スポーツ推薦のデメリットとは?知っておくべきポイントと対策方法を解説
スポーツ推薦のデメリットとは?知っておくべきポイントと対策方法を解説
スポーツ推薦は部活動で優秀な成績、印象的な活躍を残した学生が更なる成長を志すための入学手段である一方、一般入試とは異なるさまざまなデメリットが存在します。スポーツ推薦においてデメリットと考えられやすいポイントを事前に把握し、対策方法や考え方を自分なりに決めておきましょう。
今回は、スポーツ推薦においてよくあるデメリットをさまざまな面から解説します。スポーツ推薦で高校や大学に進学するか迷っている方、スポーツ推薦を勧められてそのまま進学してよいのか迷っている方は、ぜひ参考にしてくださいね。
目次
スポーツ推薦とは?仕組みを簡単に解説
スポーツ推薦は、野球やサッカーなど体育系の部活動で優秀な成績を修めた学生向けに設けられている入試の特別枠を指します。学業の成績や偏差値以上に個人のスポーツの功績や将来性が重視され、入学後はそれぞれの部活動における中心選手としての活躍が期待される特別枠です。
スポーツ推薦で大学へ入学すると、学費面における恩恵を受けつつ、優秀なコーチや強力なチームメイトと切磋琢磨し、試合や個人成績の面で結果を出すことが求められます。
『令和5年度文化・スポーツ等特別推薦実施校の選抜方法等一覧』では、スポーツ推薦について以下の要求事項等が記載されています。
- サッカーの技術・能力に優れ、中学校3年間又はクラブチームに所属して活躍した者
- 学業と部活動を両立するとともに、学校生活全般でリーダー として力を発揮しようとする意志があり、また、他の生徒の模範となる者
- 本校への入学を強く希望し、入学後バスケットボール部を 3年間継続するとともに本校における学業と両立できる者
スポーツ推薦でよくあるデメリット(部活)
まずは、スポーツ推薦での入学後によくある部活面でのデメリットを解説します。それぞれのデメリットは、部活における強豪中学校の特徴に共通する点が多いものの、考えるべきポイントには明確な違いがあります。一度目を通しておきましょう。
練習やレギュラー争いが激しい
スポーツ推薦が行われている部活動は、基本的に練習やレギュラー争いが厳しいです。学校によっては、野球やサッカーなど10人前後のレギュラー枠、20人前後のベンチ入り枠を1学年50〜100人近く、全体で300〜400人で争うことになります。
スポーツ推薦の場合、レギュラーの競争率の高さだけでなく、朝から夜まで続く練習に加えて、厳しいトレーニングや食事制限を求められることが多いです。
モチベーションを卒業まで保つのが難しい
スポーツ推薦で高校や大学に入学した場合、懸念点となるのがモチベーションの長期的な維持です。入学当初は「やってやるぞ!」と張り切っていても、練習のきつさや周りと比べた際の自己肯定感の低下により、途中で部活動をやめたくなる方も一定数存在します。
せっかくスポーツ推薦で高校や大学へ入学できても、部活動をやめてしまうと一般入試の学生扱いとなり、学費における優遇制度も打ち切られるので注意が必要です。
部活の期間が想像以上に長いこともある
スポーツ推薦に力を入れている部活の場合、練習時間だけでなく入部から引退までの期間が長いパターンも珍しくありません。一部の学校や部活動の場合、大会のスケジュールにより3年生の秋まで対外試合が続くケースもあります。
部活動引退までの時間が長い場合、受験勉強や就活へ専念する時期が周りに比べて遅れてしまうことは避けられません。
休みが取りづらい
スポーツ推薦の生徒が集まっている部活動は、練習や試合の時間が長く、スケジュールが過密になりがちです。スポーツ推薦制度のある体育会系の部活では、私用による休みが取りにくい雰囲気であることが多く、部内の雰囲気もピリピリしている可能性が高くなります。
スポーツ推薦で大学へ入学し、強豪の部活に入った場合、入部から引退までは他の事に打ち込む時間はほぼないと考えておきましょう。普段休みが取れない強豪校の部活動でも、年末年始やお盆休みは基本的にまとまった時間が取れるので、普段なかなか会えない家族や友人とのひと時を楽しめます。
スポーツ推薦でよくあるデメリット(部活以外)
続いて、スポーツ推薦でよくある部活以外のデメリットを解説します。たとえスポーツ推薦で入学した場合でも、ひとりの学生である以上、学業やお金に関する課題に向き合い、解決策を考えることが必要です。それぞれのデメリットにおいて、よくあるパターンや対策方法を解説します。
偏差値によっては勉強についていけなくなる
