第12回 探索機能の「空白」テンプレートの使い方

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初級者のための やさしくGoogleアナリティクス4(GA4)を説明する18回

みなさん、こんにちは。このシリーズではGoogleアナリティクス4(GA4)の活用方法を紹介しています。初心者の方々にも分かりやすいように、GA4の使い方を基礎から応用まで丁寧に解説しています。

今回は第12回目として、探索機能の「空白」テンプレートの使い方に焦点を当てていきます。GA4の探索機能は、データ分析の自由度を格段に高めるツールです。その中でも「空白」テンプレートを使用することで、目的に合わせた分析をゼロから作成することが可能になります。この高い自由度が、ウェブサイトやアプリのパフォーマンスを向上させるための新たな洞察を見出す鍵となります。

「空白」テンプレートを利用する基本的なステップから、カスタマイズのポイントまで、初心者の方にも理解していただけるように詳しく解説していきます。GA4の探索機能を使いこなし、自分だけの分析を作成して、より深いデータ洞察を得る方法を学びましょう!

「空白」テンプレートを活用した探索機能の魅力を一緒に探っていきましょう。それではどうぞ!

「空白」テンプレートとは?

GA4の探索機能は、ウェブサイトやアプリのデータを深く分析し、ビジネスに必要な洞察を提供するための強力なツールです。その中心にあるのがテンプレートギャラリーで、現在は11種類のテンプレートが用意されています。これらのテンプレートは、異なる分析ニーズに応じて設計されていますが、中でも「空白」テンプレートは特別な位置を占めます。それは、分析を完全にカスタマイズしたいユーザーに最大の自由を与えるためです。

テンプレートギャラリーの種類とその比較

①空白

完全な自由度を提供し、ゼロからカスタムレポートを作成できます。

②自由形式

柔軟なデータ表示と探索が可能で、複数のディメンションとメトリクスを組み合わせることができます。

③ファネルデータ探索

ユーザーが目標達成に至るまでの経路を可視化し、改善点を発見します。

④経路データ探索

ユーザーのサイト内での行動パスを追跡し、特定のアクションに至る経路を分析します。

⑤セグメントの重複

異なるユーザーセグメント間での重複を視覚的に分析し、ターゲット層の理解を深めます。

⑥ユーザーエクスプローラ

個々のユーザーレベルでのデータを探索し、詳細なユーザー行動を理解します。

⑦コホートデータ探索

ユーザーグループを特定の行動や属性で分類し、時間経過とともにその行動を追跡します。

⑧ユーザーのタイムライフ

ユーザーの生涯価値やエンゲージメントを時間軸で追跡分析します。

⑨ユーザー獲得

新規ユーザー獲得に焦点を当て、どのチャネルが最も効果的かを分析します。

⑩キーイベント

ウェブサイトやアプリのコンバージョンに関連するデータを詳細に探索します。

⑪ユーザーの行動

ユーザーがサイトやアプリ内でどのような行動を取っているかを深堀りします。

⑫eコマース

オンラインショッピングの動向、商品のパフォーマンス、購買行動を分析します。

⑬ゲーム

ゲームアプリのユーザー行動、エンゲージメント、収益性を詳細に分析します。

各テンプレートは、特定の分析目的に特化しています。その中でも「空白」テンプレートはこれらの枠を超え、ユーザーが自由にデータを組み合わせ、独自の分析を行える環境を提供します。分析の目的や問いが明確な場合、目的に応じたテンプレートを選択することで迅速に洞察を得ることができます。しかし、独自の複雑な分析や、既存のテンプレートではカバーできないニーズがある場合、「空白」テンプレートがその強力な能力を発揮します。

「空白」テンプレートはGA4の探索機能の中でも特にユニークな存在であり、ユーザーに無限の可能性を提供します。テンプレートギャラリーの中で自分の分析ニーズに最適なテンプレートを選択することで、データに基づいた洞察を深め、ウェブサイトやアプリのパフォーマンス向上につなげましょう。

