「X(旧Twitter)の最新AI『Grok』で、面白半分に友達を水着画像に加工してみたい。でも、ニュースで逮捕者や警告の話を聞いて不安…」
そう思っていませんか?
実在する人物の写真をAIで無断加工したり、不適切な画像を投稿したりすると、アカウント凍結や警察の捜査対象になる可能性があります。
この記事ではGrokを使う際に注意すべき点や、やってはいけない行為を分かりやすく整理します。
法的リスクを回避し、プライバシーを守りながら安全に最新AIを使いこなすための具体的なステップを解説します。
XのAI「Grok(グロック)」とは?初心者向け基本解説
「Grok」は、イーロン・マスク氏率いるX社が開発した、Xと密接に連携する最新の対話型生成AIです。
初心者でも扱いやすく、日常のアイデア出しからトレンド把握まで幅広く活用できるのが魅力です。
Grokの特徴は、X上の投稿内容をリアルタイムで参考にできる点です。
一般的なAIには「知識のカットオフ(学習データの期限)」が存在しますが、Grokは今まさに世界で起きているトレンドを即座に回答へ反映可能です。
たとえば、今日話題になったニュースについて質問すると、直近の投稿内容をもとに説明してくれます。
使い方も非常にシンプルで、Xアプリの左メニューにある専用アイコンからすぐに起動できます。現在は無料版でも一定の制限内で利用でき、日本語でのやり取りも極めて自然です。
音声対話機能の実装も予定されており、単なる検索ツールを超えた「対話相手」として設計されています。
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なぜ「Grok 危険」と騒がれているのか?主な4つのリスク

便利な機能がある一方で、Grokには注意すべき点もあります。できることだけに注目して使うと、思わぬトラブルにつながる可能性があります。
ここでは、具体的にどのような危険が潜んでいるのかを4つの視点で解説します。
1. 性的ディープフェイク・著作権侵害による法的リスク
Grokの画像生成機能は非常に自由度が高いため、法的な境界線を越えやすいという課題があります。
最も警戒すべきは、著名人や知人の顔を使った「ディープフェイク」の作成です。
実在する人物の顔を指定して、性的あるいは中傷目的の画像を生成することは、肖像権や名誉毀損に直結します。
例えば「友達を水着姿に加工する」といった行為は、たとえ冗談のつもりでも犯罪とみなされるリスクがあるのです。
さらに、著作権のあるキャラクターや写真を無断で模倣して生成し、それをXで拡散すれば、削除対応が追いつかないほどの大問題に発展することも。
日本国内でもAI生成物を巡る訴訟リスクは現実のものとなっており、作成者の特定も容易です。
テクノロジーを悪用せず、法律とモラルに従って行動しましょう。
2. 会話履歴の公開とプライバシー漏洩の危険性
Grokとのやり取りは、自分だけのものにならない場合があります。
なぜなら、Grokに入力した情報は初期設定で「AIの学習データ」として活用される仕組みになっているからです。
住所や口座番号、あるいは社外秘のプロジェクト内容などを入力すると、それがAIの知識として取り込まれ、巡り巡って他者への回答に反映されてしまう危険性があります。
実際に、企業秘密や個人情報の漏洩事故は世界中で報告されています。
また、保存された会話は開発会社の社員が閲覧可能とされており、データの保存先が海外サーバーである点もプライバシー保護の観点から懸念されています。
機密情報は一切入力せず、利用前には必ずプライベート設定を確認することが自分を守る第一歩です。
3. Xの投稿を学習することによる情報の不正確さ(ハルシネーション)
Grokが参照する「Xのリアルタイムデータ」には、必ずしも真実だけが含まれているわけではありません。
X上にはデマやフェイクニュース、個人の偏った意見が溢れています。
Grokはそれらを「今話題の情報」として学習するため、事実と虚偽を区別できず、誤った回答を出力することがあります。これを「ハルシネーション(幻覚)」と呼びます。
特に選挙や政治、医療などの重要分野で、根拠のない噂を断定的に答える事例も確認されています。
AIの回答は便利ですが、大切な情報は公式な情報源で確認することが大切です。
Grokの回答はあくまで「情報のきっかけ」として捉え、依存しすぎないようにしましょう。
4. 倫理的な問題
Grokの性格設定そのものが、利用者のブランドイメージに影響を与えるリスクもあります。
開発方針として「反woke(アンチ・ウォーク:過度な多様性重視への否定)」を掲げているため、人種や性別に関する過激なジョークを出力することがあります。
特にファンモードでの攻撃的な回答は、ヘイトスピーチと認定される恐れがあり、これをビジネスアカウントで不用意に共有すると企業イメージの低下を招きます。
実際に、多くの広告主や企業がAIの倫理的な問題を懸念して距離を置いています。
業務で利用する場合は「ノーマルモード」に固定し、社内でもAI利用の倫理ルールを明確に定めておく必要があります。
無意識のうちに他者を傷つける発信をしないよう、AIの「性格」を正しく把握しておくことが大切です。
生成AI活用の逮捕事例3選(2025年〜2026年)