スポーツ推薦で偏差値の高い高校や大学に入った場合、勉強についていけなくなるリスクが高まります。たとえ部活動が順調でも、あまりにも成績が悪かったり、落単が多すぎたりすると留年や内申点の低下に繋がるので、入学前に学業の問題はないかしっかり考えましょう。
落単や留年がない場合でも、学校の卒業テストに落ちてしまうと、大学のスポーツ推薦枠や就職活動における内定の取り消しの原因となるので注意が必要です。
バイトが禁止されている学校が多い
スポーツ推薦制度のある学校は、バイトが禁止されている可能性が高いです。バイトが禁止されている学校の場合、部活動に加えて普段の生活費をやりくりする必要があるので、金銭面について事前に親と話し合っておく必要があります。
さらにスポーツ推薦の学生は、部活動の過密なスケジュールに加えて学業をこなす必要があるので、アルバイトをする時間は基本的にほとんどありません。スポーツ推薦で入学したあとの生活費における不安がある方は、単発バイトや在宅でできる副業を始めるのも良い選択肢です。
学費が想像以上に高い可能性がある
スポーツ推薦の学生は学費において優遇されやすい反面、学校によってそもそもの金額自体が高いパターンも珍しくありません。特に一部の私立大学は、国公立大学に比べて年間おおよそ3〜4倍の学費がかかります。
「スポーツ推薦で学費が半額になると知っていたけど、半分になっても想像以上に高かった」とならないよう、入学を決める前に金額面をしっかりチェックしましょう。
周りから特別扱いされやすい
スポーツ推薦の学生は、周りからさまざまな面において特別扱いされやすい傾向があります。世間では「スポーツ推薦はモテる」「スポーツ推薦は単位を取りやすい」というイメージが強く、周りからもチヤホヤされやすいのが事実です。
スポーツ推薦における優遇や特別扱いに加えて、趣味や恋愛など誘惑が多い学生生活でも、しっかり芯を持ってスポーツや学業に取り組むことを心がけましょう。無理して取り組みすぎると、怪我やメンタルの不調を招く原因にもなるので、部活や学業に加えて、休息や趣味の時間など自分なりにメリハリをつけることが大切です
スポーツ推薦には以下のメリットもある
スポーツ推薦は部活の厳しさに加えて、学業や生活におけるデメリットもある反面、メリットも多数存在します。スポーツ推薦ならではのメリットについて事前に把握し、部活を続けるうえで良さを発揮できるかを考える基準にしましょう。
難関高校・大学に入りやすくなる
スポーツ推薦の場合、一般入試では倍率や偏差値の高い難関高校・大学に入りやすいのが大きなメリットです。一般入試における倍率や偏差値が高い学校でも、スポーツ推薦制度を活用すると、特待生として入学できる可能性が高まります。
学歴における肩書きも手に入れた場合、大学受験や就職活動においても有利になるので、スポーツを通して難関の高校や大学を目指す価値は多いにあるのです。
学費が免除〜半額になる可能性がある
スポーツ推薦で高校や大学に進学した場合、学費が免除になったり、半額ほどに安くなったりするケースもあります。スポーツ推薦は部活動の功績に加えて、内申点や教師の評判が重要視される分、特待生として大学へ進学すると、学費面における援助を受けやすいのが特徴です。
場合によっては学費面においての恩恵を受けられるので、学費の高さが原因で強豪校で部活を続けるのを諦めるか迷っている方は是非活用するべき制度となっています。
内申点が上がりやすい
スポーツ推薦で高校や大学へ進学し、文武両道で部活動に打ち込んでいる場合、内申点が上がりやすくなるのも事実です。スポーツ推薦の特待生として部活に打ち込みつつ、学業においても最低限以上の成績を残している学生の場合、総合的な評価が加味され、内申点が上がりやすくなります。
スポーツ推薦における特待生として内申点を高め、高校だけでなく大学の指定校推薦に選ばれやすくなり、卒業大学次第で大手企業への内定取得率向上にも繋がるのです。
プロスポーツチームの関係者に出会える確率が高まる
スポーツ推薦制度を導入している学校は多くの場合、将来有望な選手を探しているプロのスカウトや関係者に出会える可能性が高まります。スポーツ推薦制度のある学校の部活動は厳しい分レベルも高いので、定期的にプロチームの関係者による訪問や、テレビやメディアの取材が行われる可能性が高いです。
大学や部活によっては、現役のプロ選手やOB選手による指導を受けられるイベントや、プロチームとの練習試合を行えるチャンスが広がりますよ。
スポーツ推薦のデメリットを解決するための方法3選!
