【専門家コラム】公募のスポーツ推薦入試
スポーツ推薦入試の一般的なイメージは、高校生時代に国際大会や日本代表選抜選手、全国大会で活躍した選手に大学側から声が掛かり、一応面接試験や小論文を書いて合格すると言うものではないでしょうか?そういう試験も存在するでしょう。しかしそれらは所謂強豪校や大学側が強豪校になるために、特別に力を注いで行く部活動が対象となりますね。今回はそのようなパターンではないケースを考えてみましょう。
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筑波大学の一部の部活動は全国でも強豪の部類に入る部活動もありますが、一般的には国公立はそこまで強豪校ではありません。また、私立大学も全ての私立大学が強豪校と言うわけではありませんが、スポーツ推薦入試を通して少しずつ上がっていければと言う大学も多数存在します。それらの大学はスポーツを頑張ってきた高校生を何とか獲得したい、門戸を開きたいと思っています。その様な大学は以下のような傾向が入試に見られます。
(国公立大学)
教育学部がある大学は、教育学部の中に保健体育のコースがある場合はそのコースの試験にスポーツ系の入試があります。総合選抜型や学校推薦型の試験の中にその様な試験が存在します。大概「大学入学共通テスト」が免除されていて、実技・小論文・面接が入試科目になっています。国公立大学の合格率は割と私立大学に比べると低くなっています。平均評定値もそれなりに必要とされます。その他のコースでスポーツ系の入試は稀です。基本は保健体育の教師になるためのコースが、この様な試験に対応していると考えられます。教師になるためのコースですから、対象の競技も小学校・中学校・高等学校の教育科目にある競技種目が中心となっています。
(私立大学―難関校)
早稲田大学はスポーツ科学部で公募が存在します。慶應義塾大学は、AO入試でスポーツ実積を評価していると思われます。強豪校から進学していますから可能性があります。上智大学・ICU・東京理科大学は見受けられません。GMARCHでほぼ見受けられないのは学習院大学です。明治大学は公募系のスポ―ス推薦入試は見つかりませんでした。青山学院大学は、お声掛けと公募があるようです。関関同立は公募が存在します。合格者の実態は強豪校が中心かもしれませんが、門戸は開いています。
(私立大学―中堅校)
成成明学獨国武は全般的にあまり見受けられませんが、明治学院大学の一部・武蔵大学の一部では入試要項の中にスポーツの評価が有ります。獨協大学は課外活動入試が存在しており、合格率も高い状況です。但し外国語学部などでは英語の資格要件があります。
日東駒専は、お声掛けが多い様に見受けられます。駒澤大学は公募系が存在しますが、公表しておらず、大学に問合せると入試要項が貰えるようです。日東駒専では珍しく、ラグビーのスポーツ推薦が無い様です。何かしらの配慮はあるかもしれません。産近甲龍は、近畿大学に公募系スポーツ推薦入試が見つかりませんでした。ご興味のある方は問合せてみて良いでしょう。東京農業大学は存在しますが、問い合わせが必要です。神奈川大学もスポーツに力を入れている大学ですね。スポーツ系推薦入試はあります。神奈川県では関東学院大学と共に、強豪校としての競技種目も複数ありますね。
比較的歴史の比較的浅い大学や知名度がそれ程高くない大学は、硬式野球や駅伝などで知名度向上や偏差値アップを少子化の中狙っているように見受けられます。その様な大学は、一般的にスポーツ推薦入試や総合型入試・学校推薦型入試に取り入れられています。且つ、受験回数も割と多く、受験期間も長く設定されているケースが散見されます。有名校や難関校は早く受験日が終わるケースが多いので、現役合格にこだわっている高校生を取りに行っているのでしょう。
スポーツ推薦入試と言っても幅広く様々な機会が設けられていますから、強豪校ではない・非常に高い競技実積がなくとも調査する事によってチャンスは拡がります。早い時期からじっくり自分に合った大学を見てみて下さい。