スポーツ推薦は就職で有利になる？就職時のポイントを解説

スポーツ推薦は、スポーツ能力が評価対象になる魅力的な入学方法です。高校時代に打ち込んだスポーツで実績があるのなら、スポーツ推薦を活用した進学もおすすめです。そんなスポーツ推薦を活かすのなら、将来の就職について考えておくこともポイントです。

本記事ではスポーツ推薦からの就職にどのようなメリットがあるのか、どんな点を注意すべきなのか解説します。スポーツ推薦を検討している人は、ぜひこの機会にその後の就職についても考えてみてください。

スポーツ推薦は就職でメリットがある？

スポーツ推薦での入学は、大学に能力を高く評価された結果だと言えます。そのためスポーツ推薦で入学することには多くのメリットがあり、それは就職時にも影響する可能性があります。以下では、スポーツ推薦で入学した場合の就職におけるメリットを解説します。

「スポーツ推薦＝就職しやすい」わけではない

スポーツ推薦には多くのメリットがありますが、必ずしも就職によい影響があるとは限りません。「スポーツ推薦だから優先して採用される」といったケースは少なく、就職時には平等に扱われることがほとんどです。そのため、「スポーツ推薦＝就職しやすい」という図式にはならない点には注意が必要です。

それでもスポーツ推薦は就職時のメリットが多い

スポーツ推薦という事実が、そのまま就職時のメリットにつながるとは限りません。しかし、それでもスポーツ推薦を獲得した事実は、就職でメリットになる可能性があります。

ただ「スポーツ推薦をもらった」という点を押し出すのではなく、「スポーツ推薦をもらった結果、何を得たのか」を説明することが、就職を有利に運びます。スポーツ推薦という特別な枠での入学をアピールポイントにするのなら、学習したことや獲得したことを積極的に強調するのがコツです。

スポーツ推薦からの就職にメリットがある理由

スポーツ推薦で入学した結果は、就職時にさまざまなメリットを与えます。具体的な理由を把握しておくことで、就職時のアピール要素を探しやすくなるでしょう。以下では、スポーツ推薦からの就職時に考えられるメリットを解説します。

ほかの人にはない体験ができる

スポーツ推薦で入学した人は、ほかの人とは違う体験ができるケースが多いです。部活で最初から先輩たちの練習に入れたり、レギュラーとして積極的に試合で使ってもらえたりといった、スポーツ面でのメリットは多数あるでしょう。

一方で、スポーツ推薦ならではのプレッシャーに悩んだり、辛い現実に当たったりといったことも、経験する可能性があります。良いことも悪いことも含めて、それぞれの体験を通じて何かを学べるため、就職時に話せるエピソードが増えるでしょう。結果的に採用担当者の興味を惹き、就職につながるきっかけになる可能性があります。

スポーツ推薦で入学したことが自信につながる

「スポーツ推薦で入学した」という事実は、自信につながることもあります。スポーツでの努力が実った1つの形になるため、自分のアイデンティティになることもあるでしょう。自信やアイデンティティを持つことは、就職時の大切な要素です。自信のない人は就職面接でよい結果を出せず、落ちる可能性が高まります。

就職がうまくいかないと、「自分はだめだ」と落ち込んでしまい、さらに就職が遠のく負のループに陥る可能性があります。就職活動の際には自信を持つことを意識して、自分の魅力を伝えることがポイントです。

先輩とのつながりで就職が有利になることも

スポーツ推薦で入学する場合、部活に入ることが前提条件となります。そのため先輩とのつながりが生まれやすく、就職時に多くのアドバイスをもらえるメリットがあります。体育会系ならではのつながりの強さは、就職の際にも役立ちます。

例えば先輩がいる会社の面接時などに、同じ大学と部活出身という点で、話が盛り上がる可能性があります。先輩やOBとのつながりにメリットがある点は、就職時に覚えておくとよいでしょう。

スポーツ体験がメンタルを鍛える

スポーツ推薦で部活に入ると、ハイレベルな練習で能力を高められます。それは肉体を鍛えるだけでなく、メンタルを成長させることにもつながります。強いメンタルは就職活動において、重要な動力源となります。就職活動は長期間行われるうえ、なかなか内定が出ないと不安に襲われることもあります。

