第6回 GA4におけるユーザー属性と興味関心の分析方法

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みなさん、こんにちは。引き続き、Googleアナリティクス4(GA4)についてのシリーズをお届けしています。これまでの記事ではGA4の基本的な使い方から、リアルタイムレポートの活用方法まで、初心者の方々にも分かりやすいように解説してきました。

今回は第6回として、「オーディエンス分析の基礎 – ユーザー属性と興味関心の分析方法」をテーマにお届けします。GA4では、訪問者の細かい属性や彼らが何に興味を持っているかを理解することで、より効果的なマーケティング戦略を立てることが可能です。

この記事では、GA4内でのユーザー属性と興味関心の基本的な見方を、特に初心者の方が理解しやすいように丁寧に解説します。初学者の方でも、この記事を通じて、GA4でのオーディエンス分析の基礎をしっかりと把握することができるでしょう。

それでは、オーディエンス分析の世界へ一緒に踏み込んでいきましょう!

ユーザー属性とは

ユーザー属性とは、年齢、性別、地理的位置情報など、訪問者の基本的な特性のことを指します。GA4ではこれらのデータを収集し、ユーザーの構成や特徴を理解するのに役立てることができます。

レポート機能での属性データの見方


左側のメニューから「レポート」を選択し、「ユーザー属性」をクリックします。
さらに「ユーザー属性の詳細」を選択し、ディメンションをクリックして年齢、性別、国/地域など属性に基づくユーザーの分布を見ることができます。
各属性にカーソルを合わせることで、その属性を持つユーザーの割合や数を確認できます。

国、地域、市区町村

ユーザーがどの国や地域、市区町村からアクセスしているのかを知ることができ、特定の地域に絞ったマーケティング戦略を立てる上で非常に重要です。たとえば、特定の地域でキャンペーンを展開する際に、その地域のユーザーがウェブサイトにどの程度興味を持っているかを分析できます。また、地域ごとのイベントに合わせたプロモーションを行うことも可能になります。

言語

ウェブサイトのユーザーが使用している言語を知ることで、コンテンツを複数の言語に翻訳する必要があるかどうかを判断できます。多言語対応は、特に国際的なウェブサイト運営において、ユーザーエクスペリエンスを向上させる上で欠かせない要素です。

年齢と性別

ユーザーの年齢層と性別を把握することで、ターゲットとなるオーディエンスの特性をより深く理解することができます。例えば、若年層向けのファッションアイテムを販売するウェブサイトであれば、20代の訪問者が多いか、それともより広い年齢層にアプローチする必要があるかを分析することが重要です。性別データを利用して、男性または女性向けの製品やコンテンツを最適化することもできます。

インタレストカテゴリ

ユーザーのインタレストカテゴリ(興味関心)を分析することが可能です。これにより、ユーザーがどのようなトピックや製品に関心を持っているのかを深く理解することができます。例えば、あるユーザーグループが健康とフィットネスに特に関心を持っていることが分かれば、そのトピックに関連するコンテンツや製品の提供を増やすことができます。また、インタレストカテゴリを活用してパーソナライズされた広告キャンペーンを展開することも可能です。


年齢と性別・インタレストカテゴリのデータの使用上の注意

年齢と性別・インタレストカテゴリのデータを活用する際、いくつかの重要な注意点があります。これらのデータはマーケティング戦略やコンテンツの最適化に非常に有用ですが、データの収集と解釈には気をつけましょう。以下では、年齢と性別データを使用する際の主な注意点を詳しく見ていきます。

GoogleシグナルをONにする

年齢と性別のデータを含むより詳細なデモグラフィック情報を取得するためには、Googleシグナルを有効化する必要があります。Googleシグナルは、Googleの広告ネットワークやアナリティクスデータを横断的に分析し、ユーザーの興味やデモグラフィック情報をより詳細に提供します。ただし、この機能を使用するには、プライバシーポリシーがGDPRやその他のデータ保護規制と一致していることを確認し、ユーザーの同意を適切に管理する必要があります。