「AIを使っただけで捕まるはずがない」という認識は、もはや通用しません。2025年以降、日本でも警察によるAI悪用の取り締まりが本格化しており、摘発事例が相次いでいます。
1. AI生成わいせつ画像販売(2025年10月)
警視庁は、画像生成AIを用いて実在の著名人に似せたわいせつ画像を販売した男を逮捕しました。容疑は「わいせつ電磁的記録陳列罪」です。
容疑者は262人もの女優やアイドルに似せた画像を約2万点生成し、SNSを通じて有料公開することで120万円以上の収益を得ていました。
「反響が大きくて人気だった」と供述していますが、実在人物をAIで性的加工する行為は、名誉毀損や肖像権侵害を同時に引き起こす重大な犯罪なので注意しましょう。
参考:https://www.yomiuri.co.jp/national/20251016-OYT1T50080/#google_vignette
2. AI生成画像無断複製(2025年11月)
他人が生成したAI画像を無断でコピーし、自作の電子書籍の表紙に使用した男が書類送検されました。これは著作権法違反(複製権侵害)による全国初の摘発事例です。
AI作品であっても、そこに創作性が認められれば著作権が発生します。原作者がSNSで自分の作品が無断使用されていることに気づき、警察に相談したことで捜査が始まりました。
AI生成物なら誰が使っても自由だという誤解が、前科を生む結果となった象徴的なケースです。
参考:https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUD2067T0Q5A121C2000000/
3. 女子生徒AIヌード加工(2025年12月)
男子高校生が同級生の女子生徒のSNS画像をAIで性的ヌードに加工し、グループチャットで共有したとして児童ポルノ禁止法違反で逮捕されました。
被害者も加害者も同級生という身近な関係性で起きた事件であり、世間に大きな衝撃を与えました。AIによる性的加工は「児童ポルノの製造」とみなされ、厳しい罰則が適用されます。
同時期には、同様の手口で画像を所持していた元教員も摘発されており、警察の監視体制は極めて強固になっています。
参考:https://toyokeizai.net/articles/-/924887?display=b
Grokや生成AIの活用で「逮捕」「凍結」を避けるための注意点

最新AIを安全に楽しむためには、法的な一線を絶対に越えないためのリテラシーが求められます。特に以下の2点は、あなたの人生を守るための絶対的なルールです。
- 他人の写真を無断で性的・暴力的な画像に加工する行為
- 著名人や政治家の偽情報を生成し、拡散させる行為
ひとつずつ見ていきましょう。
他人の写真を無断で性的・暴力的な画像に加工する行為
これは、軽い気持ちでは済まされない非常に危険な行為です。
対象となるのは、友人、同僚、家族、芸能人、政治家など、実在する人物すべてです。
AIを使って実在人物をヌード化したり、暴力的なシーンに追加したりする行為は、わいせつ物頒布罪や名誉毀損罪に直結します。
たとえ投稿せず自分だけで楽しむつもりでも、生成ログはプラットフォーム側に残ります。
Grokで不適切な指示を繰り返せば、アカウントは即座に永久凍結されます。さらに、悪質なケースでは警察への通報やログ提出が自動的に行われる仕組みも整っています。
2025年以降は実刑判決が出る例も増えているため、安全策として「架空のキャラクター」や「抽象的なアート」の生成に留めるべきです。
著名人や政治家の偽情報を生成し、拡散させる行為
偽のニュースを生成して投稿する行為は、社会的な混乱を招き、甚大な被害をもたらします。
特に選挙期間中に偽のスキャンダルを捏造・拡散させることは、公職選挙法違反や偽ニュース拡散罪の対象となります。
100万円以上の罰金が科されるケースも少なくありません。GrokはXのリアルタイム情報を学習するため、デマ投稿をあたかも真実であるかのように回答する弱点があることを忘れてはいけません。
首相の辞任や大企業の不祥事など、社会に影響を与えるテーマをAIで生成するのは極めて危険です。
個人利用であっても、政治や著名人のゴシップネタは扱わないのが最も安全な道です。
AI生成した内容を投稿する際は、それがAIによるものであることを明記し、事実関係の裏取りを必ず行いましょう。
Grokの履歴は他人にバレる?安全な設定手順

