スポーツ推薦に落ちることはある?倍率の例や対策を解説

スポーツ推薦に落ちることはある?倍率の例や対策を解説

「スポーツ推薦は落ちないって本当?」

「スポーツ推薦で落ちないためにはどうすれば良い?」

 

スポーツ推薦の利用を検討している受験生の中には、上記のような疑問や悩みのある方もいるのではないでしょうか。スポーツ推薦はたしかに倍率が低い入試形態ではありますが、落ちる可能性もあります。一般的に、スポーツ推薦による入試の倍率はおよそ1~1.5倍程度で、どの大学も数名は不合格者が出ることになります。

 

本記事では、大学のスポーツ推薦に落ちる場合の原因と対策について解説します。スポーツ推薦での受験を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。

 



大学のスポーツ推薦に落ちることはある?

大学のスポーツ推薦でも、落ちることはあります。倍率が低く、事前に調整が行われている場合も多いため、合格する可能性が高い入試形態ではありますが、スポーツの実績だけで合格できるわけではありません。

 

ここでは、大学のスポーツ推薦に落ちる可能性について解説します。

 

大学のスポーツ推薦に落ちることはある

スポーツ推薦は倍率が低い入試形態ではありますが、募集定員よりも出願した人数の方が多ければ、落ちる可能性ももちろんあります。人気のある有名大学では、倍率が3倍程度になることもあるため、実績はもちろん試験の成績次第では落ちることもあるでしょう。

 

スポーツの成績以外にも、高校での学力の成績や素行、試験当日の面接や小論文などの結果が考慮されます。

 

学力試験の結果で落ちることは少ない

スポーツ推薦は一般入試とは違い、学力試験はあまり実施されません。基礎的な学力試験が実施される場合もありますが、受験生の点数で順位をつけるためというよりは、最低限の学力の有無をチェックするために行われるものです。そのため、学力試験が実施される場合でも、結果はあまり重視されません。

 

大学の授業についていけるだけの学力がなければ、スポーツ推薦で入学しても卒業に苦労することになってしまうため、自分の学力以上の大学を目指す場合は注意も必要です。

 

面接・小論文の評価次第で落ちることも

大学のスポーツ推薦も入試の一種なので、試験も行われます。スポーツ推薦で実施される試験は面接と小論文が基本で、この2つの評価が著しく低い場合は落ちてしまうリスクもあります。高校の先生と相談し、入念な対策を実施しておきましょう。

 

有名大学のスポーツ推薦の倍率の例

スポーツ推薦の入試倍率は、一般入試や普通推薦に比べれば低くなります。ここでは、以下の4大学について、スポーツ推薦の倍率を紹介します。

 

  • 青山学院大学
  • 中央大学
  • 早稲田大学
  • 立命館大学

 

青山学院大学

青山学院大学には、スポーツの実績を利用して受験可能な「スポーツに優れたものの入学選抜」という試験があります。2024年度の入学者選抜要項によれば、出願に必要なスポーツの実績は主に、「国際大会への出場」「全国大会ベスト8以上」「各都道府県大会・各ブロック大会での有償・準優勝」となっており、他大学に比べて高めの実績が要求されます。

 

参考:2024年度 スポーツに優れたものの入学者選抜要項|青山学院大学 入学広報部入試課

 

青山学院大学の「スポーツに優れたものの入学選抜」の倍率をチェックしてみましょう。

 

年度

第一次審査志願者

第一次審査合格者

第二次審査志願者

第二次審査合格者

入学者

合格倍率

2023年度

127名

80名

75名

63名

59名

2.02倍

2022年度

134名

88名

84名

70名

70名

1.91倍

 

出典:過去の入学者選抜試験結果・参考データ|青山学院大学

 

青山学院大学の「スポーツに優れた者の入学選抜」では、審査が2回に渡って実施されます。第一次審査志願者数と第二次審査合格者数を元に倍率を算出すると、およそ2倍程度となります。

 

中央大学

中央大学には、「スポーツ推薦入学試験」という試験があります。必要な実績については基本的に、「当該競技における、インターハイ、国体、全国選手権大会、全国高校選抜大会、その他これに相当する国内外の公認の全国大会に出場し、特に優秀な成績を収めた者。」と定められています。

