スポーツ推薦で大学へ行くと学費はどうなる?費用が半額・免除になる基準や注意点を解説
スポーツ推薦で大学へ行くと学費はどうなる?費用が半額・免除になる基準や注意点を解説
スポーツ推薦は「それぞれの部活において選ばれたプレイヤーの特権」のイメージがあり、倍率の高い難関大学にも入りやすいイメージが定着しています。しかし、学費面となると「スポーツ推薦でも大学によっては学費が高いのではないか?」と心配する方は少なくありません。
今回は、スポーツ推薦に関する定義や考え方に加えて、学費に関心がある方がチェックすべき基準や注意点について解説します。スポーツ推薦において、学力やスポーツ面以上に学費について疑問を持つ方はぜひ参考にしてみてください。
目次
スポーツ推薦とは?定義・考え方を解説
スポーツ推薦とは、体育系の部活動で優れた成績を修めた学生に対して設けられている入試の特別枠を指します。各大学では、学業の成績や偏差値ではなく、個人のスポーツの実績や将来性によって入学を許可する制度が設けられています。
スポーツ推薦で大学へ入学できた場合、学費が半額〜免除となるケースが多いだけでなく、数々のプロ選手を排出してきた部活で優秀なコーチからの指導を受けられます。
『令和5年度文化・スポーツ等特別推薦実施校の選抜方法等一覧』では、スポーツ推薦について以下の要求事項等が記載されています。
- 運動能力に優れ、東京都大会レベルの実力のある者
- 本校の部活動に所属して、活動を3年間継続するとともに、 本校における学習活動と両立することができる者
- 礼儀・規律を守ることができる者
スポーツ推薦における大学の学費が半額・免除になりやすい基準とは?
スポーツ推薦で大学の学費を安くしてもらえる学生には、明確な共通点はないものの、部活動に加えて内申点の高さや印象の良さが挙げられます。スポーツ推薦を通して学費を半額・免除の状態で大学へ行きたい方は、自分にも当てはまる条件がないか見てみましょう。
スポーツで目に見える結果を残している
スポーツ推薦における大学の学費を安くするためには、まず部活動で目に見える結果を残している必要があります。部活動で目に見える結果の種類は、ポジションの経験と具体的な数字の2種類です。
ポジションの経験では、キャプテンや副キャプテンなどチームをまとめる役を担っていた方や、サッカーのゴールキーパーなど重要なポジションを担った方が評価されやすくなっています。
具体的な数字の場合、高校野球において対外試合で打ったホームランの数や、陸上競技において叩き出したタイムや数値などが評価に直結する指標です。
内申点が高い
内申点の正式名称は評定で、各学期において教科ごとに通知される1〜5までの評価を足した数値を指します。内申点は、在籍する高校から志願する大学へ応募書類を提出する際に重要な評価指標です。
大学受験は高校入学時とは異なり、一般入試の場合、内申点よりもセンター試験の判定や試験結果が重要視される傾向があります。しかしスポーツ推薦の場合、入試の分類が「学校推薦型選抜」となるので、部活動における功績に加えて内申点の高さが必要不可欠です。
メディアやプロのスカウトから注目されている
プロのスカウトによる取材や、メディアでのニュース掲載記録も、スポーツ推薦に繋がりやすい基準の一つです。オンラインニュースへの掲載歴や、レギュラーとして出場した試合がテレビで放映された記録がある場合、スポーツ推薦枠に選ばれる可能性はグッと高まります。
学校のイベントで印象深い活躍をしている
部活動における成果や学校の知名度・印象アップに加えて、体育祭や生徒会など学校のイベントでの活躍も、スポーツ推薦で選ばれる際の基準です。体育祭における応援団や実行委員の経験や、生徒会に携わった実績のある生徒の場合、内申点も上がりやすくなり、部活動の結果次第でスポーツ推薦に選ばれやすくなります。
教師からの評判が良い
スポーツ推薦で大学に進学するためには、教師からの評判の良さも欠かせません。最低限の素行やマナーを守りつつ、学業における大きな支障もない場合、部活動におけるパフォーマンス次第でスポーツ推薦枠に選ばれる可能性も高まります。
スポーツ推薦ではスポーツにおける成績だけではなく、今後の伸び代も判断基準の一つになるので、指導者からの評判が良いことは大きな加点となります。