年齢と性別のデータはすべてがわかるわけではない

GA4で収集される年齢と性別のデータは、Googleがユーザーについて判別できたケースに限られます。これは、すべてのユーザーが自分の年齢や性別をGoogleアカウントに登録しているわけではないためです。また、プライバシーを重視するユーザーは、このような情報の共有を選択しないこともあります。そのため、収集されるデータはユーザーベースの完全な代表ではないことを認識し、データを解釈する際には注意が必要です。

しきい値がかかる

プライバシー保護の観点から、GA4ではデータの「しきい値」が設定されています。これは、特定のデモグラフィック情報のサンプルサイズが小さい場合、その情報がレポートから除外されることを意味します。例えば、ある特定の年齢層や性別カテゴリに該当するユーザー数が少ない場合、そのデータはプライバシーを保護するためにレポートに表示されないことがあります。このため、データが必ずしも全ユーザーを代表するものではない可能性があることを念頭に置いておく必要があります。

GA4における年齢と性別のデータは、ユーザーベースを理解し、ターゲットオーディエンスに合わせたマーケティング戦略を策定する上で貴重な情報源となります。しかし、このデータを扱う際には、Googleシグナルの有効化、データの完全性、しきい値の影響といった要因を考慮に入れることが重要です。これらの点を理解し、適切に対処することで、年齢と性別のデータを最大限に活用し、より効果的なマーケティング戦略を展開することができるでしょう。

探索機能でのデータの見方

探索機能は、GA4の標準レポートにはない、より高度なカスタム分析を行うための機能です。ユーザーが特定の条件で行動した際のデータを詳細に調査したり、特定のセグメントのユーザーの行動を深掘りしたりすることが可能です。この機能を活用することで、ビジネスに特化した具体的な問いに答えることができます。

探索レポートでのユーザー属性データの基本的な作成

①左サイドバーから「探索」をクリックします。
②テンプレートが出ますので複数のテンプレートから目的に合ったものを選択します(試しにここでは空白を選択します)。
③レポートに含めたいディメンション(例:年齢、性別、地域)とメトリクス(例:セッション数、コンバージョン数)を選択します。



GA4の探索機能を使いこなすことは、データドリブンな意思決定を行う上で非常に有効です。初心者や初学者の方でも、上記のステップを踏むことで、自分のビジネスやウェブサイトに特化した分析を行い、有益な洞察を得ることが可能です。一歩一歩、自分のペースで探索機能の使用に慣れていきましょう。

ユーザー属性データの分析と解釈

作成したレポートを基に、ユーザーベースの傾向や特徴を分析します。例えば、特定の年齢層がどのような行動を取っているのか、あるキャンペーンが特定の地域でどのように受け入れられているのかなど、ビジネスに直接役立つ洞察を得ることができます。

①年齢と性別

年齢と性別のデータを分析することで、ターゲットとなるオーディエンスの基本的なデモグラフィック情報を把握することができます。この情報は、ターゲットオーディエンスに合わせたコンテンツや広告の作成に役立ちます。

②地理的位置情報

ユーザーがどの国や地域からアクセスしているかを知ることで、地域に特化したマーケティング戦略を立てることが可能になります。また、特定の地域でのキャンペーンの効果を測定するのにも役立ちます。

③言語

ユーザーが使用している言語を把握することで、多言語サイトの必要性や、特定の言語圏のユーザーに向けたコンテンツの最適化に役立ちます。

ユーザー属性のデータをただ収集するだけでなく、そのデータをビジネスのコンテキストで解釈することが重要です。
例えば、ある特定の年齢層がウェブサイトに大きな関心を示している場合、その年齢層に合わせたコンテンツや製品を提供することで、エンゲージメントを高めることができます。また、特定の地域からのアクセスが多い場合は、その地域の文化や習慣に合わせたマーケティング戦略を考えることが有効です。