 

出典:2024 年度スポーツ推薦入学試験要項|中央大学

 

年度

募集人員

志願者

合格者

倍率

2023年度

186名

257名

226名

1.14倍

2022年度

186名

256名

225名

1.14倍

2021年度

186名

237名

219名

1.08倍

 

出典:過去の入試データ|中央大学 受験生ナビ

 

志願者数と合格者数を元にすると、中央大学のスポーツ推薦の倍率は例年およそ1.1倍程度となっています。

 

早稲田大学

早稲田大学では、3種類のスポーツ推薦入試が実施されています。最も一般的なのが「総合型選抜Ⅲ群(スポーツ自己推薦入学試験)」で、より能力の優れた学生向けの非公募制入試として「総合型選抜Ⅱ群(アスリート選抜入学試験)」が、国際大会レベルのアスリート向けの「総合型選抜Ⅰ群(トップアスリート入学試験)」があります。

 

参考:入学試験情報|早稲田大学スポーツ科学部

 

総合型選抜Ⅲ群の倍率は以下の通りです。

 

年度

志願者

合格者

実質倍率

2023年度

244名

78名

3.1倍

2022年度

256名

76名

3.4倍

2021年度

216名

55名

3.9倍

 

出典:近年の入試結果|早稲田大学 入学センター

 

倍率は例年3倍を超えており、スポーツ推薦を実施している大学の中ではかなり高めとなっています。

 

立命館大学

立命館大学では、「スポーツ能力に優れたものの特別選抜入学試験」が実施されています。倍率は以下の通りです。

 

年度

志願者数

1次合格者数

最終合格者数

倍率

2023年度

217名

196名

193名

1.12倍

2022年度

218名

196名

192名

1.14倍

2021年度

212名

196名

188名

1.08倍

 

出典:入学試験結果 総合型選抜(AO・文芸・スポーツ選抜)|立命館大学 入試情報サイト

 

立命館大学の倍率はおよそ1.1倍程度です。スポーツ推薦を実施している大学の中では、倍率は比較的低めになっています。

 

スポーツ推薦の難易度は?

スポーツ推薦は、一般入試よりも倍率の低い試験ではありますが、難易度が低いわけではありません。ここでは、スポーツ推薦の難易度について解説します。

 

事前調整が行われているため合格率は高い

スポーツ推薦は「事前調整」が行われることから、一般入試や普通推薦よりも合格率が高い試験と言われています。事前調整とは、誰がどの高校からどの大学に推薦されるのかを事前に決めることで、各大学の指導者間で話し合いが行われます。ほぼ合格が決まっているような状態で出願できるため、他の入試よりも合格率が高くなるのです。

 

一般入試よりは倍率が低いが油断は禁物

スポーツ推薦は、たしかに倍率は低いものの、油断は禁物です。多くの大学で倍率は1~1.5倍程度となっており、早稲田大学のように3倍を超えることもあります。スポーツの実績や評定基準といった出願資格を満たしていたとしても、必ず合格できるわけではありません。

 

「事前調整があるから出願すれば合格できる」と油断せずに、面接や小論文対策にも力を入れる必要があります。

 

実績以外にも評定などが見られる

スポーツ推薦は、スポーツの実績だけで合否が決まる入試ではありません。出願には高校の評定が3.5以上といった条件が設定されているため、スポーツ以外に学力も大切になります。スポーツだけできれば良い、と軽く考えずに、日々の勉強や定期試験対策も必要です。

 

スポーツ推薦に落ちる原因

それでは、スポーツ推薦に落ちてしまう場合、どのような原因が想定できるのでしょうか。出願資格を十分に満たしているにもかかわらず落ちてしまう原因は、主に以下の2つです。

 

  • 試験の準備不足
  • 志望理由書の準備不足

 

