【専門家コラム】小論文の過去問(中央大学の例その1)
今回は小論文の過去問を調べてみましょう。
目次
例として中央大学の「スポーツ推薦入学試験」の法学部、経済学部、商学部の過去問を取り上げてみました。この大学のスポーツ推薦入試の合格率は高いですが、不合格者も出ているので小論文対策は事前に時間を掛けて行っておきましょう。
(法学部)
法学部2022年度入試の小論文試験は、問題文がとても短いのが特徴です。解答は700字程度で答える様になっています。
2022年度の小論文問題
「仮にあなたが大学の教師であるなら、スポーツを大学教育にどのように役立てようと思いますか。また、どのような点に注意すべきだと思いますか。具体的に述べてください。」と言うのが設問です。因みに2021年度の設問は指導者と選手間のパワハラ問題でした。中央大学法学部の問題は、長い文章を読んでそれについて述べる様な問題ではなく、世の中のスポーツ関連の問題や大学とスポーツの関係、スポーツ推薦入試を大学が実施する意義等を問うものが過去多い様です。700字は原稿用紙2枚分無いので決して長くはありませんが、自分の意見を纏めて記述しなくてはならないので簡単ではないですね。最近のスポーツ関係の問題はピックアップして理解しておきたいところです。ぶっつけ本番でも書けない内容ではありませんが、書く練習をしておかないと文章構成が幼稚になってしまうのでしっかり行っておきましょう。結構受験生によって差が出る設問内容になっていると思われます。
過去の入試結果
2022年度 志願者49人、合格者46人。合格率約94%。
2021年度 志願者51人、合格者46人。合格率約90%。
(経済学部)
経済学部の2022年度入試の解答字数は800字以内となっています。入試の問題文は1枚程度で書かれています。「資料A」と「資料B」に分かれていて、「資料A」はオリンピック憲章に関する説明が8行程度、「資料B」は新型インフルエンザ等対策特別措置法」について10行程度の説明です。2021年の東京オリンピック競技大会は開催について賛否がありましたが、それについて論じる問題でした。所謂時事系の問題ですね。2021年度の入試の解答も800字以内で書かせるもので、問題文も1枚程度でオリンピックと人種差別に関する内容でした。アスリートの社会的メッセージ発信について考えさせ述べさせる設問ですが、これもまた時事系の問題で一定の知識が必要とされるものです。対策はしっかり練って用意したいですね。
過去の入試結果
2022年度 志願者56人、合格者47人。合格率約84%。
2021年度 志願者53人、合格者47人。合格率約89%。
(商学部)
商学部の2022年度小論文入試は、その場で書かせるものではなく、事前課題であり提出する方法でした。2021年度の入試も事前課題提出方式でした。
2022年度の小論文の問題は2枚分で、トランスジェンダーの選手に関するものでした。字数は400字以内と短いものでした。2021年度は、問題文は1枚分で同じく400字以内で解答するもので、設問は「なぜ商業主義や覇権主義は批判されるのか、あなたの考えるスポーツの本来の意義という観点から、400字以内(句読点を含む)で述べなさい。」でした。商学部の小論文は事前課題なのでその場で書かされるものに比べて対応がしやすいものですが、調べる事が必要であり高校の授業の中で習うものではないと思われますので用意を十分に行わなくてはなりません。400字とはいえ逆にこの短い字数の中でしっかり言いたい事を簡潔にまとめて記述するのも容易ではないかなと思います。学校の先生や親と一緒に書籍や新聞、インターネット等で調べながら重要な部分を書き出し、そこから纏めて行くという方法が良いでしょう。
2022年度 志願者66人、合格者57人。合格率約86%。
2021年度 志願者56人、合格者52人。合格率約93%。