スポーツ推薦での大学入学における学費面のメリット
スポーツ推薦における大学入学には、難関大学への進学や就職活動における優位性など、学費面においてもさまざまなメリットがあります。下記では、スポーツ推薦の学費面におけるメリットをそれぞれ解説していきます。
学費が高い私立大学に入れる手段となる
スポーツ推薦による私立大学への入学では、学費が高い大学に入学することができる可能性が高まります。私立大学は国公立大学に比べて学費が高いため、家庭の事情によっては進学先を変更したり、奨学金制度を活用したりすることもあります。
スポーツ推薦による私立大学への入学では、学校によって基準は異なりますが、学費が半額から全額免除されることもあります。
難関大学に入れる可能性がある
スポーツ推薦のメリットの一つは、偏差値の高い難関大学に入学する可能性が高まることです。一部の難関大学では、部活動においても全国レベルの選手を揃え、優れた成績を修めることを求めています。
各大学は、部活動のメンバーを選ぶ際に、学校の成績だけでなく、スポーツの実績や将来性も考慮し、スポーツ推薦枠を利用して選手を集めています。
プロを目指せる可能性が高まる
スポーツ推薦の場合、一般入試に比べてプロを目指せるチャンスが沢山あります。スポーツ推薦において入学した学生は、プロになる可能性を秘めている逸材として認められており、大学側からも学業以上に部活動面での状況に注目されるのが特徴です。
数多くのプロ選手を輩出している部活の場合、現役時代に選手としての実績を持つ優秀な監督やコーチだけでなく、共に切磋琢磨する優秀なメンバーと出会えます。
就職活動に役立ちやすい
スポーツ推薦を通して大学へ進学した場合、部活動にしっかり打ち込んでいれば就職活動におけるアピールポイントにもなります。大手商社や証券会社など、学力と同様に体育会系の部活動における経験に加えて、体力や根性が重要視されているポジションは少なくありません。
スポーツ推薦で大学に入学した学生は、結果的にプロになれなかったとしても、就職活動時に4年間の部活動におけるパフォーマンスが評価されやすくなる傾向があります。
スポーツ推薦における大学学費の注意点
以下では、スポーツ推薦における大学の学費についての注意点を解説します。授業料や金銭面における支援の考え方について疑問がある方は、スポーツ推薦における学費面の情報を事前知識としてしっかり押さえておきましょう。
授業料が全額免除になるとは限らない
スポーツ推薦で大学に入学した場合でも、必ずしも学費が全額免除されるとは限りません。学費の免除には、各大学が設定した基準や条件を満たす必要があります。そのため、金銭面で不安がある場合は、事前に学費免除の基準や条件を調べておくことが重要です。
自分がどの程度の免除を受けられるのかを事前に把握することで、経済的な不安を軽減することができます。
退部すると援助が打ち切りになることもある
スポーツ推薦で大学に進学した場合、部活動をやめると援助が打ち切りになる大学もあるので注意しましょう。部活動をやめてしまうと、スポーツ推薦ではなく一般入試の学生として扱われるようになるケースが大半を占めています。
部活動をやめる際には、事前に学費面の援助における状況の変化を把握する必要があります。
大学が定める基準をクリアし続ける必要がある
スポーツ推薦における学費の援助を受ける場合、部活動において大学が指定している基準を毎年クリアし続ける必要があります。スポーツ推薦の学生に対する部活面の基準については、学校や部活によって異なるものの、以下の方面における事項が含まれるのが一般的です。
- 部活動における参加率
- スポーツの個人成績
- 学業における単位の取得・進級状況
大学がそれぞれの部活動におけるスポーツ推薦の学生に対して定めている基準をクリアできなかった場合、援助打ち切りの原因となるので適宜チェックする必要があります。
怪我やメンタルの不調に気をつける
スポーツ推薦で大学へ入学し、部活動に打ち込む場合、思わぬ怪我やメンタルの不調に気をつけましょう。部活動において怪我をした影響で、従来のパフォーマンスが出せなくなると、大学が定める基準をクリアできなくなり、今後の待遇に影響する可能性もあります。
