「Xで伝えたい有益な情報や気持ちはあるのに、140文字に削ぎ落とす過程で魅力が消えてしまう…」
企業のSNS担当者や個人事業主として、X(旧Twitter)を運用していてそんなもどかしさを感じたことはありませんか?
X Premium(旧Twitter Blue)の長文機能を使えばこの悩みは解決できますが、ただ長く書くだけではタイムラインに流され、誰にも読まれません。
実は、長文ポストには「インプレッションを伸ばすための黄金ルール」が存在します。
本記事では、機能の基本操作はもちろん、プロが実践する「ついクリックして読みたくなる」長文ポストの構成術と、アルゴリズムに好かれる運用法を解説します。
基本操作から装飾テクニック、ツリー投稿との使い分けまで網羅していますので、ぜひX集客の参考にしてください。
X(旧Twitter)の長文ポスト機能とは?基本仕様と利用条件を解説
まずは、Xの長文ポスト機能(Long-form Posts)の基本的な仕様と、利用するための条件について整理しましょう。
最大文字数は25,000文字(全角・半角問わず)
結論から言うと「長文ポスト機能」を使えば、最大25,000文字まで投稿できます。
通常の無料ユーザーは140文字という制限がありますが、この機能を使うことでブログ記事1本分に相当する情報量をX上で発信できるようになります。
- 文字カウント:全角・半角に関係なく「文字数の合計」でカウントされます。
- メディア:画像・動画・GIFなども通常ポスト同様に添付可能です。
- 表示形式:タイムラインでは冒頭のみが表示され、続きは「さらに表示」をクリックして展開される仕組みです。
ブログへの誘導リンクを踏ませる必要がなく、X内だけで完結して読ませられるため、ユーザーの離脱を防げるのが最大の特徴です。
利用条件は「X Premium」への加入が必須
長文ポストを利用するには、有料サブスクリプションである「X Premium(旧Twitter Blue)」への加入が必須です。
無料ユーザー 140文字制限のまま。長文を書きたい場合は「ツリー投稿(リプライ)」で繋げる必要があります。 有料ユーザー プランに関わらず、Premiumに加入していれば25,000文字の投稿が可能になります。加えて、投稿後の編集機能や文字装飾(太字・斜体)なども解放されます。
「課金してまで使う価値があるの?」と迷う方も多いですが、ビジネス目的でファン化を狙うなら、表現の幅が広がるPremiumは十分に価値のある投資です。
無料ユーザーからの見え方
「有料会員しか長文を読めないのでは?」という心配は不要です。無料ユーザーであっても、長文ポストの全文を閲覧することは可能です。
しかし、表示されるのは最初の140字のみ。それ以降は「さらに表示」をタップしないと見えません。
そのため、多くの人にXでリーチしたい場合は重要なキーワードを必ず「冒頭」に配置する工夫が必要です。
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Xで長文ポストを投稿するメリット3つ
なぜ今、短文文化のXで「長文」が注目されているのでしょうか。ビジネス運用における3つの大きなメリットを解説します。
メリット①:滞在時間が伸びてアルゴリズムで高く評価される
最大のメリットは、「ユーザーの滞在時間(閲覧時間)」を稼げることです。
現在のXのアルゴリズムは、ユーザーがその投稿をどれくらいの時間読んだかを重視しています。
- 短文の場合:一瞬で読み終わるため、滞在時間は数秒です。
- 長文の場合:「さらに表示」を開いて読み進めるため、数十秒〜数分の滞在時間が生まれます。
導入で興味を惹き、問題提起から解決策へとPREP法で展開することで、読者はスクロールしながら読み進めます。
その結果、「質の高いコンテンツ」と判断され、おすすめタイムラインに表示されやすくなる好循環が生まれます。
メリット②:濃いファンを作ることができる
長文ポストは発信者の「人柄・価値観・考え方」まで伝えられるため、表面的なフォロワーではなく「濃いファン」を育てやすいのが特徴です。
140文字では「尖った結論」だけが切り取られがちで、誤解を生むこともあります。しかし長文であれば、「なぜそう思うのか」という背景やストーリーまで丁寧に説明できます。
- 信頼の蓄積:「このジャンルの専門家だ」という認知が広がる。
- 関係性:共感の質が高まり、リプライや引用などのエンゲージメントが活発になる。
