ステップメールは、メールを活用したマーケティング施策の一種です。通常のメルマガ配信とステップメールには、どのような違いがあるのでしょうか。
今回は、ステップメールの概要やメリットとデメリットをご紹介します。
ステップメールとは何か
ステップメールは有効に活用することで効率よく集客ができます。
最初に、ステップメールの概要とメルマガとの違いをご紹介します。
ステップメールの意味
ステップメールとは、自由設定で順序付けたメールの配信ができる仕組みのことです。複数のメールを、決めたシナリオに沿って順番に送信します。適切にシナリオを作成することで、段階的に効率よくアプローチが可能です。
特にリードナーチャリングの場面で活用されます。
メルマガと何が違うのか
メルマガとステップメールの違いは、アプローチの仕方です。メルマガは点、ステップメールは線上のアプローチです。
メルマガは一回の配信で集客を図るため、毎回異なるキャンペーンを送信したり、同じ内容を送信したりします。
ステップメールはシナリオに沿って、アクションを起こした顧客の段階を踏んで集客を図ります。
同じメールによるマーケティングでも、アプローチ方法は異なるため、どちらの方法が適切かを慎重に判断しましょう。
ステップメールの作り方手順
ステップメールの基本的な作り方は以下の通りです。
①配信の目的とターゲットを設定する
②シナリオを作成する
③配信し効果を測定する
それぞれの手順について詳しく解説します。
①配信の目的とターゲットを設定する
配信の目的とターゲットを設定しましょう。なぜなら、この点が明確でないと適切な内容のシナリオが作成できないためです。
ステップメールを活用する目的としては、顧客の獲得や育成、販売フローの自動化、アップセル・クロスセルの提案などが挙げられます。ステップメールの使用目的を明確にしましょう。
また、ターゲットの年代・性別・属性も設定します。対象を具体化することで、読んでもらいやすいタイミングで配信ができます。
②シナリオを作成する
シナリオは、メール配信全体の流れとタイミングを具体化したものです。
ステップメールを使用する目的やターゲットの情報を元に内容を検討しましょう。ターゲットの関心度合い、気持ちに寄り添う情報提供を心がけます。ターゲットが興味のない情報を配信しても、読んでもらえないどころか迷惑と感じて自社のイメージ悪化につながる可能性があります。
③配信し効果を測定する
シナリオが完成したら、配信を開始します。ステップメールで効果を得るためには、配信したら終わりではなく、開封率や配信停止率などを分析して効果を測ることが大切です。
開封率が低い場合は、内容や配信のタイミングを見直す必要があります。配信停止率が高い場合は、配信の内容がターゲットのニーズと大きくずれている可能性があります。
効果を測定して見直しすることで、よりよいステップメールの作成および配信につなげましょう。
ステップメールのメリット
ステップメールを選ぶことには以下のメリットがあります。
・自動的な見込み客の獲得と育成ができる
・自社ブランドを定着させられる
・段階的な分析ができる
それぞれのメリットについて詳しく解説します。
自動的な見込み客の獲得・育成
ステップメールには、自動的な見込み客の獲得と育成ができるというメリットがあります。
そもそもステップメールは、特定のアクションを起こしたユーザーがどのような思考や行動をし、商品を購入するのかを想定してメールを作成します。そのため、段階的にメールを送ることで購買意欲が増加し、結果的に見込み顧客の獲得につながるのです。
アクションに見合うアプローチで、「気になる」程度の関心から「買ってみようかな」まで育てられることがステップメールのメリットです。
自社ブランドの定着
自社ブランドを定着できるというメリットがあります。なぜなら、定期的な配信で接点を持つことでブランドの認知度が上がり、イメージが定着するためです。
ステップメールで情報発信をすることで、自社商品やブランドの価値をアピールできます。必要なユーザーに価値が正しく伝わることで自然と商品に付加価値が生まれ、他社との差別化が可能です。
その結果、他社との価格競争に巻き込まれにくくなり、競合他社との差別化を維持してビジネスを有利に進められるでしょう。
段階的な分析
段階的な分析ができるというメリットもあります。なぜなら、ステップメールは段階を分けてメール送信する手法のためです。
段階を分けているため、ステップごとに分析して改善点を見つけられます。開封率からどのメールに課題があったかが分かり、ターゲットのニーズをより正確に把握できるのです。
ステップメールの注意点
ステップメールには前述のメリットがある反面、以下の点には注意が必要です。
・シナリオ設計が難しい
・アドレスの獲得に費用がかかる
・効果的な配信にするための工数が多い
・リアルタイムな配信には不向き
それぞれの注意点について詳しく解説します。
シナリオ設計が難しい
ステップメールは、作成したシナリオに沿ってメールを送信します。しかし、シナリオの設計は容易な作業ではありません。
単発のメルマガは、細かいシナリオが不要です。
ステップメールは段階を踏んで集客をする手法であるため、詳細なシナリオの設計が重要です。
単発のメールより、複数回の送信を想定したステップメールの方がシナリオ設計の難易度は高く、はじめはシナリオの設計に苦戦する可能性があります。
メールアドレスの獲得に費用がかかる
送信先のメールアドレス獲得に費用がかかることもある点に注意しましょう。
ステップメールを配信するためには、送信先となるユーザーのメールアドレスを集めます。メールアドレス獲得のために新規ユーザーを自社サイトに誘導しなければならないため、自発的な流入が見込めない場合はSEOや広告に費用がかかります。
また、ユーザーが自社サイトを訪れてもメールアドレスが獲得できるとは限りません。メールアドレスを獲得するためには、メリットの用意が効果的です。例えば、有料セミナー動画を見られるようにしたり、資料を無料でダウンロードできるようにしたりなどです。ユーザーがメールアドレスを提供するためのメリットに費用がかかることもあります。
効果的な配信にするための工数が多い
効果的な配信にするためには、多くの工数を要します。
ターゲット設定やタイミングなどは、配信ごとに設定します。配信が複数回分あれば、その分検討する項目が増えるのです。
工数の増加は、担当する従業員の負担増加につながるため、効率よく効果的な配信ができるようにしましょう。
リアルタイムな配信には不向き
リアルタイムな配信には向いていません。なぜなら、ステップメールは段階を踏んで徐々に購買意欲を高め、自社に興味を持ってもらう手法のためです。
配信のタイミングはシナリオで細かく設定しているため、新商品や臨時休業・セールの情報など即時性が求められる情報には不向きです。リアルタイムな配信、つまり即効性が求められる情報はメルマガの方が向いているため、配信したい内容に応じて使い分けましょう。
まとめ
ステップメールは、メールの配信をシナリオに沿って複数回に分け、自社ブランドの定着や購買意欲の向上を図ります。段階的な分析ができる手法であることから、より効率的なアプローチが可能です。一方で、シナリオ作成の難易度が高かったり、配信にあたっての工数が多かったりする点に気をつける必要があります。
メリットと注意点を把握して、適切にステップメールを活用しましょう。