「AIで業務を効率化したいけど、プログラミングは難しい」「SNS投稿やレポート作成を自動化したい」
そんな悩みを持つあなたに、Googleの最新ツール「Opal」を紹介します。
本記事では「Opal」の概要から使い方、料金までを専門家が分かりやすく解説します。プログラミング知識は不要です。この記事を読めば、誰でもAIアプリ開発の第一歩を踏み出せます。
Googleの新ツール「Opal」とは?
Opalは2025年7月にGoogle Labsが発表した、プログラミング知識なしでAIアプリを開発できるツールです。自然な言葉で指示するだけで、AIがアプリや業務フローを自動で構築します。
最大の特徴は「バイブコーディング」という方式です。AIへの指示(プロンプト)や各種ツールをブロックのようにつなげて処理を自動化します。ユーザーはマウス操作だけで直感的にAIの動きを設計し、コードを書かずに独自のAIアプリを作成できます。
具体例として、「競合のSNS投稿を分析し、自社投稿文を3案作成する」「新商品のキャッチコピーを10個提案する」といった業務を自動化することが可能です。
現在は米国限定のベータ版のみですが、誰でも手軽に高機能なAIツールを作れるプラットフォームとして、世界中から注目されています。

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なぜ、Opalが注目されているのか?3つの理由を解説

ノーコードツールは他にもありますが、Opalが特に注目されるのには明確な理由があります。ここでは、重要な3つのポイントを解説します。
理由①:プログラムを書く必要がない「ノーコードツール」だから
Opalが注目される最大の理由は、プログラミング知識が不要な「ノーコードツール」だからです。これにより、技術的な壁を感じていた多くの人が、手軽にAIアプリ開発を始められます。
ただし重要なのは、プログラミングが不要なだけで、アプリの骨格を考える「設計力」は必須という点です。目的が曖昧では、期待した成果は得られません。「売上を上げる」といった漠然とした指示ではなく、「特定の顧客層に響くキャンペーンメールを自動生成する」といった具体的な目的を言語化する能力が必要です。
理由②:Googleの他ツールとの連携が便利だから
Opalが他のノーコードツールと一線を画すのは、Googleの各種サービスとスムーズに連携できる点です。Googleスプレッドシート、Gmail、Googleドキュメントなど、普段使い慣れているツールと組み合わせることで、Opalの可能性は無限に広がります。
例えば、「Googleフォームのアンケート結果をスプレッドシートで自動集計し、分析レポートをドキュメントで作成。完成したらGmailで関係者に自動通知する」といった一連の業務フローを、すべてOpal上で完結できます。
既存の業務に根ざした実用的な自動化を実現できることが、Opalがビジネスで期待される理由です。
理由③:バイブコーディングが意外と難しいから
「自然言語で指示するだけ」のバイブコーディングは、一見簡単そうに見えて、実は奥が深いのです。その難しさが、Opalが注目される3つ目の理由です。
なぜなら、人間の言葉には「曖昧さ」が含まれており、AIに意図が正確に伝わらないことがあるからです。特に複雑な業務を自動化しようとすると、この問題は顕著になります。
Opalには処理の流れを視覚的に修正する機能がありますが、その前段階として、ユーザー自身がAIに誤解されないよう、具体的かつ論理的に指示を出すスキルが求められます。この「AIとの対話能力」を磨く面白さと難しさが、Opalを単なる便利ツール以上の存在にしています。
Opalの主な特徴と機能

Opalには、従来のアプリ開発の常識を覆すユニークで強力な機能が搭載されています。特に知っておくべき4つの特徴を理解すれば、Opalで何ができるのか、より具体的にイメージできるはずです。
特徴1:プログラミング不要!自然言語でAIに指示
Opalの最大の特徴は、プログラミング知識が不要な点です。普段使う自然な言葉(日本語対応)で指示するだけでアプリ開発が始まります。
「この作業を自動化したい」といった要望を文章で入力すると、Opalが意図を汲み取り、AIが自動でアプリの原型を構築します。
例えば、「画像から商品名を読み取り、説明文を自動生成して」とチャット感覚で指示できます。この直感的な操作性で、誰でも気軽にAI活用を始められます。
特徴2:Googleの最新AI「Gemini」を搭載
Opalの賢さの秘密は、心臓部にGoogleの最新AI「Gemini」が搭載されている点です。Geminiは高い言語処理能力を持ち、人間が話す複雑なニュアンスの指示でも意図を正確に理解します。
これにより、定型作業の自動化だけでなく、細かな要望に応じた高度なAIアプリも作成できます。
将来的には、画像生成AI「Imagen」や動画生成AI「Veo」とも連携予定です。実現すれば、文章だけでなく画像や動画を扱うクリエイティブなAIアプリも、誰もが簡単に作れるようになります。
特徴3:視覚的な「ブロック」編集機能
Opalは、AIが行う処理の流れを「ブロック」や「カード」といった分かりやすい見た目で表示します。
ユーザーは、これらのブロックをマウスでドラッグ&ドロップするだけで、処理の順番を入れ替えたり、新しい処理を追加したりと、直感的にアプリの仕組みをカスタマイズできます。
例えば「データを取り込んだ後、すぐに要約せず、先に不要な情報を削除する処理を追加したい」といった調整も、ブロックを追加するだけで簡単にできます。
この視覚的な編集機能により、複雑な仕組みも一目で理解でき、試行錯誤しながら素早くアプリを改善できます。
特徴4:外部サービスとの柔軟なAPI連携
Opalは「API」という仕組みを通じて、Googleサービスだけでなく、さまざまな外部サービスやデータと柔軟に連携できます。
会社の顧客管理システムやマーケティングツールなど、他社が提供するサービスもOpalに組み込めます。
これにより、Opalは異なるツール間の橋渡し役となり、社内の分散したシステムを連携させて業務フローを一元化できます。この高い拡張性により、業務効率を大幅に向上させたり、ユニークなオリジナルアプリを開発したりできます。
【5ステップで解説】Opalの使い方・始め方【注意:日本ではまだ使えません】

