【専門家コラム】大学の学部、学科について
大学の学部、学科について
今高校生の親御さんは40歳代が多いでしょうか?最近の大学の学部や学科をホームページで見ると、随分変わったなあと思う方が多数いらっしゃることでしょう。国際と名の付くものや、健康・人間・地域・情報・政策・福祉と数多くの学部名が出来て来ました。勿論スポーツ名の付く学部も随分増えました。その他には看護学部もかなり増えたのではないでしょうか。カタカナ名の名前も増えました。学部・学科名を聞いて直ぐには何の学問を勉強するのか良く分からないものもある様に思います。意外にDXやITと名の付く学部はほとんど見ません。実際は以前からある学部の中身とはそう変わっていないのではないでしょうか?と言うのも各教授陣はその様な学部が全くない時に勉強されて来た方でしょうから、そんなに変わっていない気がします。科学技術は日進月歩ですから、新しい分野がどんどん出て来ると思います。特にAIやDX、IT、ゲノム系は出て来そうですね。
外国語学部と教育学部が私立で非常に少ない
こんなに学部や学科名が増えて、高校生は困らないのでしょうか?また会社の人事部の方々はどう思っていらっしゃるのでしょうか?進路指導の高校の先生も困りそうです。
以前試験名が見つけにくいという記事を書きましたが、とにかく最近はあの手この手で目先を変えさせ目新しいものを出そうと言う大学側の経営・事業戦略上の努力をしているのだろうと思うのですが、分かりにくいのはどうかと思います。
私は北海道から沖縄まで全国の大学を長年見ていますので意外に思う事があります。それは、外国語学部と教育学部が私立で非常に少ないという事です。外国語学部と名の付く首都圏の私立大学で偏差値が高めのところはほんの数校しかありません。上智大学、獨協大学などです。教育学部も早稲田大学を筆頭に数校しかありません。教育学部は原則各都道府県の国立大学に設置されているからかもしれませんが、本当に首都圏の私立大学では数校しか見かけませんね。教師は教育学部以外からもなれるからかもしれませんが、余りにもないなあと言う印象です。分かりにくい学部新設をしたりするより良い様に思うのですが、そう思うのは私だけでしょうか?
国際系の学部名は乱発されている様に思います
どこかの大学が、特に偏差値の高い大学が設置したり改名したりしたら追随する大学も増えそうですが、国際系の学部名は乱発されている様に思います。海外でも活躍できるような人材を育てるというのを目指しているのかもしれませんが、現代は海外との繋がりが多い業種がとても増えている事と思います。政治学、経済学を学ぶときは、海外との連鎖や影響を無視しては考えられないでしょう。これだけ人の移動がクロスボーダーで起こると、どんな分野でも多少なりとも異国や海外の人とのつながりが出て来そうです。私が言いたいのは、国際と名の付かない学部でも海外の事を無視することは今の時代無いと思うという事です。企業の採用担当者も、国際系の学部の人を重視して採用したいとは思っていないと思います。但し国際や異文化、グローバルと名の付く学部がその大学の中で偏差値が一番高くなってしまう傾向が強いと思います。立教大学、法政大学、武蔵大学、明治学院大学、獨協大学、駒澤大学、同志社大学、立命館大学、関西大学、関西学院大学などはその傾向が見られると言えるでしょう。
ですが企業は国際系の学部だから採用したいという事はほぼないと思いますので、海外志向の強い学生は普通に英語を勉強すれば良いのだと思います。因みに私立の外国語学部や教育学部と名の付く大学では、この二つの学部の偏差値が高くなっています。玉川大学や文教大学が良い例でしょう。
分かりやすさ、理解のしやすさ、判別のしやすさ
高校の進路指導の先生も良く分からない学部名が増えて大変だと思いますが、こういう学部に行ってこういう勉強をしたら、この様な企業が採用したがるよという事は教えて良い様に感じます。学部・学科の説明は、高校生にしっかり教えてあげる必要があります。経済学部、経営学部、商学部は何が違うのか。殆ど良く分からないまま大学進学をしていないか?既存の以前からある学部の違いを理解するのでさえ高校生には難しいことです。
分かりやすさ、理解のしやすさ、判別のしやすさを重視して頂けたらと思います。