第22回:GA4で正規表現を使えるようになろう!

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みなさん、こんにちは!このシリーズでは、Googleアナリティクス4(GA4)の活用方法を紹介しています。GA4の使い方を基礎から応用まで、初心者の方々にも分かりやすいように丁寧に解説していきます。

前回はレポートのフィルタリング機能について解説しましたが、その中で正規表現について軽く触れました。
今回は第22回目として、「GA4で正規表現を使えるようになろう!」に焦点を当てます。

ウェブサイトやアプリの計測において、データを効率的にフィルタリングし、詳細な分析を行うために、正規表現の理解は非常に重要です。

この記事を通じて、正規表現の基本から使い方までを、初心者の方にも理解していただけるように解説していきます。正規表現の使い方について一緒に学んでいきましょう。

それではどうぞ!

そもそも正規表現とは?

正規表現は、文字列のパターンを指定するための強力な技法です。正規表現を使用すると、特定の文字列を簡単に検索、マッチ、抽出、置換できます。例えば、特定のページパスやクエリパラメータなど、GA4でのデータ分析やフィルタリングに非常に便利です。

例:標準レポートのフィルタ機能

GA4での正規表現の概要

GA4の正規表現とは?

GA4において、正規表現を使うことで、特定の文字列パターンに基づいてデータを柔軟かつ効率的にフィルタリングすることができます。

例えば、特定のページパスやクエリパラメータに一致するデータを簡単に抽出できます。イベント名やカスタムパラメータのフィルタリングにも利用でき、ユーザーの特定のアクションや行動を識別する際に役立ちます。

また特定のキャンペーン名に基づくユーザーの行動を分析したり、特定の条件に一致するイベントを絞り込んでレポートを作成したりすることができます。

正規表現でどんなことができるの?

正規表現は、以下のように多岐にわたる用途に利用できます。

特定の文字列のマッチング

特定のキーワードを含むページビューやイベントを抽出することができます。GA4では、例えば特定のページパスに一致するイベントをフィルタリングする際に非常に有用です。

パターンの検索

特定の形式に一致するデータを検索できます。例えば、特定のドメインのメールアドレスやクエリパラメータを検索する際に役立ちます。これにより、特定の条件に一致するデータを簡単に見つけることができます。

文字列の置換

一致する文字列を別の文字列に置換することが可能です。これを使ってデータのクリーニングやフォーマットの統一を行うことができます。

抽出

一致する部分文字列を抽出することで、必要なデータを効率的に取り出すことができます。これにより、GA4でのデータ分析が一層効率的になり、詳細なインサイトを得るための手助けとなります。

これらの機能を駆使することで、GA4でのデータ分析がより効果的に行えるようになります。

正規表現を使う目的とメリット

GA4で正規表現を使用することには、以下のような目的とメリットがあります。

効率的なデータ分析

正規表現を用いることで、特定の条件に一致するデータを簡単にフィルタリングできます。これにより、大量のデータから必要な情報を迅速に抽出できるため、分析作業が効率化されます。

詳細なトラッキング

ユーザーの行動をより詳細に分析することができます。正規表現を使用して特定のページパスやクエリパラメータに基づくユーザーのアクションをトラッキングすることで、深いインサイトを得ることが可能になります。

データの正確性向上

必要なデータを正確に抽出することで、データの一貫性と精度が向上します。これにより、信頼性の高いデータに基づいた意思決定が可能になり、分析結果の信頼性が向上します。

正規表現を駆使することで、GA4でのデータ分析が一層効果的になり、マーケティング戦略の精度も高まります。これらの利点を活用して、データ分析の質を向上させましょう。

