第14回 探索機能の「経路データ探索」の使い方と分析

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初級者のための やさしくGoogleアナリティクス4(GA4)を説明する18回

こんにちは!このシリーズでは、Googleアナリティクス4(GA4)の活用方法を初心者向けに紹介しています。GA4の使い方を基礎から応用まで、わかりやすく解説していきます。

今回は第14回目、「経路データ探索」の使い方とその分析に焦点を当て解説していきます。ユーザーのサイト内での動きを追跡し、それらの行動パターンから貴重な洞察を得ることができるこの機能は、サイトの改善に非常に役立ちます。どのページがユーザーの関心を引いているのか、またどのページで離脱してしまうのかを明らかにすることが、より効果的なウェブサイトへと導きます。

経路データ探索の基本的な使い方から、具体的なデータの読み取り方までを、初心者の方にも理解しやすい形で解説します。GA4を用いた詳細なデータ分析を通じて、ウェブサイトのパフォーマンス向上につながる洞察を得ましょう!経路データ探索の詳細について一緒に学んでいきましょう。それではどうぞ!

経路データ探索とは?

「経路データ探索」とは、「探索」機能の中にあるテンプレートの一つで、ユーザーがウェブサイトやアプリ内でどのような経路をたどっているかを視覚的に追跡し、そのデータを分析するためのツールです。この機能を利用することで、ユーザーの行動パターンを深く理解し、ウェブサイトやアプリのユーザーエクスペリエンス(UX)を向上させるための具体的なアクションを導き出すことが可能になります。

経路データ探索の重要性

経路データ探索は、ユーザーがサイト内でどのような行動を取ったか、どのページを訪れ、どのリンクをクリックしたかといった情報を詳細に提供します。これにより、ユーザーがサイト内で直面している問題や、特に興味を持っているコンテンツが明確になります。例えば、ある特定のページでユーザーが頻繁に離脱している場合、そのページの内容やデザインに問題がある可能性が高いと判断できます。

経路データ探索の利用方法

GA4の左メニューから「探索」機能にアクセスし、「経路データ探索」を選択することで、経路データ探索を開始できます。利用者は初めに分析の目的を定め、それに基づいて追跡したいユーザーの行動やイベントを選択します。

経路データ探索は、ユーザーがウェブサイトやアプリ内で取る行動を深く理解するための強力なツールです。この機能を通じて、ユーザーエクスペリエンスの向上、キーイベントレートの改善、そして最終的にはビジネス成果の向上を目指すことができます。ユーザーの行動を追跡し、そのデータから得られる洞察を活用することで、より効果的なウェブサイト運営を実現することが可能になります。

本記事では、「経路データ探索」データの作成方法について、ステップバイステップガイド形式で解説します。

「探索」メニューから「経路データ探索」を選択
「探索」メニューが開いたら、「経路データ探索」を選択します。

①ステップ1 始点を決める

次に分析対象となる行動の起点となる項目(始点)と、その後の行動の詳細な種類(ノード)を設定します。
デフォルトではイベント名になってますが、「最初からやり直す」をクリックすることで選択ができます。

■起点となる項目(始点)で選択できるもの
・イベント
・ページタイトルとスクリーン名
・ページパス

ただし多くの場合始点においてはイベント=session startから始めます。
ここでもイベント=session startで始めます。

②ステップ2:ノードを選択する

ノードとは、経路データ探索におけるユーザー行動の単位です。まるで木々の枝葉のように、ユーザーがサイト内を行った行動を繋ぎ合わせ、全体像を浮き彫りにする役割を担います。
多くの場合ステップ2以降は「ページタイトルとスクリーン」か「ページパスかスクリーンクラス」を選択します。

■ステップ2以降のノードで選択できるもの
・イベント
・ページタイトルとスクリーン名
・ページパスとスクリーンクラス

多くの場合は「ページタイトルとスクリーン」か「ページパスかスクリーンクラス」を選択します。
ここでは「ページタイトルとスクリーン」を選択します。

③必要に応じて、「ステップ2」以降で詳細な分析項目を設定

気になるページをクリックするとそこからさらに木々の枝のようにユーザーがどのページに進んだかがわかります。

調べたいページがない場合(表示されていない場合)は各ステップにある「鉛筆マーク」をクリックします。

調べたいページを探してチェックを入れれば表示されます。
検索窓があるのでそこに該当するページ名の一部を入れると探しやすいです。
また表示結果が多すぎる場合はチェックを外せば、余計なデータは除外されますので見やすくなります。

