第9回 イベントとキーイベントの設定

ブログ 初級者のためのやさしくGoogleアナリティクス4(GA4)を説明する18回

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みなさん、こんにちは。このシリーズでは、Googleアナリティクス4(GA4)の活用方法を紹介しています。GA4の使い方を基礎から応用まで、初心者の方々にも分かりやすいように丁寧に解説していきます。

今回は第9回目として、「イベントとキーイベントの設定」について解説していきます。Webサイトやアプリの成功を測定する上で、訪問者の行動を理解することは非常に重要です。特定のユーザー行動をどのように追跡し、それがビジネス目標達成へどのように貢献しているかを知ることは、効果的な戦略を立てるための基礎となります。

この記事を通じて、イベントとキーイベントの設定から分析方法までを、初心者の方にも理解していただけるように解説していきます。GA4を使って訪問者の行動を把握し、ビジネス目標達成に向けた洞察を深めましょう!

それでは、イベントとキーイベントの設定について一緒に学んでいきましょう。それではどうぞ!

イベントとは?

GA4では、イベントの追跡が非常に重視されています。

GA4は、以前のバージョン(ユニバーサルアナリティクス)とは違い、イベントベースのデータモデルを採用しており、ユーザーの行動をより細かく捉えることができます。これにより、Webサイトやアプリのさまざまな側面を詳細に分析し、ユーザーのニーズに応じた改善策を実施するための洞察を得ることができます。

イベントとは、ユーザーがWebサイトやアプリ上で行う特定の行動を指します。例えば、「ボタンのクリック」「特定ページの閲覧」「フォームの送信」など、サイト訪問者のさまざまなアクションを追跡することができます。GA4では、デフォルトで取得できるイベントだけでなく、カスタムイベントを設定して特定の行動をより詳細に追跡することも可能です。そのデータをもとにユーザーエクスペリエンスの向上やマーケティング戦略の最適化を図ることができます。

自動追跡されるイベント

GA4では、いくつかのイベントが自動的に追跡されます。これを拡張計測機能と呼びます。拡張計測機能は管理画面のデータストリームで確認することができます。これには、ページビュー、90%スクロール、サイト内検索、動画の視聴などが含まれます。これらの自動追跡イベントは、追加の設定をすることなく、すぐにデータ収集を開始し、Webサイトやアプリの基本的なユーザー行動を捉えることができます。


拡張計測機能は管理画面のデータストリームから確認できる

カスタムイベントの設定

一方で、特定の行動や目的に応じてカスタムイベントを設定することも可能です。カスタムイベントは、サイト運営者やアプリ開発者が自分たちの特定のニーズに合わせて設定するイベントです。

例えば、特定のボタンのクリックやフォーム送信、特定ページの閲覧など、企業ごと(会社ごと)にビジネス上重要なアクションをカスタムイベントとして設定し、詳細に追跡することができます。カスタムイベントを設定することで、自動追跡では捉えきれない独自のユーザー行動を詳細に分析し、より具体的な改善点や戦略を導き出すことが可能になります。

「GA4内で設定する方法」と「Google Tag Manager(GTM)で設定する方法」の2種類があります。以下は、GA4で設定できるカスタムイベントの代表例を5つ挙げたものです。

特定ページの閲覧

ユーザーが特定のコンテンツやランディングページを閲覧した際に発生するイベント。マーケティングキャンペーンの効果測定やコンテンツの人気度調査に有効です。

サンクスページの到達

上記の特定ページの閲覧と同様、ユーザーが購入完了後やフォーム送信後に表示されるサンクスページ(購入ありがとうございました。というような表示がされるのでサンクスページと呼ばれる)に到達したときにカウントさせるイベント。購入完了やセミナー登録完了などに用いられ、ビジネスの成果を直接測定するのに役立ちます。

フォーム送信

ユーザーがコンタクトフォームやアンケートフォームを送信したときに発生するイベント。ウェブサイトでのリード獲得やユーザーからのフィードバック収集の効果測定に役立ちます。

これらのカスタムイベントの設定により、ウェブサイトやアプリ上でのユーザーの重要なアクションを詳細に追跡し、それぞれのアクションがビジネス目標にどのように貢献しているかを理解することができます。これにより、より戦略的な意思決定を行い、マーケティングやコンテンツの最適化につなげることが可能になります。

ここからはよく使われるカスタムイベントとして、GA4で直接「サンクスページの到達」の設定手順を説明します。

サンクスページ到達イベントとは?

