第5回 リアルタイムレポートでウェブサイトの現状を把握しよう

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初級者のための やさしくGoogleアナリティクス4(GA4)を説明する18回

みなさん、こんにちは。このシリーズでは全18回にわたり、Googleアナリティクス4(以下、GA4)についてお届けしていきます。GA4の使い方をGA4の基礎から応用まで、初心者の方々にも分かりやすいように丁寧に解説していきます。

今回は第5回として、リアルタイムレポートの見方と活用方法をテーマにお届けします。リアルタイムレポートは、その名の通りウェブサイトやアプリの現在の活動をリアルタイムで追跡するのに役立ちます。このレポートを使うことで、今この瞬間にサイトで何が起こっているのかを把握し、迅速な意思決定やコンテンツの改善に役立てることができます。今回は特に初学者の方に向けて、このレポートの基本的な見方と活用方法を簡単に解説します。

初心者の方でも安心してください。レポート機能の使い方を理解し、GA4を最大限に活用していきましょう!それではどうぞ!

リアルタイムレポートとは

リアルタイムレポートは、ウェブサイトやアプリのパフォーマンスをリアルタイムで把握したいとき、または最近実施したキャンペーンの影響を即座に確認したいときに非常に便利です。このレポートを活用することで、サイトやアプリが現在どのように使用されているかについての即時の洞察を得ることができ、迅速な対応や戦略の調整が可能になります。

リアルタイムレポートの見方

GA4のリアルタイムレポートへのアクセスは、GA4の画面左側にナビゲーションバーがあり、ここには「ホーム」「レポート」「探索」「広告」のセクションがあります。

4つのうち「レポート」の中に入る「リアルタイム」があります。「リアルタイム」をクリックすると、リアルタイムレポートのビューが開き、現在のウェブサイトやアプリの活動を確認することができます。

↑左メニューバーの「レポート」に入り、リアルタイムをクリック

リアルタイムレポートで確認できること(わかること)

リアルタイムレポートは、ウェブサイトにおける現在のアクティビティをリアルタイムで追跡します。このレポートを確認すれば、今この瞬間にあなたのデジタルプラットフォームで何が起こっているのかを具体的に把握することができます。

リアルタイムレポートには、アクティブユーザー、閲覧中のページ、使用されているデバイスの種類、ユーザーの地理的な位置、ユーザーがどのようにしてあなたのサイトにたどり着いたかといったことがわかります。


ユーザー数

この数値は、特定の瞬間にサイトにいる人の数を示しています。プロモーションやイベントが実施されている際にこの数値が増加することで、その活動の即時の影響を見ることができます。

アクティブなページ

この情報は、どのページが最も注目を集めているかを理解するのに役立ちます。コンテンツの関連性や人気度をリアルタイムで把握することができるため、マーケティングやコンテンツ戦略の調整に活用できます。

地域情報

地域別のデータは、特定の地理的エリアからの訪問者が多いことを示しています。この情報は、地域をターゲットにしたマーケティングキャンペーンや、特定の地域でのプロモーションの効果を測定するのに役立ちます。

トラフィックソース

訪問者がどのようにしてあなたのサイトに来たかを理解することは、マーケティングチャネルの効果を評価するのに重要です。直接アクセス、検索エンジン経由、ソーシャルメディア経由など、さまざまなソースからのトラフィックを分析することで、どのチャネルが最も効果的であるかを判断できます。


デバイスカテゴリ

リアルタイムレポートでは、ユーザーがあなたのサイトやアプリにアクセスする際に使用しているデバイスの種類も把握することができます。これには通常、デスクトップ、モバイル、タブレットなどのカテゴリが含まれます。デバイスカテゴリを理解することで、どのデバイスが最も使用されているか、そしてその使用パターンがどのように異なるかを知ることができます。

これらの情報は、新しいキャンペーンの効果を即座にチェックする、人気のコンテンツをリアルタイムで特定する、あるいはサイト上で突然起きた問題を迅速に発見するといった目的で活用することができます。

リアルタイムレポートでは、これらのデータを通じて、あなたのデジタルプラットフォームがどのように使用されているかについての豊富な情報を提供します。それぞれの指標は、サイトやアプリのパフォーマンスを即座に評価し、必要に応じて迅速に対応するための洞察を与えてくれます。