④分析結果を比較する別の期間やセグメントを設定することができます。

分析したい用途に併せて期間やセグメントを設定します。
期間は忘れやすいので注意してください。
セグメントは例えばデバイス別で分析すると効果的です。

逆引き経路

「経路データ探索」には、順引き経路と逆引き経路の2つの分析方法があります。

・順引き経路: ユーザーが最初に訪問したページから、コンバージョンに至るまでの行動を分析する。
・逆引き経路: 特定のページやイベントを起点として、そのページにたどり着くまでのユーザー行動を分析する。

逆引き経路の活用例

逆引き経路は、以下のような分析に役立てることができます。
離脱率の高いページの原因を分析: 離脱率の高いページを起点として、そのページにたどり着くまでのユーザー行動を分析することで、離脱の原因を特定することができます。

①キーイベントに至るまでのきっかけを分析

イベントを起点として、そのイベントが発生するまでのユーザー行動を分析することで、コンバージョンに至るまでのきっかけを特定することができます。

②特定のページへの流入経路を分析

特定のページを起点として、そのページにたどり着くまでのユーザー行動を分析することで、そのページへの流入経路を特定することができます。

逆引き経路データの出し方

経路データ探索の画面から「最初からやり直す」をクリックします。

終点をクリックします。

終点を選択します。

これで逆引きのデータができました。
「経路データ探索」の逆引き経路機能を活用することで、ユーザーの行動をより深く理解することができます。この機能を活用して、効果的なマーケティング戦略の立案や施策の改善に役立ててください。

分析結果を解釈

データ探索が完了すると、分析結果が表示されます。以下の点に注目して、分析結果を解釈しましょう。

・ユーザーがどのような経路でキーイベントに至っているのか
・ユーザーがどのページで離脱しているのか
・デバイスやトラフィックソースによってユーザー行動がどのように異なるのか(セグメント)

また分析結果を踏まえて、以下のような施策を検討することができます。

・離脱率の改善
 ユーザーが離脱しやすいページを特定し、そのページの改善施策を検討することができます。
・キーイベントレートの向上
 コンバージョンに至るまでのユーザー行動を分析し、コンバージョン率を向上させるための施策を検討することができます。
・ユーザー体験の向上
 ユーザーの滞在時間を長くするようなコンテンツや施策を検討することができます。

デバイス別、トラフィックソース別の施策立案: デバイスやトラフィックソースごとにユーザー行動が異なることを踏まえ、それぞれに効果的な施策を検討することができます。また、経路データ探索」機能を活用することで、ウェブサイトやアプリ内でのユーザー行動の流れを詳細に追跡し、そのデータから価値ある洞察を得ることが可能です。このセクションでは、経路データを解析し、具体的な改善点を特定する方法について説明します。

ユーザー行動の可視化

経路データ探索では、ユーザーの行動パターンを視覚的に表現することが重要です。経路データ探索では、フローチャートやグラフを用いて、ユーザーがサイト内でどのように移動しているかを示します。これにより、マーケティング担当者やウェブデザイナーは、ユーザーの興味やニーズを直感的に理解し、それに応じた戦略を立てることができます。

主要な行動パターンの識別

データを詳しく分析することで、特定の行動パターンや傾向が明らかになります。例えば、特定の製品ページへの流入が多いことが確認されれば、その製品に高い関心があると推測できます。また、特定のページでの離脱率が異常に高い場合、そこに何らかの問題が存在する可能性があり、さらなる調査が必要です。

ボトルネックの発見と解決

ユーザーがサイト内で停滞するポイントや、頻繁に離脱するページを特定することは、ウェブサイト全体の流れを改善する上で非常に有効です。これらのボトルネックが明らかになれば、具体的な改善策を実施することが可能です。たとえば、チェックアウトプロセス中に多くのユーザーが離脱する場合、プロセスの簡素化や追加の誘導を行うことで改善できるかもしれません。

改善点の発見

経路データ探索を使った分析からは、サイトの潜在的な改善点も見えてきます。ユーザーが興味を持ちそうな内容であればあるほど、関連ページへの導線を強化することで、さらにエンゲージメントを高めることができます。また、ユーザーが特定のコンテンツに長時間滞在している場合、そのコンテンツをさらに拡張したり、他のページにも類似の要素を取り入れたりすることが効果的です。

継続的な改善のためのデータ活用

得られた洞察を基に、継続的なウェブサイトの改善を行うことが重要です。データは定期的に分析を行い、施策の効果を評価するための基盤となります。ウェブサイトやマーケティング戦略の微調整を繰り返すことで、ユーザーエクスペリエンスの向上とコンバージョン率の増加を目指します。

「経路データ探索」を活用することで、ユーザーのサイト内での動きを詳細に追跡し、その行動から学ぶことができます。この洞察は、サイトをより使いやすく、また訪れたユーザーにとって価値あるものにするための鍵となります。