また体の怪我だけでなく、メンタル面における不調も部活動におけるモチベーションや実績に影響を与えやすいので、無理をしすぎないよう自分なりの定期的なケアが必要です。
スポーツ推薦における大学学費以外の注意点
スポーツ推薦における注意点は、学費面だけに止まりません。学業や将来など、さまざまな方面における注意点を解説しますので、一度目を通しておきましょう。
プロになる場合・就職活動する場合の2パターンを考える
スポーツ推薦で大学へ進学した場合、プロを目指すルートと、一般企業への就職ルートの2種類を同時に考える必要があります。スポーツ推薦で部活を続けている学生でも、プロになれるかどうかは各チームにおける首脳陣の判断や、スポーツ界の状況によって変わります。
プロのチームやメディアに注目され、直接的なスカウトがない限り、部活を続けながら一般企業への就職も同時に考慮し、4年生になって慌てないよう準備するのが大切です。
学業についていけないリスクもある
スポーツ推薦で偏差値の高い大学へ入学した場合、学業についていけなくなるケースは珍しくありません。たとえ部活動で優秀な成績を残し、大会での結果に貢献していても、学業面においての落単や留年が続きすぎると、援助の打ち切りどころか退学になりかねません。
スポーツ推薦で難関大学に入学したあとは、学業面において最低限満たしておかなければならない単位や成績について、大学の関係者やOBから積極的に情報を収集しましょう。
学費だけでなく生活費も考慮する必要がある
スポーツ推薦で大学に進学する場合、学費だけでなく生活費も考慮する必要があります。スポーツ推薦の場合、学費に関しては優遇措置が多いですが、練習や対外試合のスケジュールや部活動の規則により、アルバイトが制限されることがあります。
大学入学後、スポーツ推薦で部活動に参加していると、バイトの時間が取れなくなり、生活費のやりくりに困ることがあるかもしれません。そんなときは、家族に相談することを考えてみましょう。また、大学の奨学金制度を利用することも一つの選択肢です。
学費以外はスポーツ推薦=特別扱いではないケースが多い
スポーツ推薦は学費面で優遇されがちですが、それ以外の分野が全て部活動と同様に特別扱いではないケースがほとんどです。文武両道を求められる学校では、部活動における功績に加えて単位の取得状況や素行も見られるので、特別扱いされていると考えず謙虚に学業、部活に取り組みましょう。
やるべきことを見失わずスポーツに取り組む
スポーツ推薦で大学へ進学したあとは、さまざまな誘惑により自分を見失うことなく、部活動に真剣に取り組むことが求められます。さまざまな誘惑が多い時期だからこそ、スポーツ推薦という特別枠で大学へ入学したことを初心として頭に入れておき、目標へ向かって謙虚にスポーツに取り組んでくださいね。
スポーツ推薦における大学の学費は一般入試に比べて安い!将来を考えて悔いのない選択をしよう
スポーツ推薦における大学の学費は、一般入試に比べて半額ほどになることが一般的であり、場合によっては全額免除になることもあります。しかし、スポーツ推薦の学生は学費の優遇措置を受ける一方で、部活動や学業の成績に対しては厳しい目が向けられることがあります。
大学の定める基準をクリアし続け、プロのスポーツ選手を目指して努力するためにも、スポーツ推薦における学費や行動面のポイントをしっかり押さえておきましょう。スポーツ推薦における情報をもっと知りたい方、学費面における疑問のある方は「スポーツ推薦ドットコム」を通して、大学ごとの詳細を調べてみてくださいね。
株式会社吉和の森 代表取締役
青森県八戸市出身。2019年11月、ライフワークとしてデジタル・マーケティングに携わり、人の役に立ちたいたいと思い起業。さまざまな業態・業種の事業案件を手掛けている。コンテンツ立ち上げ後の集客や運用、コンテンツを持っている事業者との「アライアンス業務」、「Webを使った集客」を強みとするウェブ解析士マスター、チーフSNSマネージャー、提案型ウェブアナリスト。
著書:日本一詳しいWeb集客術「デジタル・マーケティング超入門」(https://amzn.asia/d/4fMhaK8)
株式会社吉和の森:https://yoshikazunomori.com/