正規表現を使う場所やケース

GA4で正規表現が使える場面は多岐にわたります。以下はその一例です。

使用ケース説明場所
フィルタ特定の条件に一致するデータを抽出。特定のキーワードやページパスに基づいてデータを絞り込むことが可能。標準レポート、探索機能
セグメント特定のユーザー行動に基づいてセグメントを作成。ターゲティングやパーソナライズされたマーケティングキャンペーンを実施可能。探索機能
オーディエンス正規表現を使用して特定の条件を満たすオーディエンスを定義。特定の属性や行動パターンに基づいてユーザーグループを識別。標準レポート、探索機能、管理画面
内部トラフィック正規表現を使用して内部トラフィックを除外。特定のIPアドレスやホスト名に基づいて内部トラフィックを識別し、分析から除外することが可能。管理画面
参照元除外特定の参照元を除外。特定のドメインやURLパターンに基づいて不要な参照元を除外し、分析の精度を向上させることが可能。管理画面

これらの場面において正規表現を活用することで、GA4でのデータ分析が一層効率的かつ効果的になります。
正規表現の基本を理解し、実際の業務で適用することで、より詳細で正確なインサイトを得ることができます。

探索機能でのフィルタ。ここでも正規表現を使う頻度は高い。

データストリーム内で設定する「参照元除外設定」ここでも正規表現の利用は可能

正規表現の使い方

以下に、GA4での正規表現の基本的な使い方を紹介します。

1. 基本的な正規表現

正規表現にはいくつかの基本的な構文があります。以下はその一部です:

  • .(ドット):任意の1文字と一致。
  • *(アスタリスク):0回以上の繰り返し。
  • +(プラス):1回以上の繰り返し。
  • ?(クエスチョン):0回または1回の出現。
  • [](ブラケット):ブラケット内のいずれか1文字と一致。
  • ^(キャレット):文字列の開始位置と一致。
  • $(ドル):文字列の終了位置と一致。

それぞれのケースで表を作成しました。

①ページパスでの正規表現使用例

正規表現正規表現の意味使用例実際にどう抽出されるか
.任意の1文字と一致/product./product1, /products, /productA など
*0回以上の繰り返し/products/*/products/, /products/item1, /products/item2 など
+1回以上の繰り返し/products/.+/products/item1, /products/item2 など
?0回または1回の出現/products/?/products/, /products
[]ブラケット内のいずれか1文字と一致/category/[a-z]/category/a, /category/b, /category/c など
^文字列の開始位置と一致^/blog/blog/post1, /blog/post2 など
$文字列の終了位置と一致/contact$/contact
|いずれかのパターンに一致/about|/contact/about, /contact

②ページタイトルでの正規表現使用

サイト内に「ようこそ」や「お知らせ」というタイトルが多く含む場合、正規表現を使ってどう抽出するか。

正規表現正規表現の意味使用例実際にどう抽出されるか
.任意の1文字と一致ようこそ.へようこそへ, ようこそ1へ, ようこそaへ など
*0回以上の繰り返しセール.*セール, セール開催中, セール2021 など
+1回以上の繰り返し割引.+割引あり, 割引セール, 割引キャンペーン など
?0回または1回の出現ようこそ?ようこそ, ようこそ!
[]ブラケット内のいずれか1文字と一致[ようこそ]へようこそへ, こんにちはへ
^文字列の開始位置と一致^お知らせお知らせ:新商品, お知らせ – アップデート
$文字列の終了位置と一致更新$サイト更新, システム更新
|いずれかのパターンに一致夏|冬夏のセール, 冬のコレクション

正規表現を使うのは難易度高い?

正規表現は初めての人には少し難しく感じるかもしれませんが、一度基本的な概念を理解すれば、それほど難しくありません。

正規表現の記述には特有のシンタックス(語を組み合わせて、文など更に大きいまとまりを作るときのきまり。)がありますが、慣れれば非常に便利です。
例えば、文字列のマッチングやパターンの検索、特定の文字列の置換や抽出など、多くの操作を簡単に行うことができます。最初はシンプルな例から始めて、徐々に複雑なパターンに挑戦してみましょう。また設定も一遍にやるのではなく、ひとつずつ設定していき、都度データが抽出できるかを確認しながら進めていくとどこでつまづいているのかがわかります。

