【専門家コラム】国公立大学のスポーツ推薦系入試
今回は国公立大学のスポーツ推薦系入試について考えてみましょう。先ず公立大学とはどういう大学かですが、地方公共団体が経営する大学です。県立大学や市立大学のことを言います。国際教養大学は国立大学の様に思われていると思いますが、秋田県立の大学です。私立大学ではないので、やはり国公立大学は学費が安いですから選択する高校生も多いと思います。私立大学でもスポーツ特待選手に学費が免除、場合によっては寮費も免除と言う大学も有りますが、偏差値の高めの大学は免除という所はあまり無いでしょう。
国立大学は、筑波大学と鹿屋体育大学はスポーツ系の大学として有名ですが教育大学系の大学である東京学芸大学、愛知教育大学や大阪教育大学、京都教育大学、福岡教育大学も保健体育系の学科があるのでスポーツ系推薦入試が有ります。その他総合大学である国立大学にも教育系の学部がある大学はそのような入試を実施しています。
一般的には今述べました様に、教育系の学部の保健体育コースでのスポーツ系推薦入試が多いのですが、以下の様なスポーツ系以外の他学部も募集する国公立大学があります。
信州大学 経法学部 学校推薦型選抜Ⅰ
周南公立大学 経済学部、福祉情報学部 総合型選抜
和歌山大学 経済学部 学校推薦型選抜(スポーツ)
高知工科大学 経済・マネジメント学群 総合型選抜スポーツ区分・学校推薦スポーツ区分
国際教養大学 国際教養学部 学校推薦型入試
この様な大学は体育系の教員を育成する事を目的としない学問領域の募集があるので珍しいですね。
国公立大学の入試は一般的には10月~12月が多く、年を超えて募集するケースはあまりないでしょう。また、合格したら断れないケースや他の国公立大学が受験出来ない場合が多い様に見受けられます。
受験者数は様々で、昨年度は埼玉大学教育学部の小学校コース体育教育に関心を持つ者の入試は志願者数7人、和歌山大学経済学部の学校推薦型選抜(スポーツ)入試も志願者数は7人で、都留文科大学の総合型選抜学校教育学科(体育系)第Ⅰ期も志願者数7人と少ないところも有ります。一方で志願者数の多い大学は、東京学芸大学体育専門学群のアドミッションセンター入試は志願者数78人、高知工科大学の総合型選抜(スポーツ区分)入試は志願者数53人、信州大学の学校推薦型選抜Ⅰは志願者数が77人、筑波大学体育専門学群のアドミッションセンター入試は志願者数が78人で多いですね。
合格率も筑波大学や東京学芸大学の16%台の大学から高知大学の62%台、愛知教育大学の66%台、大阪教育大学の70%台、京都教育大学の80%弱と夫々異なっています。教育大学と名の付く国立大学のスポーツ推薦系大学の合格率は低い福岡教育大学でも43%程度なので結構高めです。私立大学は100%の合格率のスポーツ推薦系入試も散見されますので、それに比べると国公立大学のスポーツ推薦系大学の合格率は低いですが入試科目を考えると国立大学の一般入試よりは受かり易いと言えるかもしれませんね。
受験科目は小論文・面接・(実技)の組み合わせが一般的でしょう。保健体育系コースのスポーツ推薦系入試実技試験は、受験出来るスポーツ種目に限りがありますので、必ずしも自分がやって来たスポーツ種目で受験出来るわけではありませんので注意が必要です。
スポーツの実績に関しては、国公立大学は比較的に私立大学の強豪校に比べて基準が緩やかです。やはりスポーツ強豪高校のトップアスリートは、一般的には私立大学の強豪校に特待やスポーツ特別推薦等で進学するケースが多いのでその様な基準になっているのでしょう。国公立大学のスポーツ系推薦入試は、入試がとても重要です。小論文と面接の勉強を十分にやっておきましょう。また入試科目に実技があるところは受験で選択するスポーツ種目を良く考え、練習しておきましょう。