不動産企業がIT化を進めるためには、目的を明確にした上で社内体制を整える必要があります。本記事では、不動産企業がIT化を進めるメリットや具体的な活用事例、IT化を進める際のポイントについて解説します。これからIT化を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。
不動産市場におけるIT化の現状
まずは、不動産業界におけるIT化の現状を見てみましょう。
・不動産テックが注目されている
・オンライン接客の需要
不動産テックが注目されている
「不動産テック」は、「不動産」と「テクノロジー」をかけ合わせた造語です。似た言葉に「不動産DX」がありますが、不動産DXは既存の不動産会社がデジタル技術を用いてビジネスの効率を上げるための取り組み自体を指すのに対し、不動産テックは不動産業界の課題解決・商習慣の改善を目指したサービスや手段のことを指します。
不動産市場におけるIT化が進められる中で、「不動産テック」を活用する企業が登場するようになりました。
オンライン接客の需要
アナログの商習慣が根強い不動産市場ですが、2020年以降の社会情勢により、対面による接客だけでなくオンライン内見といった遠隔対応が求められるようになりました。これまでの不動産市場では「IT化」というと業務効率化がメインとなる従業員寄りの施策でしたが、顧客側の需要が出てきたことで、売上にも関わる施策として重要視されるようになりつつあります。
不動産業界がIT化を進める主なメリット
続いて、不動産業界がIT化を進める主なメリットを紹介します。
・顧客満足度・利便性の向上
・業務効率の改善
顧客満足度・利便性の向上
IT化により利便性が高まることで、顧客満足度の向上につながります。例えば物件を検討する際、以前では現地に足を運んで対面で内見をする必要がありました。しかし、オンライン接客が可能となれば急な転勤や上京といった、遠方に住んでいる顧客への対応も可能になります。
顧客側が現地に足を運ぶ回数を減らせるため、満足度の向上にも期待がもてるでしょう。
業務効率の改善
また、IT化により業務効率が改善されることも大きなメリットです。データ管理や契約にかかる手間や時間を削減することで、経営者や社員がマネジメントやコア業務に専念しやすくなります。
不動産業界におけるIT化の例
続いて、不動産業界におけるDXの例を紹介します。DXのイメージが湧かない方や、何から手をつければよいかわからない方は参考にしてみてください。
・電子契約システム
・顧客管理システム
・オンライン接客
・スマートコントラクトの活用
・IoTの活用
それぞれ詳しく解説します。
電子契約システム
2022年5月に不動産業界においても電子契約が可能となった(※)ことで、電子契約システムを導入する不動産会社が出てきています。電子契約システムを使えば契約をオンラインで完結できるため、業務の効率化はもちろん、郵送や交通費のコスト削減にもつながります。
※ “国土交通省 公式HP” 参照
顧客情報管理システム
顧客情報管理システムは、不動産会社に限らず幅広く活用されているシステムです。自社の顧客情報をデータ化して一元管理できるほか、例えばメールアドレスを取得している顧客に対してメールマガジンの配信をおこなうといったように、集客にも活用できます。
業務の効率化を進めたい場合はもちろんのこと、顧客との関係構築により売上拡大につなげたい企業にもおすすめです。
オンライン接客システム
オンライン接客システムは、主に内見に活用されるシステムです。不動産会社によって使用ツールは異なりますが、チャットや音声で顧客とやりとりしながら、動画を映して実際に内見しているような感覚で物件の詳細を案内することが可能です。
非対面で案内できるためスケジュールを調整しやすくなるほか、遠方顧客の対応も容易になる点が魅力です。
スマートコントラクトの活用
スマートコントラクトとは、特定の契約や取引において、指定された条件が満たされた場合に自動的に処理が実行されるシステムのこと。不動産市場では他の業界と比較して契約に関わる業務が多いため、電子契約システムと併用することで人員コストの大幅な削減が可能となるでしょう。
IoTの活用
IoTは「Internet of Things」の略で「モノのインターネット」を意味します。AI技術をかけ合わせることで物の遠隔操作をしたり、自動でデータ収集・管理・制御などをおこなったりすることが可能です。不動産業界においては、「物件マッチング」「チャットbotによるお問い合わせ対応」といった形で活用されるケースがあります。
不動産業界におけるIT化のポイント
ここからは、不動産業界におけるIT化のポイントを解説します。
・目的を明確にする
・人員・リソースの確保
・余裕をもったスケジュールで進める
・定期的に運用方法を見直す
目的を明確にする
「流行っているから」というあいまいな理由でIT化を進めると、施策にかかるコストを回収できなかったり、成果を測れないまま計画が頓挫してしまったりするリスクがあります。まずは自社が抱えている課題や問題点を洗い出し、IT化を進める目的を明確に設定しましょう。
また、一口にIT化といっても使用するツールやサービスはさまざまなので、目的に応じて導入システムを選定することもポイントです。
余裕をもったスケジュールで進める
IT化が実現すればさまざまなメリットを得られる一方で、既存の仕組みや対応方法を変えるには時間がかかることは念頭に置いておきましょう。また、いきなり急速な変革を進めてしまうと従業員が戸惑ってしまう可能性も。
通常業務に支障をきたさないためにも目的に沿った計画を立てて、余裕をもったスケジュールを組むことが大切です。また、システムを導入したり、電子契約化を進めたりする際は、ある程度段階的な変革を心がけるようにしましょう。
定期的に運用方法を見直す
IT化を進めた後も、定期的な運用方法の見直しが必要です。IT化を進める目的と現状を照らし合わせて、効果測定と改善を繰り返すことで効率的な業務を目指しましょう。また、計画が順調に進んでいる場合は、どのような方法でどのような効果を得られたのか、成功したケースのデータを蓄積していくこともポイントです。
不動産DXなら「吉和の森」におまかせ
不動産会社によっては、自社だけでIT化を進めることが難しいケースがあるかもしれません。新しく人材を採用する手段もありますが、戦略に悩んだときには外部の専門家を頼ってみるのも一つです。
「吉和の森」は各企業の状況に応じて、ITコンサルティングからマーケティングまでを包括的にサポートしています。
提供しているサービスの一例
・デジタルマーケティング
・webサイト制作
・ITコンサルティング
・インターネットメディア運営
中小企業デジタル化応援隊事業の「IT専門家」が包括的にサポート
「吉和の森」では、中小企業デジタル化応援隊事業の「IT専門家」がITコンサルティングからデジタルマーケティングまでを包括的にサポート。Webを使って業務効率化を進めるためのノウハウをもっているだけでなく、マーケティング戦略や集客後の顧客をどのように契約まで誘導するかのアプローチまで、多角的な観点からコンサルティングをおこなっています。
丁寧なフォローで初心者にもぴったり
また、サービス利用にあたって丁寧なフォローがあるので、IT初心者でも運用に困ることがありません。Webに関する知識を持ち合わせていない場合でも、気軽に相談しやすいところが大きな魅力です。
DX化の計画が進まない場合や、何から手をつけてよいかわからない方は、まず相談してみることをおすすめします。
不動産業界でIT化を進めて業務を効率化しよう
不動産業界におけるIT化のメリットや事例、IT化を進める際のポイントを紹介しました。膨大な情報を扱う不動産業界では、IT化を進めることでさまざまなメリットを得られます。効率的な導入をおこなうためには、IT化の目的を明確にした上で社内体制を整えることがポイント。本記事を参考に、スムーズなIT化で業務効率の改善を目指してみてください。