初心者のための分析のコツ

「経路データ探索」機能は非常に強力ですが、初心者にとってはその複雑さが壁となることもあります。データ分析を始めたばかりの方々が効果的に経路データを分析し、有意義な洞察を得るためのコツを以下に紹介します。

シンプルにスタート

分析を始める際は、複雑な設定や多くの変数を一度に扱わず、基本的なユーザーフローから理解を深めることが重要です。例えば、ユーザーが最も多く訪れるページや、最も頻繁に離脱するページから分析を始めてみましょう。これにより、ウェブサイトの基本的な動きや問題点を把握することができます。

目的を明確に

分析の目的をはっきりと定めることは、データからの洞察を最大化する上で非常に重要です。何を知りたいのか、どのデータがその答えを提供してくれるのかを理解することが、分析の効率を格段に上げます。例えば、キーイベントレートを改善したい場合は、購入ページに至るまでのユーザーのフローに注目することが有効です。特にこのような場合は逆引きが有効的です。

繰り返し検証

データ分析は一度きりの作業ではありません。定期的にデータを見直し、前回の分析からどのような変化があったかを評価することが重要です。また、施策を実施した後はその効果を検証し、必要に応じて調整を行います。この繰り返しにより、より精度の高いデータ分析が可能になります。

これらのコツを活用して、GA4の「経路データ探索」機能を用いたウェブサイト分析のスキルを段階的に高めていきましょう。始めは小さなステップから始めて、徐々に分析の範囲を広げていくことが、データ分析の世界で成功する鍵となります。

まとめ

第14回の記事では、Googleアナリティクス4(GA4)の「経路データ探索」機能に焦点を当て、ユーザーがウェブサイトやアプリ内でどのような経路をたどるかの視覚的な追跡と分析方法を掘り下げました。この機能を活用することで、ユーザーの行動パターンを理解し、サイトのユーザーエクスペリエンスの向上やコンバージョン率の改善につながる洞察を得ることができます。

経路データ探索は、単にユーザーの行動を追跡するだけでなく、そのデータを基にサイトの構造を最適化し、より効果的なユーザー体験を設計するための強力なツールです。ユーザーの行動フローを可視化することで、特定のページでの滞在時間の長さや離脱ポイントを明確に識別し、それらの情報をもとにサイト改善のための具体的なアクションプランを立てることができます。

「経路データ探索」機能の基本的な使い方と、そのデータからどのようにして価値ある洞察を得られるかの理解を深めていただければと思います。

次回はさらに詳細な分析テクニックについて掘り下げていきますので、お楽しみに!

初級者のためのやさしくGoogleアナリティクス4(GA4)を説明する18回

第1回:Googleアナリティクス4(GA4)とは?
第2回:Googleアナリティクス4(GA4)の設定方法:アカウントとプロパティの作成
第3回:GA4入門者必見!効果的なデータ収集のための6つの設定
第4回:はじめてのGA4 レポート機能を使ってみよう
第5回:リアルタイムレポートでウェブサイトの現状を把握しよう
第6回:GA4におけるーザー属性と興味関心の分析方法
第7回:オーディエンス機能とは?オーディエンス機能の有効的な使い方
第8回:レポート機能を使ったチャネル分析
第9回:イベントとコンバージョンの設定
第10回:ライブラリ機能を使ったカスタムレポートの作り方
第11回:初心者でもわかるように解説!探索機能の使い方_基礎編
第12回:探索機能の「空白」テンプレートの使い方
第13回:探索機能の「セグメント」の使い方
第14回:探索機能の「経路データ探索」の使い方と分析
第15回:探索機能の「ファネルデータ探索」の使い方と分析
第16回:クロスドメインとは?クロスドメインの役割と設定方法について詳しく解説
第17回:GA4利用者必見!utmパラメータとは?役割と設定方法について詳しく解説
第18回(最終回):GA4とGoogle Search Consoleの連携方法

【監修】森 和吉

株式会社吉和の森 代表取締役
青森県八戸市出身。2019年11月、ライフワークとしてデジタル・マーケティングに携わり、人の役に立ちたいたいと思い起業。さまざまな業態・業種の事業案件を手掛けている。コンテンツ立ち上げ後の集客や運用、コンテンツを持っている事業者との「アライアンス業務」、「Webを使った集客」を強みとするウェブ解析士マスター、チーフSNSマネージャー、提案型ウェブアナリスト。
特に不動産業が強く、デジタルマーケティングを使って、不動産投資クラウドファンディングで25万人の会員・出資額50億円を1年間で集めたり、不動産投資の累計販売額は100億を記録する。

◆著書◆
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◆株式会社吉和の森◆
https://yoshikazunomori.com/

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