現物不動産への投資は多額の投資資金が必要ですが、不動産投資クラウドファンディングには、少額で手軽に始められるというメリットがあります。しかし一方で、元本割れのリスクや流動性が低いというデメリットがあることも把握しておかなければなりません。
本記事では、近年注目を集めている不動産投資クラウドファンディングのリスクやデメリットをご紹介します。
不動産投資クラウドファンディングの仕組みとは
クラウドファンディングとは、不特定多数の人からインターネットを通じて資金を集める仕組みのことです。不動産投資クラウドファンディングは、クラウドファンディングのように不特定多数の投資家から資金を集め、特定の不動産に投資する不動産投資の一種です。
インターネット上で不動産投資が完結する不動産投資クラウドファンディングは、新しい不動産投資の形として、メディアでも取り上げられるなど大きな注目を集めています。
なお、クラウドファンディングは「購入型」「寄付型」「投資型」の3つに分類されますが、不動産投資クラウドファンディングは「投資型」にあたります。
不動産投資クラウドファンディングのメリットはデメリットにもなりうる?
不動産投資クラウドファンディングには、多くのメリットがあります。しかし、メリットと言われていることでも、状況次第でデメリットになる可能性があることも忘れてはいけません。
不動産投資クラウドファンディングのメリット、デメリットについてそれぞれ詳しく解説します。
不動産投資クラウドファンディングのメリット
不動産投資クラウドファンディングには、主に以下のメリットがあります。
少額から投資できる
不動産投資クラウドファンディングは複数の投資家が一つの不動産に投資するため、投資家1人あたりの投資額が少額でも参加できます。不動産投資は景気に左右されにくいため、人気が高い投資手法ですが、物件を取得するためには多額の資金と複雑な手続きが伴います。不動産投資であれば数万円程度の資金から投資できます。
他の不動産投資よりも手間がかからない
運用期間中は企業が不動産の管理を行うため、投資家が管理する手間はかかりません。現物不動産投資は、投資した不動産の管理を自分でしなければなりません。例えば、マンションに投資した場合は空室率の管理や、退去後にクリーニングしたりなどの手間がかかります。しかし、不動産投資クラウドファンディングは自分で不動産の管理をしなくて良いため、手間を省けます。
高額物件にも投資できる
投資先を選ぶことができるという特徴から、ホテルやオフィスビルのような高額物件にも投資できるというメリットもあります。高額物件は立地が優れていることも多いため、利回りが高くなる傾向にあります。個人でも高額物件の投資にチャレンジできる点は不動産投資クラウドファンディングのメリットです。
不動産投資クラウドファンディングのデメリット
不動産投資クラウドファンディングには前述したように多くのメリットがあります。しかし、不動産投資クラウドファンディングは手軽に始められる一方で、それが逆にデメリットになる場合もあります。
ここからは、不動産投資クラウドファンディングのデメリットを解説します。
手軽に始められる
スマートフォンやパソコンから手軽に始められることは不動産投資クラウドファンディングの特徴でありメリットですが、同時にデメリットでもあります。なぜなら、手軽にできるということは誰にでもできることであり、投資先の希少性がうすれてしまうからです。そのため、応募が集中し投資したくても投資できないという事態になりかねません。
少額から始められる
不動産投資クラウドファンディングは、1万円から投資できる案件も数多くあります。しかし、少額投資は得られる利益も少ないため、継続して複数の投資先に投資をしなければ大きな利益が生まれません。そのため、継続して投資先を見つけ投資する力が求められます。
融資を受けられないため収益性が低い
融資を受けられないため収益性が低いというデメリットもあります。
現物不動産投資は、融資を受けて投資することもできます。しかし、不動産投資は融資を受けられないため全額自己資金で投資する必要があり、その分レバレッジが効かず収益性が低くなります。
また、個人の判断による売却や購入は不可能で、短期間で大きな利益を得ることは難しいという点も不動産投資クラウドファンディングのデメリットです。
元本割れする可能性がある
元本割れのリスクがあるというデメリットもあります。不動産投資クラウドファンディングは、銀行預金のように元本が保証されていません。また、不動産投資クラウドファンディング事業者の中には未上場企業なども存在するため、上場企業と比べて倒産の可能性が高いと考えることもできます。投資先が倒産すると当然元本割れが発生するため、損失を被るリスクがあります。
換金性や流動性が低い
不動産投資クラウドファンディングは、途中で解約できない事業者も多いため、換金性や流動性が低いというデメリットもあります。万が一中途解約する場合、事業者によっては解約手数料がかかる場合もあるため、結果的に収支がマイナスになる可能性もあります。
不動産投資クラウドファンディングで投資する場合は、中途解約の可否と事務手数料の有無を確認しておきましょう。
まとめ
不動産投資クラウドファンディングはメリットだけでなくデメリットもあり、場合によってはメリットがデメリットになることもあります。
不動産投資クラウドファンディングに限らず、投資する際にはプラス面とマイナス面を把握した上で投資することが大切です。大きな損失を被らないためにも、不動産投資クラウドファンディングのメリットとデメリットを正しく把握した上で投資を検討しましょう。