不動産クラウドファンディングは「少額から、分散投資も可能な上、物件の管理が不要」というメリットが大いに生かされた投資方法です。
複数の投資家が共同で不動産に出資し、家賃収入や売却益などで得た利益が出資額に応じた割合で配当されます。
1口1万円程度から始められ、購入後の運用はすべて運用管理業者に任せられるため、投資初心者にもおすすめです。
一方、投資であるがゆえのトラブルも存在します。
この記事では、不動産クラウドファンディングのトラブルについてご紹介します。
不動産クラウドファンディングは損をすることがある
不動産クラウドファンディングは、損をすることがあります。
物件や事業者情報をよく調べずに資金投入を行うと、運用会社の倒産や、元本割れなど、思わぬところで損害を被る可能性があります。
そのため、内容を十分吟味し、比較検討した上で投資を行うことがおすすめです。
不動産クラウドファンディングで損をする理由3つ
他の金融商品と比較すると、不動産クラウドファンディングは、短期間で多額の変動が起きる機会は少なく、ローリスクローリターンといわれています。
ただし、全く損をしないわけではありません。
そこでこの章では、不動産クラウドファンディングで損をする3つの理由
「リスク軽視」
「不動産投資ファンディングについての知識がない」
「物件・事業者を十分に吟味できていない」
について、詳しく解説します。
①不動産クラウドファンディングを軽く考えている
不動産クラウドファンディングは「不動産投資」であることを忘れてはいけません。
また、不動産クラウドファンディングには種類があり、所有権の有無や投資方法の違いなどによって、得られる効果や納税の種類が変わります。
とくに所有権の有無にはポイントがあり、雑所得に分類される「匿名組合型」と、不動産所得に分類される「任意組合型」では、投資家に課される責任の重さが異なります。
任意組合型では所有権を持つため、利益があれば毎月一定の収入を得られることがメリットです。
しかし、資産価値が下がると、負債分を運営会社に支払うルールがあります。
契約終了期限まで負債を払い続けないといけない場合もあるため、物件情報や契約内容など、あらかじめよく確認することが重要です。
②物件・事業者を吟味していない
不動産クラウドファンディングは、国や地方自治体から許可された業者のみが、不動産投資ファンドの運営を行えます。
しかし、中には資金繰りに苦しむ事業者が紛れている場合もあるため、運営会社の企業情報を確認することが重要です。
また、体力のある健全な会社が運営を行っていても、投資する不動産が築年数や立地条件などで空室が目立つ場合は、利益につながらないためおすすめできません。
物件の周囲環境も、投資の際によく確認することがおすすめです。
③不動産クラウドファンディングの知識が少ない
「利回り」「ファンド」「キャッシュフロー」など、投資に対する基本的な知識は最低限理解しておくことが重要でしょう。
どれほど簡単な仕組みであったとしても、その仕組みを理解していないと、初歩的なミスを起こしてしまう恐れがあります。
例えば、出資者が多いほど、配当金の割合が少なくなることは基礎知識です。
より多くの配当を狙いたいならば、とくに気を付けたいポイントの一つでしょう。
知識がないことにつけこまれると、利益の出にくい商品や目的に合っていない商品をつかまされるほか、詐欺被害に遭いやすくなる可能性があります。
自身の身を守るためにも、投資に関する基礎知識は身につけておくことがポイントです。
よくある不動産ファンディングトラブル3つ
不動産投資ファンディングにおけるトラブルとして、主に、
「元本割れ」
「ファンディング事業者の倒産」
「不動産価値の下落」
の3つが挙げられます。
この章では、項目ごとに気を付けなければならない点を解説します。
①元本割れした
築年数や設備が古い、立地条件がよくないなどの理由で借り手がつかない場合や、住民の高齢化・地域の過疎化により空室が多くなると、不動産としてほとんど需要がないと見なされ、賃料を下げることがあります。
利益として配当される金額が0円になる可能性もあるため、投資する物件について周辺情報も含めた充分な検討を行うことがポイントです。
また、指定された期間より前に解約できないため、社会情勢による急激な下落や近隣施設の完成時期などを考慮し、投資開始のタイミングを吟味することも重要です。
②不動産ファンディング事業者が倒産した
投資運用会社は、資金繰りや経営が厳しい、後継者がいないなど、さまざまな理由で倒産することがあります。
社会情勢や自然現象による不測の事態も、多くの会社が倒産に追い込まれる要因です。
事業者が倒産した場合、出資金を回収することは困難でしょう。
悪質なパターンでは、事業者が出資金を持ち逃げし投資者と訴訟問題に発展した事例も存在します。
世間の状況や企業情報を鑑み、運用が任せられる事業者を吟味することが、倒産のリスクを避けるポイントであると考えられます。
③不動産価値が下落した
不動産価値は、自然災害・事件・事故など、さまざまな要因によって、下落することがあります。
また、社会情勢の影響で買い手や借り手が見つかりにくくなること、共同施設であれば利用者が少なくなることも下落の要因です。
建物のリノベーションや建て直しなどを実施し、物件入居希望者が多くなれば配当上昇も見込めますが、100%成功するとは言い切れません。
まとめ
不動産クラウドファンディングは人気の高い金融商品ですが、デメリットや知識不足によるトラブルもあります。
不動産投資について基本的な知識を身に付けた上で、運用を行うことがおすすめです。