【専門家コラム】スポーツ推薦入試の小論文について
スポーツ推薦入試の受験科目は、実技・小論文・面接などが一般的です。その他の科目も入試科目にあるケースがありますが、一般的には小論文と面接が多いでしょう。今回はその小論文について考えてみましょう。
目次
スポーツ系の推薦入試の小論文も、大学によってかなり変わります。大きくは以下のような題材が使われているように考えられます。
・受験生が行って来た部活動の中で、どのような事を学んだか。
・その学んだ事をどの様に今後の大学生活や人生に活かして行くのか。
・高校の保健体育の授業等で学んだ知識について問うもの。
・スポーツに関する時事ニュースに関するもの。
これらについて問うものが想定されますが、1番目と2番目は小論文に限らず面接でも問われる事柄ではないでしょうか。
先ず1番目の高校の部活動の中で何を学んだかについてですが、大きくは以下の様なポイントがありそうです。
・個人的にどのような努力をしたのか。
・チームに対してどのような努力をしたのか。
・学業との両立をどの様に成り立たせたのか。
などですね。それぞれの部活動にはそのスポーツの特徴があるでしょうから、それも踏まえて考えてみる必要が有るでしょう。例え個人競技のスポーツであったとしても、チーム全体の事を考えないことはないでしょうから、チームに貢献したことも良く考えてみましょう。
次に部活動を通して学んだ事をどの様に今後の大学生活や人生に活かして行くのかについてですが、以下のようなことが考えられるでしょう。
(個人的な事について)
・タイムマネジメント:部活動は強豪校になればなるほど練習時間も長く、週間・年間の休日も少ない中、学業との両立をしなくてはなりません。そこまで強いチームでなかったとしても、進学校だと勉強が大変なのでやはりスポーツと勉強の両立は大変な事ですよね。限られた時間をいかに上手に使うのかは、人によって様々な工夫があると思います。早朝に勉強する、休みの日にまとめて行うや自分独自の暗記の方法など創意工夫して努力したことを纏めてみましょう。
・技術、能力向上:スポーツ選手として技術や能力の向上を図る事を常にトライアンドエラーを繰り返し、何度も試して来たことと思います。どの様なものを参考にしたのか?監督・コーチ、ライバル、Youtubeなどの動画、書籍等数多くのものがあると思います。成功した事、うまくいかなかった事、それらは何故なのか何度も考えた事でしょう。高校生活を振り返り、上手に整理してみましょう。
(チームについて)
・指導的立場として:主将・キャプテン、副主将・バイスキャプテンなど最上級生として同級生や後輩たちの事を考え、色々苦悩した事が必ずあるはずです。苦悩したポイントは何だったのか、それらの解決方法をどのように考えたか、試してみてどうだったか、またそれをどう継続して行ったか。毎日の中で、月間目標の中で、大会までの期間で、年間でなど目標設定をしていますよね。しっかりと振り返ってみましょう。周りのチームメイトに率直にどうだったか聞いてみるのも良いでしょう。参考になると思います。
・大会や試合について:本番では想定外の事も起こりますよね。全てが想定通りに行くことの方が珍しいかもしれません。100%出し切るために、どのような事に気を付け実施したのか。うまくいかなかった時に試合中・休憩時間中にどう修正して行ったのか。その時その時に悩み苦しみ考えた事、声を掛けた言葉が何だったのか。たくさん思い出してみましょう。
これらの事は、大学生活でも将来働いて行く上でも活きて来ると想像できることはありますよね。親や先輩に相談してみるのも良いでしょうし、先生方もご経験されてきた事ですから、この点について聞いてみるのも良いでしょう。
保健体育の知識を問う問題を出す学校も有ると思います。それについては教科書の復習が必須ですね。スポーツや部活動に関する事とは全く異なる小論文を問う大学もあります。ですから最初に行いたい事は過去問のチェックです。ネット上で公開されている大学もあれば、取り寄せなくてはならない大学も有ります。早めにチェックし、学校の先生と一緒にやってみましょう。何度も繰り返すことによって、小論文の書く技術は上がって来ます。小論文に関する参考書を一冊やってみるのも良いでしょう。