【専門家コラム】小論文の勉強と大学の授業について
スポーツ推薦入試では、小論文を受験科目としている大学が多く存在します。受験生は強豪校の高校生から進学校で勉強を必死でやっているが部活動も週に数回行う高校生まで様々でしょう。強豪校の高校生でとてもスポーツに自信を持っていて、受験の小論文も面接も形式上行うだけで、実際は合格が確約されている高校生もいることと思います。ですが、はっきりと言えることはどんな高校生も受験科目に小論文がある以上はまじめに勉強しておいた方が良いということです。
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大学入学後は、皆レポート提出が有ります。スポーツを大変重視している大学で、所属クラブ名を書けば教授が許してくれて単位が取れるなんて話も聞いたりするでしょうが、そんなに甘いものではありません。中にはそう言う大学もあるかもしれません。しかしそういう大学はある意味本当に学生の将来を考えている大学であるとは到底思えません。本当にスポーツ選手として有能で秀でていて、プロスポーツ選手になり引退後も指導者や解説者として食べていけるから文章作成能力はいらないなって思っている方もいるかもしれませんが、例えそう言う人がいたとしても文章作成能力は一定程度必要です。最近はプロスポーツ選手として大いに活躍し、その後指導者として活躍される方々の中にも大学院の修士課程などを取得する人が増えて来ています。やはり体系立ててもう一度勉強したい、理論構築をしたい、専門的な研究がしたいと思われて進学されているのだと思います。高卒でプロスポーツ選手になり、引退後大学に行かれる方もいます。
過去の根性論より科学的な裏付けに基づいた指導方法が圧倒的に増えて来ました。スポーツもどんどん進化しているのです。文章が読めない、漢字が分からない、英語は全く分からない、文章がまるっきり書けないなどは生きて行く上で後々大変後悔する事になるでしょう。やはり大学に入学するまでに、文章読解能力・漢字の知識・文章作成能力は最低限付けておくべきです。その為に最も効果的なのが、受験科目にある小論文の勉強をまじめにやっておくことです。
大学によって小論文の中身はかなり異なります。10月の小論文試験に関する記事で書きましたが、スポーツ関連のものも有ればそれ以外の時事的なものもあります。先ずは大学に合格することが最重要ですから、受験する大学の過去問に合わせた対策が必要でしょう。過去数年分を見れば傾向があるでしょうから、それに合わせた対策をすれば良いと思います。
スポーツばかり行ってきた高校生は文章を書く前に読むことすら辛いかもしれません。苦手な人はステップとして少なくとも以下の様な手順で試してみても良いのではないでしょうか?
- 大学のホームページや大学の紹介資料を読む。
- 入試要項を読む。
- 数年分の過去問を読み込む。
3はきちんと行う学生が多いと思いますが、1は面倒くさくてちょっとだけ見てみる。2は親や先生任せの人も結構いるのではないでしょうか?書籍を読んだり小論文の参考書を読む時間さえない人でも、1と2の文章はきちんと読んで欲しいです。大学生になるのですから、これぐらいは最低限やりましょう。
1について
その大学の歴史、大学が目指していること、どの様な学部があるのか、自分の興味のある学部のカリキュラムや授業の説明、卒業までに何単位取らなくてはならないのかなど確認してみましょう。4年間過ごす大学なのですから自分の大学や学部学科のことぐらいは理解しておきたいものです。
2について
入試要項は先生や親任せにする学生も一定程度いそうですね。知恵袋などで質問している内容を見ると、入試要項に出ているのに全く読んでいないのだろうなと言うものもあります。自分が受験する試験の内容も理解していないなんて高校生としておかしいですよね。難しい表現や漢字も有るでしょうが、大学は高校生にも読めるはずだと思って入試要項は作成しているでしょう。
3について
過去問すら読まずに受験するのはナンセンスですよね。しっかりと読み込みましょう。過去数年分は行いたいですね。1行1行集中して何が書いてあるのかしっかり理解しましょう。問題は解かなくてはなりません。つまり小論文を書かなくてはなりません。一般的な高校生が書ける漢字すら書けないと、大学の授業はさっぱり分からないことでしょう。とにかく読むだけではなく回答を書いて、学校の先生にしっかり添削してもらいましょう。
最後に申しておきたいのは、大学の授業を受けるためにも将来仕事をしていくためにも小論文の受験勉強はまじめに行ってほしいという事です。高校の授業であまり小論文作成と言うものはないと思いますので、受験用の勉強を時間掛けてやっておきましょう。必ず高校卒業後も役に立ちます。