【専門家コラム】大学の認知度向上とスポーツ推薦入試について
大学の認知度向上とスポーツ推薦入試について
箱根駅伝の効果
夏本番ですね。熱い毎日が続きます。受験生は体調を壊さないように気を付けて下さいね。今回のタイトルにある大学の認知度向上とスポーツ推薦入試についてですが、大学がスポーツの強豪校になる事によって認知度を上げる戦略をとるようになって久しいですね。スポーツ系の推薦入試に力を入れるのも分かる気がします。認知度を上げるのに手っ取り早い方法の代表格は、東京箱根間往復大学駅伝競走、通称箱根駅伝でしょう。1920年に始まったこの駅伝競走大会は、特に1987年に日本テレビによる生放送が始まってから飛躍的にファンが増え、お正月の国民的行事になりました。この年は順天堂大学が最終の10区で飛び出してきた人と接触して転倒したにもかかわらず優勝しました。そしてこの年の初出場大学は山梨学院大学でした。山梨学院大学は、この大会によって大きく知名度を上げた大学の一つでしょう。その他多数の大学が、この国民的行事に出場することによって知名度を上げた事は皆さんご存じの通りです。駅伝自体にスポットライトが当たり、女子の全日本大学女子駅伝対抗選手権大会も注目されるようになりました。箱根駅伝は関東の大学が中心に行われますが、この女子の大会は、日本全国が対象になりますので、立命館大学や名城大学など関東以外の地区の大学が知名度を上げる絶好の機会であり、力を入れているのが分かります。関西外国語大学は、特技(S方式)(専願)と言う入試で、駅伝部(女子)が受けられる特別な入試となっています。大阪学院大学や拓殖大学、大東文化大学、城西大学、日本体育大学、玉川大学なども力を入れています。
大学の知名度向上のチャンス
男子の硬式野球も、地方の知名度が全国区的にはそんなに高くない大学の知名度向上のチャンスになっていると思われます。ラグビーも近年日本代表の活躍を契機に、力を入れる大学が増えて来ています。
長くスポーツ系の推薦入試を見て来ていますが、獲得競争が激しくなっているのかもしれないなあと思います。少子化ですし、推薦入試利用高校生が増えていることから、早めに高校生を確保しようという動きがあるのでしょう。私の目から見て、スポーツの利用を良く研究をしているであろう大学と、学力重視の大学に分かれているように感じます。スポーツ観戦は大学在学中の大学生にとっても楽しみな行事の一つになりえるので、入学する大学の魅力度向上にも貢献しているかもしれません。
しかし長年スポーツ系の推薦入試を調べていると、首をかしげるような情報公開や入試内容をとっている大学も散見されます。それぞれの大学の考え方に即してやっているのでしょうが、本当に受験生の為になっているのかと言うと?です。高校生が調べるケースと親御さんや高校の先生が調べるケースが想定されますが、公募型は恐らくかなり高校生も調べている事でしょう。高校生はそこまで調査能力があったり調査方法を知っているわけではありません。
ホームページのデザインがカラフルだったり、かわいくしていたりするのは良いのですが、パッと調べにくいのは如何なものかと思います。また、大学に問い合わせしなくてはならない大学もありますが、高校生はかなり躊躇する様に思います。各種掲示板で質問したりしている高校生も数多くいるようですが、解答する方が知らないのだろうなあと思う解答も多く目にします。
デジタルマーケティング戦略やオウンドメディアの活用戦略は重要
認知度向上を何とか達成したいと思う大学は多いでしょう。むしろ有名大学以外は生き残り戦略の最も重要な部分が先ず認知度向上だと思います。TVを観る時間が若年層はかなり減っていると思いますが、スポーツは観戦する人が多いからその部分を大学も努力するのでしょう。デジタルマーケティング戦略やオウンドメディアの活用戦略は今や大学にとって死活問題と言っても過言ではないのではないでしょうか?
スポーツ推薦入試は確かに受験生を増やす方策として必須だと思いますが、入試方法や開示方法、検索のしやすさも十分に検討必要かと感じるところです。