サンクスページとは、ユーザーが申込フォームを送信したり、注文を完了したりした後に表示されるページのことです。このページに到達したことをイベントとして記録することで、どの施策がキーイベントに繋がっているのかを分析することができます。

1. 「イベント」を開く
管理画面からイベントをクリックします。

2. 「イベントを作成」をクリック
画面右上の 「イベントを作成」 ボタンをクリックします。
さらに次の画面で「作成」ボタンをクリックします。

3. イベント情報を入力する
以下の項目を入力します。

・イベント名: 分かりやすい名前を入力してください。例:「サンクスページ到達」
・パラメータひとつめ:「event_name」「次と等しい」「page_view」で設定
・パラメータふたつめ:「page_location」「次を含む」「thanks.html(サンクスページのURLを入力)」で設定
・保存

これで、「サンクスページ到達」のカスタムイベント設定が完了です。

GA4にはリアルタイムレポート機能があるので、設定したカスタムイベントが正しく動作しているかを確認しましょう。サンクスページに実際にアクセスして、リアルタイムレポートでイベントが表示されるかを確認してください。イベントが正しく追跡されていれば、設定は成功です。

このプロセスを通じて、GA4で「サンクスページの到達」をカスタムイベントとして設定することができます。これにより、キーイベントに至るユーザーの行動をより詳細に理解し、ウェブサイトのパフォーマンス改善に役立つ貴重なデータを収集することが可能になります。

イベントの追跡は、Webサイトやアプリのパフォーマンスを理解し、ユーザーエクスペリエンスの向上につなげるために欠かせない要素です。GA4を活用して、ユーザーの行動を詳細に追跡し、分析することで、より効果的なウェブサイトやアプリの運用が可能になります。自動追跡されるイベントからカスタムイベントの設定まで、幅広いニーズに対応した設定を行い、ビジネスの成功につなげましょう。

キーイベントとは?


これまでコンバージョンと呼ばれていた指標が2024年4月から新しく「キーイベント」という名称に変更されました。

キーイベントは、Webサイトやアプリが達成したい目標の達成を指します。イベント設定を通じて追跡したユーザー行動の中から、特に重要な行動をキーイベントとして設定することで、ビジネス目標の達成状況を明確に把握することができます。

これらのアクションはビジネスの成長や成功に直接的に貢献するため、キーイベントの追跡はオンラインマーケティング戦略の中心に位置付けられます。

キーイベントの重要性

キーイベントを理解することは、ウェブサイトやアプリがどれだけ効果的に目標を達成しているかを測定する基礎です。例えば、Eコマースサイトでは、商品購入が主なキーイベントとなりますが、それ以外にもカートに商品を追加する、レビューを投稿する、購読を登録するなど、複数のキーイベントポイントが存在します。これらのキーイベントポイントを通じて、ビジネスオーナーやマーケターは、ユーザーがサイトやアプリでどのような行動を取り、どのような経路でキーイベントに至るかを詳細に分析できます。

キーイベントの設定

GA4では、イベントをキーイベントとしてマークすることができます。この機能を活用することで、特定のユーザー行動がビジネス目標の達成にどの程度貢献しているかを定量的に評価することが可能になります。キーイベントとして設定するイベントは、ビジネスにとって重要な成果を示すものであるべきです。例えば、製品購入の完了、サービスへの登録完了、重要なページの閲覧、高価値のリード獲得などがそれにあたります。

キーイベントは、ビジネス目標の達成度を測るための重要な指標です。GA4を活用することで、キーイベントを正確に追跡し、分析することが可能になります。このプロセスを通じて、マーケティング戦略の効果を定量的に評価し、ビジネスの成長を促進するための洞察を得ることができます。キーイベントの追跡と分析は、デジタルマーケティングの成功に不可欠な要素であり、GA4はその強力なツールとなり得ます。

カスタムイベントからキーイベント設定する具体的な手順


GA4でカスタムイベントからキーイベントを設定する手順は、比較的シンプルです。

ステップ 1: 「イベント」セクションへ移動

左側のナビゲーションメニューから「イベント」を選択します。ここでは、サイトやアプリで発生しているイベントの一覧を確認できます。

ステップ 2: キーイベントとして設定したいイベントの選択

カスタムイベントが既にトラッキングされている場合、そのイベントはイベント一覧に表示されます。キーイベントとして設定したいカスタムイベントを見つけます。
各イベント名の右端にある「キーイベントとしてマークを付ける」というのがあります。このボタンをONにすることより選択したカスタムイベントがキーイベントとして登録されます。

