第5回 :Looker StudioでGA4ダッシュボードを作成してみよう「ディメンションと指標をマスターしよう!」

ブログ 初級者のためのやさしくLookerStudioを説明する18回

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みなさん、こんにちは!このシリーズでは、LookerStudioの活用方法を紹介しています。LookerStudioの使い方を基礎から応用まで、初心者の方々にも分かりやすく丁寧に解説しています。

このブログシリーズでは、Looker Studioを基礎からマスターするための情報を20回にわたって発信していきます。Looker Studioは、データを分かりやすく可視化できる便利なツールですが、初めて使う人にとっては少し難しく感じるかもしれません。

このシリーズは、LookerStudioを使ってGA4のデータを視覚化し、効果的なダッシュボードを作成するための方法を丁寧に解説していきます。

今回のテーマは「ディメンションと指標」です。

「ディメンションと指標って何だろう?」「GA4のデータ分析でどう使うの?」と疑問に思っている方もいるかもしれません。

ディメンションと指標は、Looker Studio で GA4 のデータ分析を行う上で非常に重要な概念です。これらを理解し、適切に設定することで、より効果的なダッシュボードを作成し、データに基づいた意思決定を行うことができるようになります。

今回の記事では、ディメンションと指標の基本的な考え方から、GA4でよく使うディメンションと指標、Looker Studioでの設定方法、さらには応用的な使い方まで、丁寧に解説していきます。

それではどうぞ!

目次

1. ディメンションとは?指標とは?

Looker Studio で GA4 のデータ分析を行う際、「ディメンション」と「指標」は切っても切り離せない存在です。この2つを理解することは、データ分析の基本であり、より効果的なダッシュボード作成に繋がります。

LookerStudioではグラフを作成し、そのグラフを選択した際に右側に「グラフの設定プロパティ」というのがでます。そこでディメンションと指標は設定できます。

ディメンション:ディメンションとはデータの「メガネ」

ディメンションは、例えるならデータを見るための「メガネ」のようなものです。メガネをかけることで、ぼんやりとしか見えなかった景色が、はっきりとした輪郭を持って見えてくるように、ディメンションはデータを様々な角度から分類し、詳細に見せてくれます。

例えば、「ページタイトル」というディメンションで見ると、指標との組み合わせによってサイト内のページタイトルごとのパフォーマンスがわかります。「デバイス」というディメンションで見れば、パソコン、スマートフォン、タブレットなど、どのデバイスからのアクセスが多いのかが分かります。「ページ」というディメンションなら、どのページが人気なのかを知ることができます。

ディメンションは、データを分類するためのラベルのようなものです。データを整理し、どのような観点から分析するのかを決定します。例えば、ウェブサイトの訪問者データを分析する際に、以下のようなディメンションを使用します:

・ページタイトル:訪問者が訪れたウェブページを示します。

・デバイス:訪問者が使用したデバイス(PC、スマートフォン、タブレットなど)を示します。

これらのディメンションを使うことで、どのページが多く閲覧されているのか、どのデバイスが最も利用されているのか、など様々な視点からデータを分析することができます。

このように、ディメンションはデータの「メガネ」であり、データを切り取るための軸となります。

指標:データの「体温計」

一方、指標はデータの「体温計」のようなものです。体温計が体温という数値で体の状態を教えてくれるように、指標は数値でウェブサイトの状況を数字で表現します。

例えば、「セッション」はウェブサイトへの訪問回数を表し、「表示回数」はページが閲覧された回数を示します。

指標は、データの測定値を示します。具体的な数値で表されるデータであり、ディメンションに基づいて収集されます。例えば、ウェブサイトのパフォーマンスを評価するために、以下のような指標を使用します:

アクティブユーザー: 特定の期間内にウェブサイトで何らかのアクション(ページの閲覧、クリック、動画の再生など)を行ったユーザーの数。

セッション: ユーザーがウェブサイトを開いてから離れるまで。いわゆる訪問回数。

表示回数: ウェブサイのページまたは画面が表示された回数。

エンゲージメント率: エンゲージメントセッション(10秒以上のセッション、コンバージョン、または2回以上のページ/画面ビューを含むセッション)の割合。

平均セッション継続時間: すべてのセッションの合計継続時間をセッション数で割った値。

このように指標はいわゆるサイトの「体温計」であり、ウェブサイトの状態を数字で表し、健康状態を確認する重要な手がかりとなります。

ディメンションと指標:最強のコンビ

そしてLookerStudioやGA4の世界ではディメンションと指標は、組み合わせること表やグラフを作成します。

ディメンションと指標を組み合わせることで、多角的なデータ分析が可能になります。例えば、「国別のセッション数」を比較することで、どの国からのアクセスが多いのかを把握できます。また、「デバイス別のページビュー数」を分析することで、どのデバイスからのアクセスが多いのかを知ることができます。