単なる情報の羅列ではなく、あなた自身の言葉で語ることで、アカウントへの信頼度が格段に上がります。
メリット③:商品・サービスの魅力をしっかり伝えられる
長文ポストは、LP(ランディングページ)のショート版として機能させることができます。
商品やサービスを紹介する際、以下の要素を1つの投稿にまとめることが可能です。
- ターゲットの悩み:「こんなことで困っていませんか?」
- 解決策:「このサービスなら解決できます」
- ベネフィット:「使うとこんな未来が待っています」
- FAQ:「よくある質問への回答」
外部サイトに飛ばす前に、X内で疑問や不安を解消できるため、その後のリンククリック率や成約率(CVR)が高まります。
セールス色を抑えつつ、論理的に「必要性」を伝えられるのは長文ならではの強みです。
Xで長文ポストを投稿する方法と装飾テクニック

実際に長文ポストを作成する際の手順と、読みやすくするための装飾テクニックを紹介します。
PCブラウザ・スマホアプリでの投稿手順
基本的に、PCブラウザ版でもスマホアプリ版でも長文投稿は可能です。
デバイス 投稿手順 特徴・注意点 PCブラウザ版 通常のポスト入力欄にそのまま入力するだけ 特別な設定は不要。自動的に長文モードに切り替わります。 スマホアプリ版 PCと同様に入力可能 機能制限に注意が必要。「下書き保存」や「予約投稿」が制限される場合があります。
本格的に長文コンテンツを作り込むなら、操作性が高く機能制限のないPCブラウザ版での作業をおすすめします。
読了率を上げる「太字」「斜体」の活用法
X Premiumユーザーは、PCブラウザ版のエディタで「太字(Bold)」や「斜体(Italic)」といった文字装飾が利用できます。これらは読了率を上げるために非常に重要です。
- 太字:結論、重要な数字、強調したいキーワードに使用します。流し読みするユーザーの目に留まりやすくなります。
- 斜体:引用文や、心の中の呟き、補足説明などに使うと、文章にメリハリがつきます。
文字がぎっしり詰まった文章は、読者にストレスを与えます。装飾を使って「視覚的なリズム」を作ることが、最後まで読んでもらうコツです。
Xで長文ポストを予約投稿はできる?公式とツールの違い
長文ポストの予約投稿には少しクセがあります。
- 公式機能:PCブラウザ版であれば、カレンダーアイコンから予約投稿が可能です。しかし、スマホアプリからは予約できません。
- 外部ツール:TypefullyやSocialDogなどの外部ツールを使えば、スマホからでも予約管理ができる場合がありますが、長文の装飾が崩れるケースもあります。
確実に装飾を効かせた長文を投稿したい場合は、「PCで作成し、PCの公式機能で予約する」のが最も安全で確実な方法です。
最後まで読ませる!Xのフォロワー数が伸びる長文ポストのコツ3選
「長文ポストはフォロワーが増える」と聞いて、ただ長い文章をポストするのはNGです。
多くの人は常に時間がなく、価値を感じられない長文ポストは逆効果です。
ここでは、プロが実践している「読まれる長文」の構成テクニックを3つ紹介します。
コツ①:冒頭2行で「さらに表示」をクリックさせる
長文ポストが見られるかどうかは、タイムラインに表示される「冒頭の2行(約140文字以内の見える部分)」で決まります。
ここで「さらに表示」をクリックさせなければ、中身がどれほど良くても存在しないのと同じです。
- ターゲットへの呼びかけ:「◯◯で悩んでいるSNS担当者へ」
- ベネフィットの提示:「この方法を知るだけでインプが10倍になります」
- 逆説:「実は、◯◯は間違いでした」
このように、好奇心を刺激し、「続きを読まないと損をする」と思わせるフックを冒頭に配置してください。
記事タイトルを考える感覚で、最初の2行を作り込みましょう。
コツ②:空白行と箇条書きでリズムを作る
スマホでの閲覧がメインとなるXでは、画面が文字で埋め尽くされないよう「余白」を意識したレイアウトが不可欠です。
具体的には、2〜3行書いたら必ず空白行を挟むように意識してください。また、複数の情報を伝える際は「メリットはAとBとCがあって〜」と文章で繋げるのではなく、改行を活用してリストのように縦に並べるのがポイントです。
こうすることでパッと見の印象が軽くなり、重要な情報が瞬時に伝わるようになります。
文字が詰まった圧迫感のある投稿は、それだけで読者にストレスを与え、即離脱の原因となってしまいます。スクロールする指を止めさせないためにも、徹底して「視覚的な読みやすさ」を追求しましょう。