「空白」テンプレートの使い方詳細ガイド

GA4の「空白」テンプレートを使用して、カスタム分析をゼロから構築する方法を、特に変数エリアと設定エリアの使い方に焦点を当てながら解説します。

1:探索セクションに移動

左メニューから「探索」を選択。これにより、探索機能のダッシュボードにアクセスできます。

2:「空白」テンプレートを選択

テンプレートギャラリーから「空白」テンプレートを見つけて選択します。

3:変数エリアの設定

「空白」テンプレートを選択すると、変数エリアと設定エリアが表示されます。ここからが、実際にデータを追加し分析をカスタマイズする作業の始まりです。

3-1 データの追加

変数の種類: GA4では、ディメンション(データの属性)と指標(量を示す数値)の2種類の変数を使います。例えば、ディメンションには「国」「ページパス」が、指標には「ユーザー数」「セッション数」があります。

3-2 データの選択

「変数」エリアでは、分析に使用したいディメンションと指標を選択します。これにより、分析したい特定のデータの視点を定義します。

3-3 ディメンションと指標を登録

データに反映させるためには、選択したディメンションと指標をダブルクリックします。

3-4 セグメント(任意)

特定の条件に基づいてユーザーグループを分析するために、セグメントを作成します。例えば、特定の国からの訪問者だけを対象に分析したい場合、その国を条件としたセグメントを作成します。

※セグメントの作成については第13回で解説します。

4:設定エリア

分析結果をどのように表示するかを作成するエリアです。これをビジュアライゼーション設定と言います。 「設定」エリアでは、選択したビジュアライゼーションの具体的な設定を行います。これには、グラフ、表示するデータの範囲、色のカスタマイズ、ラベルの編集などが含まれます。表、棒グラフ、線グラフなど、データを最も効果的に伝える形式を選びましょう。テンプレートも「空白」ではないものをここで選択できます。

これで基本的な探索機能の「空白」を使ったレポートは完成です。

注意点

 分析の目的に合わせて、適切なディメンションと指標を選択することが重要です。間違った組み合わせは、誤解を招く結果につながる可能性があります。

セグメントを作成する際は、分析したいグループを正確に反映するように条件を設定してください。細かすぎる条件は、結果の解釈を難しくすることがあります。

「空白」テンプレートを使ったカスタム分析は、GA4の強力な機能を最大限に活用する方法の一つです。これにより、ビジネスに特化した深い洞察を得ることができます。

ディメンションと指標の違いについて

データ分析、特にGA4のような分析ツールを使う際にはディメンションと指標はその核となる概念です。これらを理解し適切に使用することで、データからの洞察を深め、より意味のある結論を導き出すことができます。しかし、これら二つの概念を混同してしまうことも少なくありません。ここでは、ディメンションと指標の違いとその使い方について明確に解説します。


ディメンションと指標の使い方

ディメンションと指標の違いを理解することは、効果的なデータ分析の第一歩です。一般的に、ディメンションを軸としてデータを分類し、その上で指標を使って各カテゴリのパフォーマンスを評価します。例えば、ウェブサイトの「国別の訪問者数」を知りたい場合、「国」がディメンション、「訪問者数」が指標になります。これにより、どの国からのアクセスが多いかを数値で把握することができます。

ディメンション=何についてのデータか

ディメンションはデータを記述する「属性」や「カテゴリ」を指します。主に文字列や日付など非数値形式で表されます。
ディメンションは、データをグループ化し、フィルタリングする基準となります。例えば、ウェブサイト分析において「国」「都市」「ページパス」「セッションの日付」などがディメンションに該当します。これらは訪問者がどこから来たのか、どのページを訪れたのか、いつ訪れたのかというコンテキストに該当します。

指標=どれだけのデータか

一方、指標はディメンションに関連する「量」や「パフォーマンス」を数値で示します。これはデータの「量」を測定し、具体的な数値で表される情報です。指標を通じて、ウェブサイトやアプリのパフォーマンスを評価することができます。例えば、「セッション数」「ページビュー数」「キーイベント数」「平均セッション時間」などが指標に該当します。これらはウェブサイトの訪問者がどれだけの活動をしたのか、どれだけの成果を達成したのかを数値で示します。