このように、ディメンションと指標を組み合わせることで、多角的なデータ分析が可能になり、ウェブサイトの改善に繋がる具体的なアクションが見えてきます。

ポイント
ディメンションと指標は、データ分析の基本となる考え方です。

・ディメンション: データを分類するためのラベル(例:国、デバイス、ページなど)
指標: データの測定値(例:セッション数、ページビュー数、直エンゲージメント率など)

これらの概念をしっかりと理解し、Looker Studio での GA4 データ分析に活かしていきましょう。

2. よく使うディメンションと指標

Looker Studio や GA4 でのデータ分析をスムーズに進めるためには、よく使うディメンションと指標を把握しておくことが重要です。ここでは、代表的なディメンションと指標を、その意味と使い方、組み合わせによる分析例とともに紹介します。

よく使うディメンションとその意味

■ユーザータイプ

 意味:新規ユーザーかリピーターかを示します。
 使い方:新規ユーザーとリピーターの行動の違いを分析する際に使用します。

■デバイスカテゴリ

 意味:訪問者が使用したデバイス(デスクトップ、タブレット、モバイル)を示します。
 使い方:どのデバイスからのアクセスが多いかを分析する際に使用します。

■ランディングページ

 意味:訪問者が最初にアクセスしたページを示します。
 使い方:どのページが訪問者を引き付けているかを分析する際に使用します。

■ページタイトル

 意味:ウェブページのタイトルを示します。
 使い方:特定のページのパフォーマンスを評価する際に使用します。

■イベント名

 意味:訪問者がウェブサイト上で行った特定のアクション(例:ボタンのクリック、フォームの送信など)を示します。
 使い方:特定のイベントがどの程度発生しているかを分析する際に使用します。

ディメンション名意味使い方例
ユーザータイプ新規ユーザーかリピーターかを分類ユーザー層の分析に活用
デバイスカテゴリデスクトップ、モバイル、タブレットなど、デバイスの種類を分類デバイス別のアクセス状況を把握
ランディングページユーザーが最初に訪問したページ最初の接触点となるページの分析に活用
ページタイトル各ページのタイトルページごとのパフォーマンスを分析
イベント名GA4 で設定したイベントの名前イベントごとの効果測定に活用

よく使う指標とその意味

■セッション数

 意味:ウェブサイトに訪れた回数を示します。
 使い方:ウェブサイトの全体的なトラフィックを把握する際に使用します。

■エンゲージメント数

 意味:訪問者がウェブサイト上で行ったインタラクションの数を示します
 使い方:訪問者のサイト上での活動を分析する際に使用します。

■エンゲージメント率

 意味:エンゲージメント数をセッション数で割った割合を示します。
 使い方:訪問者のエンゲージメントの質を評価する際に使用します。

■イベント数

 意味:特定のイベントが発生した回数を示します。
 使い方:特定のアクションがどの程度行われているかを把握する際に使用します。

■キーイベント

 意味:設定された目標(例:購入、登録など)が達成された回数を示します。
 使い方:サイトの目標達成状況を評価する際に使用します。

指標名意味使い方
セッション数ウェブサイトへの訪問回数全体的なトラフィック量の把握
エンゲージメント数特定の条件を満たしたセッション数 (例:10秒以上の滞在、1回のコンバージョン、2ページ以上の閲覧)ユーザーの積極的な行動を測定
エンゲージメント率エンゲージメント数 / セッション数ユーザーのエンゲージメント度合いを評価
イベント数イベントが発生した回数イベントごとの発生頻度を測定
コンバージョン数コンバージョンとして設定したイベントが発生した回数目標達成度を測定

ディメンションと指標を使ったレポート(分析)例

ディメンションと指標を正しく組み合わせることで、データから得られる洞察を深め、より具体的で効果的なアクションを導き出すことができます。初心者の方でも、これらの基本的な概念と使い方を理解することで、データ分析のスキルを向上させることができるでしょう。

①デバイスカテゴリ別のセッション数の比較

分析例:デバイスカテゴリ(デスクトップ、タブレット、モバイル)ごとのセッション数を比較することで、どのデバイスからのアクセスが多いかを確認します。この情報を基に、特定のデバイス向けの最適化を行うことができます。

使い方:LookerStudioでデバイスカテゴリをディメンション、セッション数を指標としてグラフを作成します。

②ランディングページ別の直帰率の分析

分析例:各ランディングページごとの直帰率を比較することで、どのページが離脱しやすいのかを把握します。直帰率が高いページは、コンテンツやデザインの改善が必要な可能性があります。