そのためどんなときも平常で自信を持てる強いメンタルが、現代の就職活動では必要とされています。スポーツ推薦での入学後に体験できる部活動を通して、メンタルを鍛えやすい点もまた、1つのメリットになるでしょう。

部活動でコミュニケーション能力が伸ばせる

運動部の活動では、コミュニケーション能力を伸ばせる機会も多いです。特にチームプレイが主体となるスポーツの場合、自然とコミュニケーションを取れるため、人付き合いが苦手な人も性格が変わる可能性があります。

個人競技のスポーツでも、試合の外では多くの人たちと交流することになるため、コミュニケーションが欠かせません。そのためスポーツ全般の部活動で、コミュニケーションが鍛えられるでしょう。コミュニケーション能力は、面接官との会話やインターンシップなどで、重要な指標として扱われます。

そのため自然とコミュニケーションが磨かれる環境にいられる点もまた、メリットになり得ます。

スポーツ推薦が評価されるケースもある

就職先の評価方法によっては、「スポーツ推薦を獲得したこと」そのものが、就職時に加点となる可能性があります。「スポーツ推薦で入学できるだけの努力ができる」「入学後もプレッシャーに負けずに部活をやり遂げた」といった点が評価され、就職が叶うケースもあり得ます。

スポーツ推薦で採用した人材が優秀だった企業などは、その後も同じ境遇の人を選びやすい可能性があります。事前に評価内容を調査するのは難しいですが、就職支援の担当者や先輩などの話を頼りに、スポーツ推薦が有利に働く企業を確認するのも1つの方法です。

スポーツ推薦で入学した場合の就職活動のポイント

スポーツ推薦で入学した場合には、就職活動で実行すべきいくつかのポイントがあります。事前にアピールポイントを確認し、就職活動に活かせるように準備するのもおすすめです。以下では、スポーツ推薦での入学後に、就職活動で意識すべきポイントを解説します。

スポーツ推薦で体験したことを伝える

スポーツ推薦で入学した大学から就職する場合、「スポーツ推薦によって得たこと」を丁寧に伝えるのがポイントです。スポーツ推薦での入学によってどんなことを経験したのか、どんな壁にぶつかってどのように解決したのかといった点は、就職活動におけるアピールポイントになります。

スポーツ推薦ならではの体験を話すことで、オリジナリティの高いエピソードを作れるため、ほかの応募者との差別化にもつながります。スポーツ推薦で体験したことと、そこから得たことを伝えられるように、事前に話を作っておくのがおすすめです。

志望理由には具体的なエピソードを添える

就職活動の際には、志望理由が重要です。どれだけ華々しい経歴があっても、企業への志望理由が曖昧だと、意欲がないと判断されて落ちる可能性が高まります。そのため志望理由は、時間をかけて考るのがポイントです。また、志望理由を話す際には、具体的なエピソードを添えるのもコツです。

スポーツ推薦で入学したときのことや、その後の部活での体験などを軸に、エピソードを構築してみましょう。構築したエピソードは周囲の人に1度聞いてもらい、不自然な点がないか確認するのも重要です。

就職後にどんな活躍ができるのか明確にする

就職活動では、就職してからその企業でどんな活躍ができるのか明確にするのもポイントです。「〇〇ができるため、御社で活躍できます」「〇〇の事業に興味があり、自分の素質を活かしたいと考えています」「〇〇の経験を活かして、事業をサポートしたいと思います」など、具体的な活躍について語ることが大切です。

スポーツ推薦とその後部活で活躍した実績がある人は、そのことを交えて就職後の活躍方法につなげるのがおすすめです。

基本的な就職対策も実践する

スポーツ推薦で入学したことも、基本的な就職対策は欠かせません。業界や企業情報の収集、OB・OGの訪問、自己分析、インターンシップへの参加、就活経験者の話を聞くなど、さまざまな対策が考えられます。これらの就職対策は、スポーツ推薦に関わらず実践すべきものです。

基礎が疎かになっていると、スポーツ推薦というメリットを活かせない可能性があるため、きちんと対策には時間をかけましょう。

スポーツ推薦にこだわらないことも大切

スポーツ推薦と志望する企業に関連性が見出せない場合、無理にこだわらないことも1つのポイントです。スポーツ推薦以外にも、自己アピールにつながる要素があるのなら、そちらを優先して活用するのがおすすめです。