リアルタイムレポートの活用方法

リアルタイムレポートは、ウェブサイトのリアルタイムパフォーマンスを把握するのに有用なレポートです。このセクションでは、リアルタイムレポートをどのように役立てるかについて解説します。

トラフィックのモニタリング

リアルタイムレポートの最も基本的な使い方は、ウェブサイトやアプリへのトラフィックを監視することです。新しいキャンペーンを開始したときや特別なイベントがある際に、これらの活動がトラフィックにどのような影響を与えているかをリアルタイムで観察できます。例えば、特定のプロモーションによって訪問者数が急増した場合、そのキャンペーンの成功を即座に評価することができます。

コンテンツパフォーマンスの分析

どのページが現在最もアクティブか、また訪問者はどのコンテンツに最も関心を持っているかを知ることは、コンテンツ戦略を形成する上で重要です。リアルタイムレポートを使って、新しく公開した記事や動画がどれだけの注目を集めているかを確認できます。人気のコンテンツに追加のリソースを割り当てることで、エンゲージメントをさらに高めることが可能です。

ソーシャルメディアとの統合

ソーシャルメディアからのトラフィックも、リアルタイムレポートで監視できます。特定の投稿やハッシュタグがバイラルになった場合、その効果をリアルタイムで追跡し、ソーシャルメディア戦略を即座に調整することができます。また、ソーシャルメディアからの訪問者がどのページに興味を持っているかを分析し、将来のコンテンツ作成に活かすことができます。

地理的な洞察の活用

リアルタイムレポートは、世界中のどの地域からアクセスがあるかを示します。地域ごとのトラフィックの変化を監視することで、特定の市場におけるキャンペーンの影響を評価したり、特定の地域にターゲットを絞ったマーケティング戦略を立てるための洞察を得ることができます。

即時のトラブルシューティング

突然のトラフィックの落ち込みや特定のページのパフォーマンスの低下は、技術的な問題の兆候である可能性があります。リアルタイムレポートを使ってこれらの変化に迅速に気づき、問題を特定して修正することで、ユーザーエクスペリエンスの低下を最小限に抑えることができます。

イベントトラッキング

GA4のリアルタイムレポートでは、特定のイベントがどれだけ発生しているかもリアルタイムで追跡できます。これにより、フォームの送信、ダウンロード数、ビデオ再生など、ユーザーがサイト上で行った特定のアクションを即座に把握することが可能です。これらのリアルタイムのフィードバックを利用して、ユーザーエンゲージメントを向上させる施策を素早く施すことができます。

A/Bテストのリアルタイム分析

新しいデザインや機能をテストする際に、リアルタイムレポートを活用すると、A/Bテストの結果を即座に把握することができます。異なるバージョンのページに対するユーザーの反応をリアルタイムで観察し、より効果的なバージョンを迅速に判断できます。
※ABテストツールは別途必要になります。

リアルタイムレポートの活用により、ウェブサイトの運営者はリアルタイムでのデータ分析を通じて迅速な意思決定を行うことが可能になります。この能力は、特に短期間に集中して成果を出す必要があるキャンペーンやプロモーションにおいて価値があります。

リアルタイムレポートの注意点

リアルタイムレポートを活用する際には、以下に注意しましょう。

データの即時性に惑わされない

リアルタイムレポートの最大の魅力は、その名の通り「リアルタイム」でデータを提供することです。しかし、この即時性が逆に誤解を招く可能性があります。リアルタイムデータは一時的な変動を捉えているため、長期的なトレンドや本質的な問題を見逃す可能性があります。そのため、リアルタイムレポートで得られるデータをもとに戦略を立てる際には、長期間にわたるデータと組み合わせて分析することが重要です。


データの解釈に慎重に

リアルタイムレポートで示されるデータは非常に動的で、短い時間で大きく変化することがあります。訪問者数が急増しているからといって、それが必ずしも正の影響を意味するわけではありません。たとえば、ウェブサイトに問題が発生し、ユーザーがページの読み込みを繰り返している可能性も考えられます。データの背後にあるコンテキストを常に考慮し、単一の指標だけに依存せずに全体像を見るように心がけましょう。

短期的なデータと長期的な分析のバランス

リアルタイムレポートのデータは短期的な意思決定や問題のトラブルシューティングには非常に有効ですが、ビジネスの長期的な戦略を立てる際には、より包括的な分析が必要です。リアルタイムデータに過度に依存することなく、歴史的データや他の分析ツールを用いて長期的なトレンドを把握することが重要です。