使い方:GA4のデータを使用して、ランディングページをディメンション、直帰率を指標として表やグラフを作成します。

③イベント名別のイベント数の比較

分析例:異なるイベント(例:ボタンのクリック、フォームの送信など)ごとの発生回数を比較することで、どのアクションが最も頻繁に行われているかを確認します。これにより、ユーザーの行動傾向を把握し、改善策を講じることができます。

使い方:LookerStudioでイベント名をディメンション、イベント数を指標としてグラフを作成します。

3. Looker Studio でのディメンションと指標の設定(実際に使ってみる)

いよいよ実際に Looker Studio でディメンションと指標を設定してみましょう。ここでは、表グラフを使って、基本的な操作方法と注意点について解説します。

【前提】

・GA4 データソースに接続済みであること

・ダッシュボードが作成済みであること

・データソースの接続やダッシュボードの作成については、第2回と第3回の記事を参考にしてください。

ステップ1:グラフの追加

ダッシュボード編集画面で、右上の「グラフを追加」から「円グラフ」の「ドーナツグラフ」を選択し、表示させたい場所に円グラフを配置します。ここでは右側に配置しました。

ステップ2:ディメンションと指標の選択:

追加した表グラフをクリックすると、右側に「データ」タブが表示されます。

・「ディメンション」の欄で、分析したいディメンション(例:デバイスカテゴリ)を選択します。
・「指標」の欄で、表示したい指標(例:セッション数)を選択します。

必要に応じて、追加のディメンションや指標も設定できます。複数のディメンションや指標を組み合わせることで、より詳細な分析が可能です。

ステップ3:グラフの種類や表示形式の変更

デフォルトでは、選択したディメンションと指標に基づいてグラフが生成されますが、表示形式を変更することも可能です。

右側の「スタイル」タブを開き、グラフの種類(例:表グラフ、棒グラフ、円グラフなど)や色、フォント、レイアウトなどをカスタマイズできます。今回は表グラフを使用しますので、表グラフを選択し、必要に応じてカラムの並び替えやフィルタリングを行います。ぜひ試してみてください。

注意点とポイント

ディメンションと指標の設定において、以下の注意点とポイントがあります。

・適切なディメンションと指標の組み合わせ

無関係なディメンションと指標を組み合わせと判断した場合、データが出てこない場合があります。これは使用する我々が関係あると思っていてもLookerStudioやGA4が無関係だと考えた場合に起こりうるもので、データが出てこない場合は無関係だと判断されたと考えるのが良いでしょう。

例えば、ディメンションに「地域」を選択し、指標に「商品の平均価格」を選択した場合。

地域と商品の平均価格は直接的な関係がないため、この組み合わせでは分析に意味がないデータが表示される可能性があります。地域ごとの商品の平均価格は、特定の前提条件がない限り無意味なデータを示すことが多いです。

・データのフィルタリング(LookerStudioにはセグメントがない)

特定の条件でデータを絞り込みたい場合は、フィルタ機能を活用しましょう。例えば、デバイスカテゴリを「mobile」だけに限定したいというケースはよくあります。その場合、GA4ではセグメントを利用しますが、LookerStudioではセグメントはないのでフィルタ機能を使って、ディメンション「デバイスカテゴリ」で「mobile」でフィルタ設定します。

必要に応じて、特定の条件に基づいてデータをフィルタリングしたり、セグメント化することで、より詳細な分析が可能になります。例えば、特定の期間やキャンペーンに限定してデータを表示することができます。

・※重要※ 横が長いダッシュボードのレイアウト(キャンバスサイズ)は16:9がベター!

ダッシュボードが縦か横かによって比率の良さは異なりますが横長の場合は16:9がベターです。このブログシリーズでもこの時点で16:9に変更しましょう。場所はテーマとレイアウトをクリックして、レイアウトのタブに移動。「キャンバスサイズ」のところで「スクリーン(16:9):横向き」にしましょう。

Looker Studio でのディメンションと指標の設定は、データ分析の基礎となる作業です。これらの注意点に気をつけながら、様々なディメンションと指標の組み合わせを試して、データ分析の幅を広げていきましょう。基本的な操作手順を理解し、注意点に気を付けることで、効果的なデータ分析が可能になります。

4. 実践!よく使うディメンションと指標を使ったレポート例

Looker Studioを活用して、具体的なディメンションと指標を使ったダッシュボードを作成することで、データ分析の実践的なスキルを身に付けましょう。ここでは、よく使うディメンションと指標のケーススタディとして「訪問者の分析レポート」をどのようにして作成するかを解説します。

■作成するレポート(3つ)