正規表現を使う際に初めは難しく感じるかもしれませんが、少しずつ慣れていくことで、データ分析の幅が広がり、より効果的なマーケティング戦略を立てることが可能になります。正規表現のスキルを磨くことで、GA4を最大限に活用できるようになります。

まとめ

今回の記事では、GA4での正規表現の使い方に注目し、その基本的な概念から具体的な使用例までを丁寧に解説しました。正規表現はGA4における強力なツールであり、データを効率的にフィルタリングし、詳細な分析を可能にします。特に、新任のデジタルマーケターや新卒の方々にとって、正規表現を習得することは、データ分析の精度を向上させる上で非常に重要です。

GA4で正規表現を活用することで、以下のような利点があります。

・効率的なデータ分析:特定の条件に一致するデータを簡単にフィルタリングできます。
・詳細なトラッキング:ユーザーの行動をより詳細に分析できます。
・データの正確性向上:必要なデータを正確に抽出することで、分析の精度を向上させます。

最後にまとめると、正規表現はレポートの作成やイベントフィルタリング、セグメントの作成、データのクリーニングなど、多岐にわたる用途に利用できます。これにより、トラッキングの問題を素早く解決し、データの正確性を確保することが可能になります。

今回の記事を通じて、GA4での正規表現の基本を理解し、みなさんのデジタルマーケティングに役立てることができれば幸いです。次回もGA4のさらに進んだ機能とその活用方法について詳しく解説していきますので、ぜひお楽しみに!

初級者のためのやさしくGoogleアナリティクス4(GA4)を説明する18回

第1回:Googleアナリティクス4(GA4)とは?
第2回:Googleアナリティクス4(GA4)の設定方法:アカウントとプロパティの作成
第3回:GA4入門者必見!効果的なデータ収集のための6つの設定
第4回:はじめてのGA4 レポート機能を使ってみよう
第5回:リアルタイムレポートでウェブサイトの現状を把握しよう
第6回:GA4におけるーザー属性と興味関心の分析方法
第7回:オーディエンス機能とは?オーディエンス機能の有効的な使い方
第8回:レポート機能を使ったチャネル分析
第9回:イベントとコンバージョンの設定
第10回:ライブラリ機能を使ったカスタムレポートの作り方
第11回:初心者でもわかるように解説!探索機能の使い方_基礎編
第12回:探索機能の「空白」テンプレートの使い方
第13回:探索機能の「セグメント」の使い方
第14回:探索機能の「経路データ探索」の使い方と分析
第15回:探索機能の「ファネルデータ探索」の使い方と分析
第16回:クロスドメインとは?クロスドメインの役割と設定方法について詳しく解説
第17回:GA4利用者必見!utmパラメータとは?役割と設定方法について詳しく解説
第18回(最終回):GA4とGoogle Search Consoleの連携方法

追加の5回

第19回:GA4でYouTubeの計測をしよう!実装方法から計測方法まで完全レクチャー!
第20回:GA4のDebugviewの使い方を完全レクチャー!
第21回:GA4の標準レポートでフィルタ機能を使いこなそう!
第22回:GA4で正規表現を使えるようになろう!
第23回:GA4の管理画面でどんなことができるのかを完全レクチャー!

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【監修】森 和吉

株式会社吉和の森 代表取締役
青森県八戸市出身。2019年11月、ライフワークとしてデジタル・マーケティングに携わり、人の役に立ちたいたいと思い起業。さまざまな業態・業種の事業案件を手掛けている。コンテンツ立ち上げ後の集客や運用、コンテンツを持っている事業者との「アライアンス業務」、「Webを使った集客」を強みとするウェブ解析士マスター、チーフSNSマネージャー、提案型ウェブアナリスト。
特に不動産業が強く、デジタルマーケティングを使って、不動産投資クラウドファンディングで25万人の会員・出資額50億円を1年間で集めたり、不動産投資の累計販売額は100億を記録する。

◆著書◆
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◆株式会社吉和の森◆
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