの振る舞いを分析するための非常に強力なツールです。この機能を活用することで、マーケティング戦略の効果を高め、ウェブサイトやアプリのユーザーエクスペリエンスを改善するための具体的な洞察を得ることができます。
セグメントを活用した探索機能は、単にデータを見ること以上の価値を提供します。それは、データから学び、具体的なアクションに移すための洞察を得ることです。分析を通じて得られた知見を基に、ウェブサイトやアプリの最適化を図りましょう。しかし、GA4での分析の旅はまだ続きます。データ分析のスキルをさらに磨き、より複雑なデータを扱えるようになるためには、継続的な学習と実践が求められます。
次回は、GA4での分析をさらに進化させるための新たなステップに焦点を当てていきます。より高度な分析機能の紹介や、異なるデータソースを組み合わせた分析方法など、GA4を最大限に活用するためのアドバイスを提供する予定です。データ分析のスキルを次のレベルへと引き上げ、ウェブサイトやアプリのパフォーマンスを最大化させるための洞察を一緒に探求しましょう。次回もお楽しみに!
初級者のためのやさしくGoogleアナリティクス4(GA4)を説明する18回
第1回:Googleアナリティクス4(GA4)とは?
第2回:Googleアナリティクス4(GA4)の設定方法:アカウントとプロパティの作成
第3回:GA4入門者必見!効果的なデータ収集のための6つの設定
第4回:はじめてのGA4 レポート機能を使ってみよう
第5回:リアルタイムレポートでウェブサイトの現状を把握しよう
第6回:GA4におけるーザー属性と興味関心の分析方法
第7回:オーディエンス機能とは?オーディエンス機能の有効的な使い方
第8回:レポート機能を使ったチャネル分析
第9回:イベントとコンバージョンの設定
第10回:ライブラリ機能を使ったカスタムレポートの作り方
第11回:初心者でもわかるように解説!探索機能の使い方_基礎編
第12回:探索機能の「空白」テンプレートの使い方
第13回:探索機能の「セグメント」の使い方
第14回:探索機能の「経路データ探索」の使い方と分析
第15回:探索機能の「ファネルデータ探索」の使い方と分析
第16回:クロスドメインとは?クロスドメインの役割と設定方法について詳しく解説
第17回:GA4利用者必見!utmパラメータとは?役割と設定方法について詳しく解説
第18回(最終回):GA4とGoogle Search Consoleの連携方法
追加の5回
第19回:GA4でYouTubeの計測をしよう!実装方法から計測方法まで完全レクチャー!
第20回:GA4のDebugviewの使い方を完全レクチャー!
第21回:GA4の標準レポートでフィルタ機能を使いこなそう!
第22回:GA4で正規表現を使えるようになろう!
第23回:GA4の管理画面でどんなことができるのかを完全レクチャー!
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