ここからは、スポーツ推薦のデメリット解決に向けた具体的な方法を解説します。どの方法が良いかは、部活における状況だけでなく、学業や将来についての考え方によって変わります。まずは一度目を通しておきましょう。
進学に迷ったら親に相談する
スポーツ推薦で高校や大学に進学するか迷ったら、まずは親に相談しましょう。進学先に迷ったときは、学費を払ってくれる家族に相談し、人生の先輩としての意見を取り入れるのが大切です。
お子さんがスポーツ推薦で進学するか迷っており、助言を考えている親の皆さんは、積極的なコミュニケーションを通して、双方の理想と現状を照らし合わせましょう。学費面や生活面におけるお金の問題が厳しい場合は、プロの選手を輩出している国公立の学校や、部活が忙しい学生向けの奨学金制度について調べてみると良いですよ。
学費について事前にリサーチする
スポーツ推薦における学費の変動は、多くの学校において共通部分があるものの、完全に同じとなるパターンは存在しません。スポーツ推薦は、入学時だけでなく卒業までの数年間における部活動でのパフォーマンスにより、学費の優遇や援助における状況が途中で変わるパターンもあります。
そして私立の学校の場合、スポーツ推薦による学費面の援助を受けたうえでも、国公立の学校における学費よりも出費が多いパターンは珍しくありません。スポーツ推薦の学費については、一校ごとに事前にリサーチしましょう。
学業との両立を心がける
スポーツ推薦と言えど、1人の学生であることに変わりはありません。部活動に全力で打ち込むと同時に、学業を疎かにしないよう心がけましょう。スポーツ推薦により入学した学生の場合、学業面を一般入試の学生に比べて多少多めに見られるパターンは珍しくありません。
しかし、スポーツ推薦として入学した場合でも、決して自分は特別と思い込んで学業を疎かにせず、できる限りの文武両道を求めて努力することが大切です。
将来の目標を定期的に考えて記録する
スポーツ推薦で高校や大学に進学したあとは、定期的に自分の現状と将来の目標を定期的に照らし合わせて記録し、行動方針を考える習慣をつけましょう。きつい練習や過密なスケジュールをこなす中で、自分のモチベーションを保ち続けるのは決して簡単ではない分、目標を達成したときの喜びは計り知れないものです。
スポーツ推薦を通して部活動を続けていくうえで、目標を見失わず、定期的に現状を見つめて行動方針を立てる習慣をつけておくと、将来にも必ず役立ちます。
スポーツ推薦には良いところも多い!デメリットを解決する方法・対策をしっかり考えておこう
スポーツ推薦は、部活動におけるきつい練習や過密スケジュールに加えて、学業における大変さや学費面における問題がデメリットとして挙げられます。しかし、スポーツ推薦には難関大学へのチャレンジや学費面における優遇など、部活動を頑張った方にのみ与えられる特権とも言えるメリットが多いのも事実です。
スポーツ推薦で高校や大学へ進むことを考えている方、お子さんの進学においてスポーツ推薦枠を活用するか迷っている方は、事前に学校ごとの情報収集を行いましょう。情報収集がある程度終わったら、スポーツ推薦においてデメリットとなりそうな項目を親子で話し合い、対策方法を考えることで、問題の回避や臨機応変な対応へ繋がりますよ。
スポーツ推薦における情報をさらに知りたい方は「スポーツ推薦ドットコム」で各大学の推薦情報を調べてみてくださいね。
株式会社吉和の森 代表取締役
青森県八戸市出身。2019年11月、ライフワークとしてデジタル・マーケティングに携わり、人の役に立ちたいたいと思い起業。さまざまな業態・業種の事業案件を手掛けている。コンテンツ立ち上げ後の集客や運用、コンテンツを持っている事業者との「アライアンス業務」、「Webを使った集客」を強みとするウェブ解析士マスター、チーフSNSマネージャー、提案型ウェブアナリスト。
著書:日本一詳しいWeb集客術「デジタル・マーケティング超入門」(https://amzn.asia/d/4fMhaK8)
株式会社吉和の森:https://yoshikazunomori.com/