雇用保険を受け取れないと、職業訓練は受けられないと思い込んでいる方は多いはずです。実際には、失業給付の対象外でも学べる公的制度があります。それが求職者支援訓練です。
Webデザインを在宅のeラーニングで学べて、一定の要件を満たせば月10万円の給付金を受け取りながら学ぶこともできます。
この記事でわかること。
- 対象になる人・かかる費用・給付金の条件
- eラーニングで学べる内容と取れる資格
- 就職支援の中身と、申込から受講開始までの流れ
求職者支援訓練のWebデザイナーeラーニングとは

求職者支援訓練のWebデザイナーeラーニングとは、雇用保険を受給できない求職者が、原則無料でWebデザインを在宅で学べる公的制度です。
国が実施し、動画教材を使って全国どこからでも受講できます。一定の要件を満たせば、給付金を受け取りながら学べます。
どんな人が対象になるのか
対象は、雇用保険の失業給付を受けられない求職者です。「失業給付が出ないから訓練も無理」と諦める必要はありません。
次のような方が当てはまります。
- 雇用保険に加入していなかった、または受給資格に届かない
- 失業給付をすでに受け終えた
- 離職から時間が経ち、長期のブランクがある
- パート・アルバイトなどで給付の対象外だった
- 家庭の事情で扶養内にいて、これから働きたい
加えて、受講には前提があります。ハローワークで求職の申し込みをして、就職の意思があること。パソコンの基本操作・メールの送受信・Web会議ツールの利用ができることも求められます。未経験でも問題ありませんが、パソコンをまったく触れないと在宅学習は難しくなります。
公共職業訓練(ハロートレーニング)との違い
両者の最大の違いは、雇用保険を受けられるかどうかです。対象者で制度が分かれます。
制度 主な対象 公共職業訓練(ハロートレーニング) 雇用保険を受給できる離職者 求職者支援訓練 雇用保険を受給できない求職者
失業給付を受けている方は公共職業訓練、受けられない方は求職者支援訓練、という整理が基本になります。制度の細かい比較は別記事でまとめています。
職業訓練のeラーニングでWebデザイナーを目指すには?制度の違い・給付金・選び方
eラーニング(在宅)で学ぶ形式
eラーニングは、動画教材を使って自宅で学ぶ形式です。決まった時間に教室へ通う必要はありません。
24時間いつでも自分のペースで動画を進められて、週1回ほどのリモート指導で疑問を解消します。パソコンとインターネット環境があれば、住んでいる地域を問わず受講できるのが在宅型の強みです。通学が難しい地方在住の方や、外出時間を取りにくい方でも学びやすい形です。
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本当に無料?費用と給付金の実情【月10万円は受け取れるのか】

授業料は無料で、自己負担はテキスト代などの教材費のみです。さらに一定の要件を満たせば、月10万円の職業訓練受講給付金と通所手当を受け取りながら学べます。要件は世帯収入や出席状況などで判断されるため、正確な可否は管轄のハローワークで確認しましょう。
かかる費用(授業料は無料・教材費は自己負担)
授業料は無料ですが、教材費は自己負担になります。ここを見落とすと「完全無料」と誤解しやすいので注意しましょう。
- テキスト代(コース例では最大16,500円・税込)
- Adobe(Photoshop・Illustrator)のアカデミック版などのソフト利用料。月2,000円程度が目安
ソフト代を除けば、まとまった出費はテキスト代くらいに収まります。民間スクールが数十万円かかるのと比べると、費用面のハードルは大きく下がります。
職業訓練受講給付金(月10万円+通所手当)の条件
給付金は、一定の要件を満たす場合に月10万円と通所手当が支給されます。誰でも自動的に受け取れるものではありません。
代表的な要件は次のとおりです。
- 本人の収入・世帯全体の収入・資産が基準額以下であること
- 訓練にすべて出席していること(やむを得ない欠席を除く)
- 世帯で同時に給付金を受けている人がいないこと
出席率が基準に届かないと、その月の給付金が受け取れないこともあります。要件は細かく、世帯状況によって判断が変わります。 自分が対象になるかは、申込前に管轄のハローワークで必ず確認してください。
PC無償貸与など受講環境のサポート
受講環境のサポートとして、条件に応じてパソコンの無償貸与を行うコースもあります。AFBデジタルエンタテインメントのコースがその一例です。
手元に学習用のパソコンがない方でも、貸与制度を使えば初期費用を抑えて始められます。貸与の有無や条件はコースごとに異なるため、申込前に確認しておくと安心です。
eラーニングで学べる内容と取れる資格

