不動産投資クラウドファンディング

不動産投資クラウドファンディング 元本割れ

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不動産投資クラウドファンディングは低リスクで投資できますが、元本割れの危険がないとはいえません。
元本割れのリスクを低減させるにはどのようにしたらよいのでしょうか。
この記事は、不動産投資クラウドファンディングで生じる元本割れのリスクと、危険を回避するポイントについて解説します。

不動産投資クラウドファンディングの元本割れとは

不動産投資クラウドファンディングの元本割れとは

低リスクといわれる不動産投資クラウドファンディングですが、リスクはゼロではありません。他の金融商品と同様、元本割れのリスクはつきものです。
不動産投資クラウドファンディングにおける元本割れについて、解説します。

元本割れの定義

元本割れは、投資にあてた金額よりも運用後に戻ってくる金額が下がることをいいます。不動産投資では、物件が想定よりも安く売却された際に起こります。
元本割れが起こる原因は、主に金融危機や物価の下落などです。不動産相場の急激な暴落や、クラウドファンディングサイトの運営業者の経営不振も原因に当たります。
不動産投資の場合、投資の対象となる物件が予想よりも安価で売れると出資金の満額償還ができず、元本割れが起こります。
不動産投資クラウドファンディングは、通常出資金元本の保障はされません。担保で保全の強化はされていても、元本割れのリスクは常についてきます。

元本割れを回避するための制度「劣後出資制度」

劣後出資制度は、資産の運用時に万が一損失が起きた場合のリスクを抑える仕組みです。
劣後出資制度は、投資家が優先出資者として扱われます。一方、クラウドファンディング事業者は劣後出資者として扱われるのです。
通常、利益があるときは投資家・事業者ともに配分されます。万が一、損失が出たときは事業者の出資金から先に損失が補填されます。事業者が設定している劣後出資の割合を下回らない限り、投資家側で元本割れが生じる可能性は低くなるといえるでしょう。

投資信託とは異なる制度

不動産投資クラウドファンディングは投資信託とは異なります。
不動産投資クラウドファンディングはインターネットを通じてクラウドファンディング事業者に出資して、運用の成果と投資額に応じた利益の分配を受ける投資です。一方投資信託は、投資家が事業者(ファンド)に出資し、運用の専門家が株式の資産に投資・運用をします。

2つの投資の異なる点は、手数料の種類です。不動産投資クラウドファンディングの手数料は入金時と出金時だけ必要です。しかし、投資信託は購入時・運用管理費用・監査報酬・売買委託などがかかります。

また、換金性の面でも違いがあります。投資信託は必要に応じて自由に換金できますが、不動産クラウドファンディングは途中解約ができません。資金を自由に換金したい場合は、投資信託のほうがよいでしょう。

元本割れ以外のリスクもある

不動産投資クラウドファンディングには、元本割れ以外にも事業者の倒産や償還の遅延などのリスクがあります。
基本的に不動産クラウドファンディングを運営する事業者は、国の審査を通過しています。問題が起こる可能性は高くはないですが、全くないとはいいきれません。
事業者が倒産した場合は投資した資金がすべて消えてしまいます。事業者の情報を事前に調べて、信用できる業者を選ぶことが重要です。
予定よりも、償還が遅れてしまうケースもあります。遅れても、しっかり償還されれば問題がないように感じるでしょう。しかし、不動産投資クラウドファンディングは途中解約ができません。そのため、予定よりも長い期間資金が動かせないことはリスクです。

不動産投資クラウドファンディングで元本割れの危険を回避するポイント

事前に対策をしておくことで、元本割れのリスクを減らせます。不動産投資クラウドファンディングを行う際に、元本割れを回避するポイントを解説します。

劣後出資制度の割合を確認する

不動産投資クラウドファンディングで元本割れの危険を回避するために、劣後出資制度が導入されている事業者を選びましょう。劣後出資制度を取り入れていれば、損失がでても事業者が優先してリスクを背負います。その分投資家の負担は少なくなるでしょう。
劣後出資の割合は事業者によって異なり、1〜3割が目安です。事業者側の劣後出資割合が高いほど、運用に自信があるともいえます。

利回りの高さに惑わされない

投資をするなら、利回りの高い案件が魅力に感じるものです。しかし、利回りの高い案件は、その分リスクも高くなります。
利回りが高い案件は、リスクを踏まえて分析しましょう。大きな利益が得られる可能性はあるものの、損失の危険も高くなる可能性が出てきます。
また、利回りが高いからといってよい投資案件とは限りません。利回りの高さよりも、安定した収益が得られる物件を選ぶようにしましょう。

分散投資で利益・損失を最小限に抑える

不動産投資クラウドファンディングは、原則として運用期間が終了するまで途中解約ができません。運用中に投資資金を自由に引き出せないため、大きい金額を一つの案件に投資してしまうと、現金が必要になった際に困ってしまいます。
不動産投資クラウドファンディングは、少額からの投資もできます。複数の案件に分散して投資することも可能です。少額の投資を複数件持つことで、1つの案件で損失が出たとしても他の案件でカバーができるでしょう。リスクの分散には最適です。

事業者(ファンド)についてよく調べる

不動産クラウドファンディングを行う際は、事業者の情報もチェックしておくようにしましょう。
事業者が信頼できるかを見極めることで、元割れが起こる可能性を抑えられます。
長く事業を行っていても、過去に元本割れや遅延を起こしているケースがあります。元本割れや配当遅延などを起こしていないか、過去の実績を確認してから利用する事業者を決めるようにしてください。
加えて、運用途中で状況が悪くなるケースもあります。運用中は事業者に全て任せず、自分で確認をすることも重要です。

まとめ

不動産投資クラウドファンディングは、低リスクで利回りも高く安定した投資が望めます。ただし、他の金融商品と同様に、元本割れの危険は常にあります。
投資をする際は、劣後出資制度の有無・事業者の実績の確認・分散投資の対策をすることでリスクの低減が可能です。事前にできる対策をしたうえで、投資を行いましょう。