①「デバイス別ページビュー数:棒グラフ」
②「チャネル別セッションの割合:円グラフ」
③「デバイス別コンバージョン数:表グラフ」

■ディメンションと指標の選択

・ディメンション:デバイス、チャネル
・指標:ページビュー、セッション、コンバージョン

■訪問者の分析レポートの手順

①「デバイス別ページビュー数:棒グラフ」の作成

ステップ1:「グラフの追加」メニューから「棒グラフ」を選択
ステップ2:右側の「データ」タブで、ディメンションに「デバイスカテゴリ」を選択
ステップ3:同じく指標に「表示回数」を選択
ステップ4:完成

②「チャネル別セッションの割合:円グラフ」の作成

ステップ1:「グラフの追加」メニューから「円グラフ」を選択
ステップ2:右側の「データ」タブで、ディメンションに「デフォルトチャネルグループ」を選択
ステップ3:同じく指標に「セッション」を設定
ステップ4:「セッション」を「数」から「割合」に変更
ステップ5:完成

③「デバイス別コンバージョン数:表グラフ」の作成

ステップ1:「グラフの追加」メニューから「表グラフ」を選択
ステップ2:右側の「データ」タブで、ディメンションに「デバイスカテゴリ」を選択
ステップ3:同じく指標に「キーイベント数」を設定
ステップ4:完成

■レポートを作成するときの注意点

・グラフの種類を選ぶ際には、データの見やすさを重視し、適切な可視化方法を選択すること。
・グラフの種類を適切に選択し、情報が一目でわかるようにすること。
・ディメンションと指標の組み合わせを意味のあるものにし、正確なデータが表示されるようにすること。

これらの例を参考に、ぜひご自身のウェブサイトやアプリのデータ分析に Looker Studio を活用してみてください。ディメンションと指標を自由に組み合わせることで、様々な角度からデータ分析を行い、ビジネスの成長に繋げることができます。

まとめ

いかがでしたでしょうか。
今回はディメンションと指標について解説しました。

今回は、Looker Studio で GA4 のデータ分析を行う上で欠かせない「ディメンションと指標」について、基礎から実践まで詳しく解説しました。

・ディメンションはメガネであり、データを分類するためのラベル(例:国、デバイス、ページ)です。
・指標は体温計であり、データの測定値(例:セッション数、ページビュー数、直帰率)です。

これらの概念を理解し、適切に組み合わせることで、ウェブサイトの現状を把握し、改善点を見つけ出すことができます。

Looker Studio でのディメンションと指標の設定方法や、具体的なレポート作成例を通して、実際にどのように活用できるのかを学んでいただけたかと思います。この記事で学んだ知識を活かして、ぜひ Looker Studio でのデータ分析に挑戦してみてください。データ分析は、ウェブサイトの改善、ひいてはビジネスの成長に繋がる強力な武器となります。

次回以降も、実際にGA4のデータを使って、基本的なダッシュボードを作成する手順を解説していきます。今回の記事で学んだ知識を活かして、実践的なダッシュボード作成に挑戦してみましょう。

それではまた、次回の記事でお会いしましょう!

に慣れてきたら、さらに高度な機能に挑戦してみましょう。例えば、複数のデータソースを組み合わせたり、計算フィールドを作成したりすることで、より詳細な分析が可能になります。

初級者のためのやさしくLookerStudioを説明する18回

第1回:LookerStudioでGA4ダッシュボードを作成しよう「LookerStudio概論 LookerStudioとは?」
第2回:LookerStudioでGA4ダッシュボードを作成しよう「ログインからレポート画面までをマスター!」
第3回:LookerStudioでGA4ダッシュボードを作成しよう「レポート画面の基本機能をマスターしよう!」
第4回:Looker StudioでGA4ダッシュボードを作成してみよう「表作成をマスターしよう!」
第5回:Looker StudioでGA4ダッシュボードを作成してみよう「ディメンションと指標をマスターしよう!」
第6回:Looker StudioでGA4ダッシュボードを作成してみよう「フィルタをマスターしよう!」
第7回:
第8回:
第9回:
第10回:
第11回:
第12回:
第13回:
第14回:
第15回:
第16回:
第17回:
第18回(最終回):

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株式会社吉和の森 代表取締役
青森県八戸市出身。2019年11月、ライフワークとしてデジタル・マーケティングに携わり、人の役に立ちたいたいと思い起業。さまざまな業態・業種の事業案件を手掛けている。コンテンツ立ち上げ後の集客や運用、コンテンツを持っている事業者との「アライアンス業務」、「Webを使った集客」を強みとするウェブ解析士マスター、チーフSNSマネージャー、提案型ウェブアナリスト。

著書:日本一詳しいWeb集客術「デジタル・マーケティング超入門」(https://amzn.asia/d/4fMhaK8)

株式会社吉和の森:https://yoshikazunomori.com/

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