学べる内容は、パソコンの基礎からWeb制作・プログラミングまでです。6ヶ月ほどかけて段階的に力をつけます。デザインだけでなく、ITパスポートに対応した基礎知識や生成AIの活用まで踏み込むコースもあり、資格取得も目指せます。
カリキュラム(ICT基礎からHTML・CSS・PHPまで)
カリキュラムは、いきなりデザインから入るのではなく、IT全般の基礎から段階的に積み上げます。AFBデジタルエンタテインメントのコースを例にすると、次の順序で進みます。
- ICT基礎(ITパスポートに対応した情報技術の基礎知識)
- HTML・CSS(Webページを組み立てる土台)
- Webデザイン(見た目や配色、レイアウトの考え方)
- JavaScript・CMS(動きの実装とWordPressなどの操作)
- PHPプログラミング(サーバー側の処理を扱う実務スキル)
多くの解説記事はHTML・CSSやPhotoshopの説明で止まります。ここではICT基礎からPHPのプログラミングまで一気通貫でカバーする点が、実務で通用する範囲まで学べる理由です。
使うツール(Photoshop・Illustrator・WordPressなど)
実際の現場で使うツールを、そのまま学べます。就職後にすぐ役立つラインナップです。
- Photoshop・Illustrator(画像加工とデザイン制作)
- VSCode(コードを書くエディタ)
- WordPress(多くの企業サイトで使われるCMS)
- Canva・生成AI(制作の効率化に使う新しいツール)
- XAMPP・Localなど(自分のパソコン内で動作を確認する環境)
生成AIの活用まで扱えるコースは、まだ多くありません。制作スピードが問われる現場を意識した、新しいカリキュラム像といえます。
目指せる資格(ITパスポート・Webクリエイター能力認定など)
学習の成果として、複数の資格取得を目指せます。資格は、未経験者が実力を客観的に示す材料になります。
- ITパスポート(ITの基礎知識を証明する国家試験)
- Webクリエイター能力認定試験(Web制作スキルの認定)
- Photoshop・Illustratorクリエイター能力認定試験(デザインソフトの操作スキル)
資格に触れない講座も多いなか、取れる資格を明示できるのは強みです。履歴書に書ける実績があると、未経験からの就職活動で有利に働きます。
就職支援と就職の実態

就職支援は、ポートフォリオ制作とキャリアコンサルタントの伴走、求人紹介の3本柱で進みます。学んで終わりにしないのが公的訓練の特徴です。ただし就職できるかは個人差が大きく、在学中からの行動量で結果が変わります。
就職支援の中身(キャリアコンサルタントの伴走・履歴書と面接・求人紹介)
就職支援では、専門スタッフが最後まで伴走します。ひとりで就活を抱え込まずに済む設計です。
- 国家資格を持つキャリアコンサルタント(2級を含む)による相談
- 履歴書・職務経歴書の添削と、面接の練習
- コースが持つ独自ルートの求人紹介
作った作品をまとめるポートフォリオも、指導を受けながら仕上げます。「学んだけれど就職につながらない」という不安に、伴走型のサポートで応えるのがこの支援の狙いです。応募書類から面接まで一貫して見てもらえるため、初めての転職活動でも進めやすくなります。
就職の実態と、就職率を上げるためにできること
就職の結果は個人差が大きく、「修了すれば必ず就職できる」とは言い切れません。同じコースを受けても、就職までの期間や進路は人によって変わります。
差がつくのは、訓練期間中の行動量です。就職率を高めるために、次の3点を意識しましょう。
- 修了を待たず、在学中から求人チェックと応募を始める
- 授業以外にも自主的に手を動かして制作数を増やす
- ポートフォリオの質を高め、応募先に合わせて見せ方を調整する
受け身で授業を消化するだけでは、成果は伸びにくいのが現実です。学びを就職に変えるのは、最終的には本人の動き方になります。
Webデザイナーの職業訓練が向いている・向いていない人の特徴

全国どこからでも自分のペースで学べるため、時間の制約がある方ほど在宅eラーニングの恩恵を受けられます。特に次のような方に向いています。
- Webデザインが未経験で、基礎から体系的に学びたい
- 子育てや介護で外出時間を取りにくい
- シフト勤務や在職中で、通学の時間が読めない
- 近くに通える訓練校がない地方在住
一方で、正直に向かない面もあります。動画教材を自分で進める形のため、自己管理が極端に苦手だと学習が止まりやすい点です。誰かに毎日管理してほしいタイプの方は、週1回の指導だけでは物足りなく感じることがあります。学ぶ意思と、最低限のペース配分ができれば、時間の制約は大きな障害になりません。
申込から受講開始までの流れ