まとめ

第6回の記事では、Googleアナリティクス4(GA4)におけるオーディエンス分析の基礎、特にユーザー属性と興味関心の分析方法に焦点を当てました。GA4を使用することで、訪問者の年齢、性別、地理的位置、言語などの属性データや、彼らが示す興味関心の領域を深く理解することができます。これらのデータは、ターゲットオーディエンスに合わせたマーケティング戦略やコンテンツの最適化に非常に有効です。

活用方法としては、ユーザーのニーズに合わせたパーソナライズされたコンテンツの提供、ターゲットとする市場セグメントの特定、広告キャンペーンの効果的なターゲティング、ユーザーエンゲージメントの向上戦略の策定などが挙げられます。これらを通じて、ビジネスの成長を促進し、ユーザーとの強い関係を構築することが可能です。

しかし、オーディエンスデータを活用する際には、データのプライバシーとセキュリティを常に尊重すること、データの完全性や正確性を確認すること、そして分析結果をビジネス戦略に統合する際にはコンテキストを考慮することが重要です。データは非常に有力なツールですが、それをビジネスの目標達成に効果的に活用するためには、戦略的なアプローチが必要です。

このシリーズの今回の記事を通じて、GA4のオーディエンス分析の基礎を理解し、ビジネスやマーケティング戦略の向上に役立てることができれば幸いです。次回もご期待ください!

初級者のためのやさしくGoogleアナリティクス4(GA4)を説明する18回

第1回:Googleアナリティクス4(GA4)とは?
第2回:Googleアナリティクス4(GA4)の設定方法:アカウントとプロパティの作成
第3回:GA4入門者必見!効果的なデータ収集のための6つの設定
第4回:はじめてのGA4 レポート機能を使ってみよう
第5回:リアルタイムレポートでウェブサイトの現状を把握しよう
第6回:GA4におけるーザー属性と興味関心の分析方法
第7回:オーディエンス機能とは?オーディエンス機能の有効的な使い方
第8回:レポート機能を使ったチャネル分析
第9回:イベントとコンバージョンの設定
第10回:ライブラリ機能を使ったカスタムレポートの作り方
第11回:初心者でもわかるように解説!探索機能の使い方_基礎編
第12回:探索機能の「空白」テンプレートの使い方
第13回:探索機能の「セグメント」の使い方
第14回:探索機能の「経路データ探索」の使い方と分析
第15回:探索機能の「ファネルデータ探索」の使い方と分析
第16回:クロスドメインとは?クロスドメインの役割と設定方法について詳しく解説
第17回:GA4利用者必見!utmパラメータとは?役割と設定方法について詳しく解説
第18回(最終回):GA4とGoogle Search Consoleの連携方法

追加の5回

第19回:GA4でYouTubeの計測をしよう!実装方法から計測方法まで完全レクチャー!
第20回:GA4のDebugviewの使い方を完全レクチャー!
第21回:GA4の標準レポートでフィルタ機能を使いこなそう!
第22回:GA4で正規表現を使えるようになろう!
第23回:GA4の管理画面でどんなことができるのかを完全レクチャー!

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【監修】森 和吉

株式会社吉和の森 代表取締役
青森県八戸市出身。2019年11月、ライフワークとしてデジタル・マーケティングに携わり、人の役に立ちたいたいと思い起業。さまざまな業態・業種の事業案件を手掛けている。コンテンツ立ち上げ後の集客や運用、コンテンツを持っている事業者との「アライアンス業務」、「Webを使った集客」を強みとするウェブ解析士マスター、チーフSNSマネージャー、提案型ウェブアナリスト。
特に不動産業が強く、デジタルマーケティングを使って、不動産投資クラウドファンディングで25万人の会員・出資額50億円を1年間で集めたり、不動産投資の累計販売額は100億を記録する。

◆著書◆
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