コツ③:結論を先に述べ、後半に特典や議論を用意する
文章構成は必ず「PREP法(結論→理由→具体例→結論)」を用います。
- 結論:最初に「この記事で言いたいこと」をズバリ言う。
- 理由・具体例:なぜそうなのか、体験談を交えて深掘りする。
- 結び・アクション:最後に「感想を引用で教えてください」「図解を配布します」などのCTA(行動喚起)を置く。
特に後半に「議論の余地」や「特典」を用意すると、読み終わった後のエンゲージメントが格段に増えます。
構成案に悩んだら、AIを使うのも手です。ChatGPTやGrokに壁打ち相手になってもらいましょう。
どっちを使うべき?「長文ポスト」vs「ツリー投稿(リプライ)」vs「Note」

Xには長文以外にも情報を伝える手段があります。それぞれの特性を理解し、目的別に使い分けるのがプロの運用です。
拡散力(インプ)なら「ツリー」、ファン化なら「長文」
Xには長文以外にも情報を伝える手段があります。それぞれの特性を理解し、目的別に使い分けるのがプロの運用です。
投稿形式 特徴 メリット 向いている場面 ツリー投稿(スレッド) 140文字の投稿を
リプライで繋げる形式拡散力が高い
TL上で場所を取り、複数回表示されるチャンスがあるためインプが伸びやすい。・バズを狙いたい時・勢いのある話題・物語形式 長文ポスト 1投稿に情報を凝縮 信頼度が高まる
読者が腰を据えて読むため、深い理解と共感を得やすい。・ノウハウの解説・教育、ファン化・深い議論
基本的には「認知を広げたいならツリー」「信頼を勝ち取りたいなら長文」という使い分けを意識しましょう。
外部記事(Noteなど)へのリンクはインプが下がる傾向がある
「Noteに書いてリンクを貼ればいいのでは?」と思うかもしれませんが、Xのアルゴリズムは「外部サイトへの誘導」を嫌う傾向があります。
- 外部リンク付きポスト:タイムラインでの表示優先度が下げられ、インプレッションが伸びにくいです。
- X内完結(長文・ツリー):ユーザーをX内に留めるため、アルゴリズム優遇を受けやすいです。
Noteはあくまで「アーカイブ(保存場所)」や「超長文の補足資料」として使い、メインの情報発信はX機能内で完結させるのが、現在のSEO(X内検索・表示対策)の定石です。
ケーススタディ:目的別使い分けマトリクス
| 目的 | 推奨形式 | 理由 |
| 新規層への拡散 | ツリー投稿 | インプレッションを取りやすいため |
| 信頼構築・教育 | 長文ポスト | 滞在時間が長く、深く伝わるため |
| 資料配布・リスト | Note/Blog | 検索性が高く、ストック情報に向くため |
これらを組み合わせることで効果的なX運用が実現します。
例えば「長文ポストでノウハウを語り、最後に詳細なNote記事へ誘導する(ただしリンクはリプ欄に貼る)」といったテクニックも有効です。
Xの長文ポストに関するよくある質問(FAQ)

最後に、Xの長文ポストに関するよくある質問にお答えします。気になるだけチェックしてみてください。
Q. 長文ポストは投稿後に編集することは可能ですか?
はい、可能です。X Premiumユーザーであれば、投稿から一定時間内(現在は1時間以内)であれば、投稿済みの長文を編集できます。誤字脱字の修正や、タグの追加などに便利です。
Q. 長文ポストはSEO効果(Google検索)がありますか?
Googleなどの外部検索エンジンへの効果は限定的です。
しかし、X内の検索(キーワード検索)においては有効です。Xで情報収集するユーザーが増えているため、キーワードを適切に散りばめることで、X内検索からの流入が期待できます。
Q. 長文ポストが表示されない・投稿できない原因は?
主な原因は以下の2点です。
- X Premiumに加入していない:無料ユーザーは作成できません。
- アプリ版の制限:アプリ版では一部の装飾や予約投稿がうまく機能しない場合があります。PCブラウザ版で試してみてください。
これらの原因に当てはまっていないか、ご自身のアカウントを確認してみてください。
まとめ:まずは「想い」を乗せた長文でX上の濃いファンを獲得しよう

Xの長文ポストは、ただ文章が長いだけの機能ではありません。あなたの専門性や人柄を、140文字の制約なくフルに表現できる強力な武器です。
まずは、これまで「短くまとめるのが難しい」と感じていたテーマを1つ選び、長文ポストとして作成してみましょう。ツリー投稿とは違った、熱量の高い反応が返ってくるはずです。
株式会社 吉和の森