申込は、必ずハローワークでの相談から始まります。講座へ直接申し込むのではなく、ハローワークを経由するのが求職者支援訓練のルールです。相談・申込・選考を経て、受講開始に進みます。
受講開始までのSTEP(ハローワーク相談から受講まで)
受講までの流れは、次の4ステップです。順番に進めれば迷いません。
- ハローワークで求職の申し込みをして、訓練の相談をする
- 受けたいコースを選び、ハローワーク経由で受講を申し込む
- 訓練校の選考(面接・簡単な筆記など)を受ける
- 合格後、支給要件などの手続きを済ませて受講開始
見落としやすいのが、選考がある点です。申し込めば全員が受けられるわけではなく、面接などの選考を通過する必要があります。 まずは早めにハローワークへ相談し、募集時期を確認しておきましょう。
選考で落ちないためのポイント
選考で見られるのは、就職への本気度です。「就職の意思」と「訓練をどう活かすか」を自分の言葉で語れるかが分かれ目になります。
面接では、次の3点を準備しておきましょう。
- なぜWebデザインを学びたいのか、きっかけと目標
- 修了後にどんな仕事に就きたいか、具体的な進路イメージ
- 訓練にきちんと通える生活・時間の見通し
倍率はコースや時期で変わり、人気コースでは応募者が定員を上回ることもあります。熱意だけでなく、就職までの計画を具体的に話せると評価されやすくなります。
求職者支援訓練のWebデザイナーeラーニングに関するよくある質問(FAQ)

最後に、求職者支援訓練のWebデザイナーeラーニングに関する質問にお答えします。気になるものだけチェックしてください。
Q. eラーニングでも月10万円の給付金は受け取れますか
在宅のeラーニングでも、一定の要件を満たせば月10万円の職業訓練受講給付金と通所手当を受け取れます。要件は世帯収入や出席状況で判断されます。自分が対象になるかは、管轄のハローワークで確認しましょう。
Q. 授業料は本当に無料ですか
授業料は無料です。ただし教材費は自己負担で、テキスト代(コース例で最大16,500円・税込)やソフトの利用料がかかります。民間スクールの数十万円と比べれば負担は大きく抑えられますが、完全無料ではない点は押さえておきましょう。
Q. 全国どこからでも受講できますか
在宅のeラーニングなら、全国どこからでも受講できます。動画教材を使って自宅で学び、週1回ほどのリモート指導を受ける形です。近くに通える訓練校がない地方在住の方でも、パソコンとインターネット環境があれば始められます。
Q. パソコン初心者や未経験でも大丈夫ですか
Webデザイン未経験でも問題ありません。カリキュラムはICT基礎から段階的に進みます。ただし、パソコンの基本操作・メール送受信・Web会議ツールの利用は前提です。まったくパソコンに触れない状態だと、在宅学習は難しくなります。
Q. 育児中や在職中でも受講できますか
在宅で自分のペースに合わせて学べるため、育児中や在職中の方でも受講しやすい形です。決まった時間に通学する必要はありません。出席の扱いや給付金の要件はコースや状況で変わるので、詳しくはハローワークで確認しましょう。
Q. 修了すれば必ず就職できますか
修了しても就職が保証されるわけではありません。就職の結果は個人差が大きいのが実情です。キャリアコンサルタントの伴走や求人紹介などの支援はありますが、在学中から応募や制作を進める本人の動き方が結果を左右します。
まとめ

求職者支援訓練のWebデザイナーeラーニングは、雇用保険を受けられない方の学び直しを後押しする制度です。要点を整理します。
- 対象は雇用保険を受給できない求職者。全国どこからでも在宅で学べる
- 授業料は無料、自己負担は教材費のみ。要件を満たせば月10万円の給付金あり
- ICT基礎からPHPまで学び、ITパスポートなど複数の資格を目指せる
- キャリアコンサルタントの伴走と求人紹介で就職を支援。結果は在学中の行動量で変わる
条件に当てはまりそうなら、まずは管轄のハローワークへ相談するのが最初の一歩です。給付金の可否も含め、自分の状況で何が使えるかを確認してみましょう。
株式会社 吉和の森