ここからは、Opalの具体的な使い方を5つの簡単なステップで解説します。この手順通りに進めれば、誰でも迷うことなくOpalを始められます。
ステップ1:公式サイトへのアクセスと登録
まず、普段お使いのGoogleアカウントを準備します。次にOpal公式サイトへアクセスし、Googleアカウントでログインして登録を完了させます。必要なら表示言語を日本語に設定してください。
※2025年8月現在、Opalは米国限定公開です。日本から利用する場合はVPN接続などが必要になることがありますが、Googleが公式に推奨する方法ではないため、利用規約を確認し、自己判断で利用してください。
ステップ2:プロジェクトの作成と基本画面の説明
ログイン後、メイン画面の「Create New」ボタンから新しいアプリ(プロジェクト)を作成します。
画面の「Gallery(ギャラリー)」には、他のユーザーが作成した便利なアプリのテンプレートが多数用意されています。初めての方は、ここから興味のあるテンプレートを試すのも良いでしょう。
アプリ作成画面は、主にAIに指示を出すチャット画面と、処理の流れがブロックで表示される編集画面で構成されています。
ステップ3:【チュートリアル】簡単な要約アプリを作ってみよう
実際に簡単な要約アプリを作ってみましょう。
まず、チャット画面に「以下の文章を3文で要約してください」と入力し、続けて要約したい文章を貼り付けます。
これだけで、Opalが指示を理解し、文章を要約するAIアプリの原型を自動作成します。作成された処理の流れ(ブロック)を見て、「もう少し短くしたい」と思えば、指示を変えたり、編集画面で設定を微調整したりできます。
ステップ4:アプリのテストとデバッグ
作成したアプリは、実行ボタンを押すとすぐに動作をテストできます。ステップ3の例で言えば、実際に文章が3文で要約されるかを確認します。
結果が意図通りでない場合は、修正作業(デバッグ)を行います。例えば「要約が長すぎる」といった場合は、指示をより具体的にするか、ブロックの設定を見直して修正します。このテストと修正を繰り返し、アプリの精度を高めていくことが重要です。
ステップ5:作成したアプリの共有・公開方法
完成したアプリは、画面右上の「Share app(アプリを共有)」ボタンから簡単に他の人と共有できます。
生成された共有リンクを送れば、プログラミング知識がない同僚も、あなたが作った便利なアプリをすぐに利用できます。また、チームメンバーを招待して、一緒にアプリを編集することも可能です。
「限定公開」や「全体に公開」といったプライバシー設定も柔軟に行えるため、社内ツールから一般公開するミニアプリまで、用途に応じた展開が手軽に実現できます。
Opalの料金プラン

現在(2025年8月時点)、Opalは米国限定のベータ版のため、すべての機能を無料で無制限に利用できます。アプリ作成数やAIの処理回数、共有機能にも制限はないです。
ただし、これはテスト期間中の措置です。Googleは事前の告知なく利用条件を変更する可能性があります。
正式リリース時には、機能や利用量に応じた複数のプラン(個人向け、法人向けなど)が用意されるでしょう。
【比較表】Opalと他のノーコードツール(Dify, JinbaFlowなど)との違い
Opal以外にもAIを活用したノーコード開発ツールは存在します。代表的なツールとOpalを比較し、それぞれの違いを解説します。
項目 Opal Dify JinbaFlow Create Replit 開発社 Google Dify.AI Jinba create.xyz Replit Inc. 料金(税込) 無料 Sandbox:無料Professional:約9,500円/月Team:約25,700円/月 無料プラン:無料基本プラン:約970円/月プロプラン:約4,000円/月 無料プラン:無料Proプラン:約3,000円/月Businessプラン:約16,000円/月 Starterプラン:無料Replit Coreプラン:約3,200円/月Teamsプラン:約5,700円/月 操作性 ◎ ◯ ◎ ◎ △ できること Geminiによるアプリ作成音声・画像・検索統合 チャットボット開発RAG・DB・API連携 業務用チャットAIや社内ツール構築 プロンプト連携アプリ自動化ツールのデザイン AIエージェントでアプリ構築Web/Python対応 おすすめの人 初心者Geminiを試したい人 業務自動化を目指す中〜上級者 ノーコード非エンジニア(日本語UI重視) デザイン重視の初心者 エンジニア志望コードも書きたい人 公式サイト Opal Dify JinbaFlow Create Replit
この表から分かるように、Opalの特徴はGoogleの最新AI「Gemini」を手軽に試せる点と、初心者でも直感的に扱える操作性の高さです。Googleサービスとの連携を前提とする業務効率化や、アイデアの試作に適しています。
一方、Difyは専門的なAIチャットボット開発をしたい中〜上級者向け、JinbaFlowは日本語UIで社内ツールを構築したい非エンジニア向けです。
このように、ツールごとに得意分野や対象ユーザーは異なります。目的を明確にし、最適なツールを選びましょう。
まとめ

本記事では、Googleの最新AIアプリ開発ツール「Opal」を解説しました。
Opalは、プログラミング知識がなくても、自然な言葉で指示するだけで誰でも簡単にAIアプリを開発できる革新的なツールです。
最新AI「Gemini」を搭載し、Googleの各種ツールとスムーズに連携できるため、マーケターの業務を劇的に効率化する可能性を秘めています。
現在は米国限定のベータ版ですが、無料で強力な機能を試せる絶好の機会です。ぜひこの記事を参考に、Opalの世界に触れてみてください。
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