ディメンションと指標の違いを明確に理解し、それぞれを適切に使用することで、データからより豊かな洞察を引き出すことが可能になります。ディメンションがデータ分析の「土台」を築き、指標がその上に構築される「建物」のようなものです。両者を効果的に組み合わせることで、データの全体像を正確に捉え、より深い理解に到達することができます。

まとめ

第12回の記事を通じて、Googleアナリティクス4(GA4)における探索機能の核心である「空白」テンプレートの使い方について深掘りしました。このテンプレートは、データ分析の自由度を格段に高め、分析者が特定の目的に合わせたカスタムレポートを作成できるように設計されています。分析の世界では、一つ一つのデータポイントが物語っており、「空白」テンプレートはそれらを組み合わせ、新たな洞察を生み出すための強力な道具です。

本記事では、探索機能における変数エリアと設定エリアの活用方法から、ディメンション、指標の選び方、さらにはビジュアライゼーションのカスタマイズ方法に至るまで、初心者でも簡単に取り組める分析の基本を紹介しました。この知識を活用することで、ユーザーは自身のビジネスやプロジェクトに最も関連するデータを選択し、有意義な洞察を導き出すことができます。

また、データ分析は単に数値を眺める以上のものであることを強調しました。られたデータから意味を読み取り、具体的なアクションにつなげるプロセスです。GA4の探索機能を駆使することで、ユーザー行動の理解を深め、ウェブサイトやアプリのユーザー体験を向上させるための戦略を練ることが可能になります。

以降もGA4の更に進んだ分析テクニックに焦点を当て、データをより深く理解し、ビジネス戦略に活かすための高度な方法を探求していきます。次のステップも、分析能力を新たな高みに引き上げることでしょう。次回もお楽しみに!

初級者のためのやさしくGoogleアナリティクス4(GA4)を説明する18回

第1回:Googleアナリティクス4(GA4)とは?
第2回:Googleアナリティクス4(GA4)の設定方法:アカウントとプロパティの作成
第3回:GA4入門者必見!効果的なデータ収集のための6つの設定
第4回:はじめてのGA4 レポート機能を使ってみよう
第5回:リアルタイムレポートでウェブサイトの現状を把握しよう
第6回:GA4におけるーザー属性と興味関心の分析方法
第7回:オーディエンス機能とは?オーディエンス機能の有効的な使い方
第8回:レポート機能を使ったチャネル分析
第9回:イベントとコンバージョンの設定
第10回:ライブラリ機能を使ったカスタムレポートの作り方
第11回:初心者でもわかるように解説!探索機能の使い方_基礎編
第12回:探索機能の「空白」テンプレートの使い方
第13回:探索機能の「セグメント」の使い方
第14回:探索機能の「経路データ探索」の使い方と分析
第15回:探索機能の「ファネルデータ探索」の使い方と分析
第16回:クロスドメインとは?クロスドメインの役割と設定方法について詳しく解説
第17回:GA4利用者必見!utmパラメータとは?役割と設定方法について詳しく解説
第18回(最終回):GA4とGoogle Search Consoleの連携方法

【監修】森 和吉

株式会社吉和の森 代表取締役
青森県八戸市出身。2019年11月、ライフワークとしてデジタル・マーケティングに携わり、人の役に立ちたいたいと思い起業。さまざまな業態・業種の事業案件を手掛けている。コンテンツ立ち上げ後の集客や運用、コンテンツを持っている事業者との「アライアンス業務」、「Webを使った集客」を強みとするウェブ解析士マスター、チーフSNSマネージャー、提案型ウェブアナリスト。
特に不動産業が強く、デジタルマーケティングを使って、不動産投資クラウドファンディングで25万人の会員・出資額50億円を1年間で集めたり、不動産投資の累計販売額は100億を記録する。

◆著書◆
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◆株式会社吉和の森◆
https://yoshikazunomori.com/

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