リアルタイムレポートを活用する際には、これらの注意点を考慮に入れ、データに基づく冷静かつ賢明な判断を心がけることが重要です。これにより、即時のデータを活用しつつ、長期的なビジネス目標達成にも関連した判断や戦略を立てる際に役立つ洞察を得ることができます。

リアルタイムレポートは、迅速な対応や即時の意思決定をサポートしますが、長期的なビジネス目標達成のためには、より広範なデータ分析と戦略的計画が必要です。歴史的なデータトレンド、市場分析、競合調査、顧客フィードバックなどを総合的に考慮し、ビジネス目標に対する長期的なアプローチを確立することが重要です。

まとめ

第5回の記事では、リアルタイムレポートの見方と活用方法に焦点を当てました。リアルタイムレポートは、ウェブサイトの現在の状況を瞬時に把握するために便利なレポートです。このレポートを通じて、アクティブユーザー数、閲覧中のページ、セッション数、地域情報、トラフィックソースなどの重要なデータをリアルタイムで追跡することができます。

活用方法としては、トラフィックのモニタリング、コンテンツパフォーマンスの分析、ソーシャルメディアとの統合、地理的な洞察の活用、即時のトラブルシューティングなどが挙げられます。これらを通じて、マーケティングキャンペーンの効果を即座に評価したり、ユーザーエンゲージメントを向上させたりすることが可能です。

しかし、リアルタイムレポートを活用する際には、データの短期的な変動に過剰反応しないこと、コンテキストを考慮すること、データの質と完全性を確認すること、データのプライバシーとセキュリティを守ること、そして長期的な分析とのバランスを取ることが重要です。リアルタイムデータは非常に有用ですが、長期的なビジネス目標達成のためには、広範な視野と戦略的な計画が必要です。

このシリーズの今回の記事を通じて、GA4のリアルタイムレポートの基本を理解し、ビジネスやコンテンツ改善に役立てることができれば幸いです。次回は、さらに深い分析を可能にするGA4の機能について掘り下げていきますので、お楽しみに!

初級者のためのやさしくGoogleアナリティクス4(GA4)を説明する18回

第1回:Googleアナリティクス4(GA4)とは?
第2回:Googleアナリティクス4(GA4)の設定方法:アカウントとプロパティの作成
第3回:GA4入門者必見!効果的なデータ収集のための6つの設定
第4回:はじめてのGA4 レポート機能を使ってみよう
第5回:リアルタイムレポートでウェブサイトの現状を把握しよう
第6回:GA4におけるーザー属性と興味関心の分析方法
第7回:オーディエンス機能とは?オーディエンス機能の有効的な使い方
第8回:レポート機能を使ったチャネル分析
第9回:イベントとコンバージョンの設定
第10回:ライブラリ機能を使ったカスタムレポートの作り方
第11回:初心者でもわかるように解説!探索機能の使い方_基礎編
第12回:探索機能の「空白」テンプレートの使い方
第13回:探索機能の「セグメント」の使い方
第14回:探索機能の「経路データ探索」の使い方と分析
第15回:探索機能の「ファネルデータ探索」の使い方と分析
第16回:クロスドメインとは?クロスドメインの役割と設定方法について詳しく解説
第17回:GA4利用者必見!utmパラメータとは?役割と設定方法について詳しく解説
第18回(最終回):GA4とGoogle Search Consoleの連携方法

【監修】森 和吉

株式会社吉和の森 代表取締役
青森県八戸市出身。2019年11月、ライフワークとしてデジタル・マーケティングに携わり、人の役に立ちたいたいと思い起業。さまざまな業態・業種の事業案件を手掛けている。コンテンツ立ち上げ後の集客や運用、コンテンツを持っている事業者との「アライアンス業務」、「Webを使った集客」を強みとするウェブ解析士マスター、チーフSNSマネージャー、提案型ウェブアナリスト。
特に不動産業が強く、デジタルマーケティングを使って、不動産投資クラウドファンディングで25万人の会員・出資額50億円を1年間で集めたり、不動産投資の累計販売額は100億を記録する。

◆著書◆
日本一詳しいWeb集客術「デジタル・マーケティング超入門」…第3刷
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自社サイトをコストで終わらせないために ウェブ解析士の事例発表集(47) Kindle版
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◆株式会社吉和の森◆
https://yoshikazunomori.com/

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