ステップ 3: キーイベントの確認

イベントがキーイベントとして正しく設定されたかを確認します。「キーイベント」セクションに移動し、新しく設定したキーイベントイベントがリストに追加されていることを確認します。

注意点

GA4では、イベントをキーイベントとして設定する前に、そのイベントが既にデータとして収集されている必要があります。つまり、カスタムイベントをトラッキングする設定が先に完了している必要があります。

キーイベントとして設定されたイベントは、レポートや分析において重要なデータポイントとして扱われます。したがって、ビジネスにとって本当に重要なアクションだけをキーイベントとして設定することが推奨されます。

まとめ

第9回の記事では、Googleアナリティクス4(GA4)でのイベントとキーイベントの設定方法に焦点を当て、ウェブサイトやアプリのパフォーマンス測定におけるその重要性を掘り下げました。特に、ユーザーの特定行動を追跡するイベントの設定から、それらの行動がビジネス目標の達成にどのように貢献しているかを示すキーイベントへの設定までを詳しく解説しました。イベントとキーイベントの適切な設定は、効果的なマーケティング戦略の立案と実行、さらにはビジネス目標の達成に不可欠です。

この知識を活用することで、マーケティング担当者やウェブサイト運営者は、ウェブサイトやアプリのパフォーマンスを細かく分析し、ユーザー体験の向上やキーイベント率の増加を目指すことができます。

イベントとキーイベントの追跡は、データに基づいた意思決定を行い、戦略的にマーケティング活動を最適化するための強力な手段です。得られたデータを活用して、より効果的なマーケティング戦略を立て、ビジネスの成長を加速させましょう。

次回もGA4を使ったさらなるビジネス成果の最大化方法について探求していきます。ウェブサイトやアプリの分析を次のレベルに引き上げるための洞察やヒントを提供する予定ですので、ご期待ください!それではまた!

初級者のためのやさしくGoogleアナリティクス4(GA4)を説明する18回

第1回:Googleアナリティクス4(GA4)とは?
第2回:Googleアナリティクス4(GA4)の設定方法:アカウントとプロパティの作成
第3回:GA4入門者必見!効果的なデータ収集のための6つの設定
第4回:はじめてのGA4 レポート機能を使ってみよう
第5回:リアルタイムレポートでウェブサイトの現状を把握しよう
第6回:GA4におけるーザー属性と興味関心の分析方法
第7回:オーディエンス機能とは?オーディエンス機能の有効的な使い方
第8回:レポート機能を使ったチャネル分析
第9回:イベントとコンバージョンの設定
第10回:ライブラリ機能を使ったカスタムレポートの作り方
第11回:初心者でもわかるように解説!探索機能の使い方_基礎編
第12回:探索機能の「空白」テンプレートの使い方
第13回:探索機能の「セグメント」の使い方
第14回:探索機能の「経路データ探索」の使い方と分析
第15回:探索機能の「ファネルデータ探索」の使い方と分析
第16回:クロスドメインとは?クロスドメインの役割と設定方法について詳しく解説
第17回:GA4利用者必見!utmパラメータとは?役割と設定方法について詳しく解説
第18回(最終回):GA4とGoogle Search Consoleの連携方法

追加の5回

第19回:GA4でYouTubeの計測をしよう!実装方法から計測方法まで完全レクチャー!
第20回:GA4のDebugviewの使い方を完全レクチャー!
第21回:GA4の標準レポートでフィルタ機能を使いこなそう!
第22回:GA4で正規表現を使えるようになろう!
第23回:GA4の管理画面でどんなことができるのかを完全レクチャー!

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【監修】森 和吉

株式会社吉和の森 代表取締役
青森県八戸市出身。2019年11月、ライフワークとしてデジタル・マーケティングに携わり、人の役に立ちたいたいと思い起業。さまざまな業態・業種の事業案件を手掛けている。コンテンツ立ち上げ後の集客や運用、コンテンツを持っている事業者との「アライアンス業務」、「Webを使った集客」を強みとするウェブ解析士マスター、チーフSNSマネージャー、提案型ウェブアナリスト。
特に不動産業が強く、デジタルマーケティングを使って、不動産投資クラウドファンディングで25万人の会員・出資額50億円を1年間で集めたり、不動産投資の累計販売額は100億を記録する。

◆著書◆
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