「履歴を削除すれば証拠は消える」というのは大きな間違いです。プライバシーを守るためには、事後対応ではなく「予防」に重点を置く必要があります。
【大前提】消せば何をしてもOKではない
画面上の履歴を削除しても、サーバーから完全に消えるわけではありません。
法的なバックアップとして、データは一定期間保存されます。
特に違法な生成を行った場合、警察とプラットフォームの共同捜査により、後日発覚して逮捕に至る例が報告されています。
過去の事例では「消したから大丈夫」と思い込んで再犯を重ね、実刑判決を受けたケースもあります。履歴管理の基本は、最初から問題のある内容を生成しないことです。
会話履歴を削除する方法
不要な履歴を残さないことは、誤操作による情報漏洩を防ぐ意味で有効です。
Xアプリでは、Grokアイコンから履歴一覧を開き、対象の会話の「…」ボタンから削除を選択します。Web版(grok.com)でもゴミ箱アイコンから簡単に整理可能です。
ただし、iOS版では設定が意図せず元に戻る不具合も報告されているため、週に一度は削除が完了しているか確認することをおすすめします。
自分の投稿を「AIの学習」に使わせないオフ設定
自分のプライバシーを強固に守るために、以下の手順で学習設定をオフにしましょう。
- Xの「設定とプライバシー」から「プライバシーと安全」を選択
- 「データ共有とカスタマイズ」から「Grok」の項目を開く
- 「会話履歴ならびにポストを学習に利用することを許可する」のチェックを外す
さらに、Grok画面右上の幽霊アイコンをタップすると「プライベートチャット」が起動します。
このモードでは履歴保存と学習が最初から無効化されているため、より安全にAIと対話することが可能です。
Grokの危険性に関するよくある質問(FAQ)

最後に、Grokの危険性に関するよくある質問にお答えします。気になるだけチェックしてみてください。
Q. Grokは無料で使えますか?
はい、基本機能は無料で利用可能です。Xアカウントを作成すれば、会話や画像生成をすぐに始められます。ただし、1日の利用回数には制限があります。
X Premium(月額約1,300円)に加入すれば、無制限の生成や優先回答などの高度な機能が解放されます。
Q. Grokを安全に使う方法を教えてください。
最大の安全策は、個人情報や業務機密を絶対に入力しないことです。また、前述した学習オフ設定を徹底し、違法なコンテンツ生成を避けるだけで、逮捕や凍結のリスクは大幅に減少します。
AIを「便利で正しいもの」と過信せず、常に一歩引いた視点で活用しましょう。
Q. 日本語でも画像生成のプロンプトは通じますか?
日本語に完璧に対応しています。
「秋のイチョウ並木を歩く日本人女性、リアルな写真風」といった指示で、非常に高精度な画像が生成されます。英語で指示を出す方が精度が上がる場合もありますが、Google翻訳などを活用して併記すれば初心者でも思い通りの画像が作れます。
Q. Grokと他の生成AI(ChatGPTなど)との最大の違いは?
情報の「鮮度」と「性格」です。
ChatGPTなどは過去のデータに基づいて回答しますが、Grokは「今Xで話題になっていること」を即座に教えてくれます。
皮肉や冗談を交えるファンモードも独特ですが、その分だけ情報の不正確さや倫理的なリスクも伴います。
まとめ:明日から実践すべき「安全なGrok活用術」

Grokは便利なツールですが、使い方を誤ると法的トラブルやプライバシー問題につながる可能性があります。
明日から実践すべき3つのアクション
- 設定の見直し: 今すぐ学習許可設定をオフにし、プライバシーを保護する。
- 情報の取捨選択: 個人情報や機密情報は入力せず、AIの回答は必ず裏取りをする。
- モラルの遵守: 実在する人物をターゲットにした生成は絶対に行わない。
AIを正しく使えば、情報収集や作業を効率よく進める助けになります。リスクを正しく理解し、節度を持って最新のテクノロジーを楽しみましょう。
Grok以外にも、用途に合わせて他の生成AIを使い分けてみたい方は、以下の比較記事も参考にしてみてください。
株式会社 吉和の森