試験の準備不足

スポーツ推薦にも試験があります。主に面接と小論文が実施されますが、中には受検者の最低限の学力をチェックするために基礎的な学力試験を実施する大学もあります。一般入試や普通推薦の試験に比べれば、要求される学力のレベルは高くはないものの、まったく対策せずに試験に臨むのは危険です。面接対策・小論文対策が不十分だと、落ちてしまう可能性は否定できません。

 

志望理由書の準備不足

志望理由書の準備不足で落ちてしまう可能性もあります。スポーツ推薦で出願する際は、「志望理由書」という書類を提出しなければなりません。なぜその大学・学部を志望するのかを、自身の経験や興味・関心、実績を元にして記載します。当然、志望理由書をいい加減に書いているようでは、大学側の印象は良くありません。

 

スポーツ推薦に落ちないための対策

それでは、スポーツ推薦に落ちないためにはどのような対策を実施すれば良いのでしょうか。ここでは、以下の2つの対策について解説します。

 

  • 試験対策を入念に行う
  • 普段の授業や生活態度に注意する

 

試験対策を入念に行う

試験対策は入念に実施しましょう。スポーツ推薦の入試は小論文と面接が基本なので、過去問をやりこんだり、実際に面接の練習をしてみたりといった対策が必要です。

 

小論文についてはスポーツに関するテーマが出題されることが多く、「ドーピングの是非」や「スポーツ業界での不祥事」「スポーツを通じた環境保護」など、さまざまです。過去問をチェックし、可能な限り多くのテーマで実際に小論文を書いてみましょう。

 

面接では、主に志望動機や高校での部活動に関する事柄、進学後のキャリアなどについて質問されます。大学が求める人物像に合致しているかどうかを見極めるためだけでなく、適切なコミュニケーションがとれるかどうかを確認する場でもあります。落ち着いて受け答えできるように、面接練習を重ねておきましょう。

 

普段の授業や生活態度に注意する

スポーツ推薦に落ちないためには、普段の授業や生活態度も大切です。評定平均値を高く保つためにも、普段の授業や定期試験で良い成績をとっておくことは損にはなりません。

 

また、スポーツ推薦で受験するには高校からの推薦が必要です。高校からの推薦を得るには、普段の生活態度に注意し、素行不良とみなされないように気を付けておく必要があります。

 

スポーツ推薦に落ちてしまったら?

どれだけ準備をしても、スポーツ推薦に落ちてしまう可能性はゼロではありません。普通推薦が狙える場合もありますが、スポーツ推薦の結果が出てからでは間に合わない可能性があります。スポーツ推薦に落ちてしまった場合は、一般入試に切り替えて対策を考えましょう。

 

落ちてから焦ることのないように、スポーツ推薦対策と並行して受験勉強をきちんと進めておく必要があります。

 

スポーツ推薦についてのよくある質問

最後に、スポーツ推薦についてのよくある質問を紹介します。

 

スポーツ推薦にはどのくらいの実績が必要ですか?

スポーツ推薦に必要な実績は大学によってさまざまですが、最低でも全国大会出場レベルの実績は必要になると考えて良いでしょう。大学によっては、全国大会ベスト8以上、といった厳しい実績を条件として設定していることもあります。

 

各大学の入学試験要項をチェックしておきましょう。

 

スポーツ推薦で入学するデメリットはありますか?

スポーツ推薦で入学する場合、以下のようなデメリットが想定できます。

 

  • 授業や単位に苦労する
  • 結果を出さなければならないプレッシャーがある
  • 退部してしまった場合に大学に居づらくなる

 

スポーツ推薦で受験する場合は、入学後の大学生活や卒業後のキャリアも考え、入念に検討を重ねましょう。入学後に後悔しないように、自分に合った大学を選べるよう、高校の先生や両親との相談も重ねてみてください。

 

まとめ

本記事では、スポーツ推薦に落ちてしまう原因とその対策について解説しました。スポーツ推薦は、たしかに一般入試や普通推薦よりは合格率が高い試験ですが、落ちる可能性がまったく無いわけではありません。スポーツの実績はもちろん、高校での成績や生活態度も、入試の結果を左右します。スポーツだけやっていれば良い、と油断せずに、落ちてしまった場合のことも考えて早めに受験勉強をスタートしておきましょう。

 

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