無理にスポーツ推薦の経験を活かそうとすると、チグハグな志望理由になったり、就職面接が噛み合わなくなったりする可能性があります。スポーツ推薦から1度離れて、客観的に自分の魅力を見つめ直すことも、就職活動では重要となります。

スポーツ推薦の経験を活かして就職する際の注意点

スポーツ推薦を活用して就職活動をする際には、いくつかの注意点があります。事前に注意すべきポイントを確認し、対策や回避方法を理解しておくのも重要なプロセスです。以下では、スポーツ推薦を活かした就職活動における注意点を解説します。

就職の目標を明確にする

まずは就職の目標を明確にして、「どんな業界・業種で働きたいのか」「どんな仕事をしたいのか」を考えます。目標が明確になると、学ぶべきことや必要なスキルが見えてくるため、優先度の高い準備から着手できます。効率良く就職活動を進展させるきっかけになるため、就職時には目標を決めて可視化するのがコツです。

スポーツ推薦での経験を活かすためにも、就職の目標設定は重要です、就職先の業界・業種が曖昧だと、スポーツ推薦の経験を使ったエピソードの組み立てなどができません。

スケジュール管理を適切に行う

スポーツ推薦で入学した場合、就職活動のスケジュール管理は適切に行う必要があります。部活が忙しいとなかなか就職活動に身が入らず、気づいたときには周囲に遅れをとっていたという事態にもなりかねません。部活をしながら少しずつ企業情報を集めたり、面接対策をしたりして、準備を進めておくことがポイントです。

上手くいかないときは周囲に頼る

就職活動が上手くいかないときには、周囲に頼るのも1つの方法です。周囲からのアドバイスを参考にしたり、実体験を軸に自分の行動に活かしたりすることで、活路が見出せる可能性もあります。行き詰まったときには1度立ち止まり、頼りになる大人や同級生に話をしてみるとよいでしょう。

ときにはSNSなどのネットを頼りにすることで、有益な情報を得られることもあります。スマートフォンから簡単にアクセスできるので、ネット情報もこまめにチェックすることが現代の就職活動のポイントです。

就職前には情報収集が重要

就職活動をする際には、情報収集が欠かせません。あらゆる情報を収集し、それを自分のなかで分析することが、就職を叶える第一歩になるでしょう。

スポーツ推薦での進学を目指すのなら早めに就職について考えておく

スポーツ推薦による進学を目指すのなら、早いうちに就職についても考えておくことが重要です。スポーツ推薦で入学すると、大学時代の多くを部活動に費やすことになります。そのため状況次第では、じっくりと就職について考える時間が作れない可能性もあり得ます。

そのためスポーツ推薦を志望する段階から、ある程度将来の方向性を決めておき、必要な準備を進めるのがおすすめです。「スポーツ関連の職業に就きたい」といった簡単な目標でも、それを指針にして就職活動を進められます。

スポーツ推薦に関する情報収集は徹底的に行う

スポーツ推薦を目指すのなら、「スポーツ推薦に関する情報収集」も徹底的に行う必要があります。スポーツ推薦の詳細は学校ごとに異なるため、自分の環境や実績に合わせて進路を選択しなければなりません。

ギリギリになってから情報収集を始めると、募集期限が過ぎてしまったり、もっとよい条件の推薦を逃したりといった可能性が出てきます。そのためスポーツ推薦を受ける際にも、早めの情報収集と準備が必要だと考えられます。

まとめ

スポーツ推薦での入学は、ときに就職活動を有利に運ぶ理由になります。スポーツ推薦で体験できることの多くが、就職活動におけるメリットになり得るため、上手く活用できればスムーズな就職が叶えられるでしょう。一方で、「スポーツ推薦＝就職しやすい」となるほど、簡単な話ではありません。

スポーツ推薦特有のメリットや注意点を把握したうえで、適切な準備を整えることが、就職活動を成功させるコツになるでしょう。就職活動では、情報収集も重要なプロセスになります。

業界や企業情報を集めて分析したり、自己分析を通して最適な職場を見出したりすることが、結果的に理想の就職を実現するきっかけになるでしょう。スポーツ推薦を受ける際にも、情報収集の重要性は変わりません。進路を決めるためにも、スポーツ推薦に関するあらゆる情報を集めて、行動に移る準備をするのがポイントです。