【専門家コラム】学部・学科の選び方
もう12月ですね。スポーツ系の推薦入試は後半戦に入っています。合格発表も行われて来ているので、進学先が決まった方は残りの高校生生活を満喫している事でしょう。一方でまだ決まっていない高校生でスポーツ系推薦入試を受験検討する方は、これからまだ応募できる大学を探している事と思います。後悔の無い様に良く調査して決めて欲しいと思います。
目次
今回は、学部・学科選びについて考えてみましょう。なんとなく決める人、親や先生等に相談して決める人、自分で行きたいところが決まっている人様々だと思います。一般的に日本の高校では、学部・学科の其々の特性の説明があまり行われていない様に思われます。どの様な事を学ぶのか、どのような能力や知識がつくのか、その学部・学科を卒業したらどの様な就職の選択肢があるのか、理解しないまま進学する高校生が多いのではないでしょうか?特に理系に比べて文系はその傾向が強い様に感じます。
スポーツ系推薦入試で進学する生徒は、文系の方が多いのではないでしょうか?理工系の大学ではなく、総合大学に進学する場合はより文系に学部を選択する高校生が多いでしょう。では、文系の学部の違いについて見てみましょう。一般的に学部は以下の様なものが文系には存在します。
文学部、社会学部、法学部、経済学部、経営学部、商学部、外国語学部、国際(教養)学部、教育学部、スポーツ(科学)学部、芸術学部、etc。
それでは一つ一つ見てみましょう。
文学部
人文学部として設置されている大学もあります。学科としては英文学や日本文学などの文学そのものを勉強する学科の他、哲学・倫理学・心理学・歴史学なども文学部にあるケースが多いでしょう。
社会学部
社会学部は幅広く人間の生活や活動・行動などを学びます。社会問題は大変種類が多く、且つ深いものです。心理学科は文学部にあるケースもあれば社会学部にあるケースも有りますし、学部として独立しているケースもあります。
法学部
政治学科を擁するところもあります。一般的には法律関連を学ぶものです。日本の法律や国際的な法律が学ぶ対象となります。法律がどのようにして立法されるのか、その作られた法律がどの様に運用されるのか、法律をどう解釈するのか等を学んで行きます。
経済学部
この世の中は政治と経済の動きが連動して動くようになっていますが、経済分野の観点から世の中の動きを見て行くものです。世界の観点、国家の観点、企業の観点、個人の観点などからそれぞれの動きや関連性を学びます。
経営学部
企業や組織の観点からその成り立ちや組成、運営の仕方・方法などを学びます。世の中には各種法人格がありますが、企業を学ぶケースが多いでしょう。経済学部の中に経営学科が存在する大学もあるでしょう。
商学部
会計関連の勉強をすることが多いですね。会社も自治体もお金の動きが絡むものは、財務諸表という数字の各種表に纏められます。それをきちんと作成出来ること、その表を見て分析すること、そして対策や次の事業計画を立てることなどは会計・税務関連の知識が無くてはなりません。またマーケティング関連分野も商学部では学びます。
外国語学部
首都圏の私立大学では上智大学、獨協大学、神奈川大学等にある学部です。獨協大学と神奈川大学にはスポーツ系の推薦入試が存在します。文字の通り、英語・ドイツ語・フランス語・スペイン語等の外国語やその文化などを専門的に学びます。外国語のスペシャリストを目指す学部です。一般的には言語毎に学科が分かれています。
国際(教養)学部
近年人気のある学部です。大学内の偏差値も高いですね。国際的な観点から勉強をしていくもので、語学力も求められるでしょう。帰国子女や留学経験者も多く存在するケースがあります。
教育学部
国立大学では多く存在する学部です。私立では少ないですね。首都圏では早稲田大学や文教大学、玉川大学などにあります。教職課程はどの学部でも取れますので、あえて教育学部に分けていないのでしょう。教職も目指す方、教育そのものを勉強したい方に向いています。
スポーツ(科学)学部
スポーツ学部は、スポーツそのものを学ぶケースもあればスポーツを取り巻く様々な関連する者に関して学ぶ事も有ります。アスリートの方々はこの学部に所属するケースが多いでしょう。スポーツ学を学ぶのにスポーツ経験が必ずしも必要ではありません。
芸術学部
芸術学部は美術、音楽、美術史、音楽史などを学ぶ学部です。この学部でスポーツ系の受験が出来る大学は多くはありません。倉敷芸術科学大学、大阪芸術大学、桜美林大学(芸術文化)、金沢学院大学、星槎道都大学などがそうです。
学部・学科の中身を理解するのは難しいかもしれませんが、高校の進路指導の先生への相談や各大学のホームページの熟読、大学のセミナーや説明会などを積極的に利用し、悔いの無い学部・学科選びを行いましょう。