今回は、他の不動産投資と投資型の不動産投資クラウドファンディングがどのように異なるかについて着目しながら、不動産投資クラウドファンディングのサイトを選ぶ上でのポイントや実際のサイトについて解説します。
不動産投資クラウドファンディングについて
不動産投資クラウドファンディングは、事業者が投資家からインターネットを通じて集めた資金を使って不動産を購入・運営し、得られた利益から当初の配当利回りなどで決められた一定額まで投資家に分配金を支払う仕組みです。
現物不動産投資と異なり、「入居者管理費用」や「修繕費」などランニングコストがかからない点が特徴です。
REITとの比較|単体か複数か
REITは、不動産投資信託証券のことであり、証券を販売して得た資金を不動産に投資します。不動産投資クラウドファンディングと同様に投資家から集めた資金で不動産投資を行う投資手法ですが、運用する物件の数が異なります。
REIT事業者は、集めた資金をオフィス・ホテル・倉庫などさまざまな不動産に投資します。一方で、不動産投資クラウドファンディングは、1つの物件に対して投資します。
ソーシャルレンディングとの比較|情報量の差
ソーシャルレンディングとは、お金を貸したい投資家とお金を借りたい企業を、インターネット上で結びつける融資サービスです。ソーシャルレンディングは、借主の協力がなければ情報を開示できないため、投資先の情報が不明瞭な場合があります。
一方で、投資型の不動産投資クラウドファンディングは、投資する不動産の情報が開示されています。
また、ソーシャルレンディングの場合は、投資先が不動産に限られていません。
不動産投資クラウドファンディングのサイトを比較するポイント
不動産投資クラウドファンディングのサイトを比較するポイントは、多くあります。
そのため、不動産投資クラウドファンディングを初めてされる方にとって重要な3つのポイントに絞って説明します。
運用する期間
不動産投資クラウドファンディングの運用期間は、短期と長期に分けられます。具体的な期間は、短期で3ヶ月〜1年程、長期で2〜3年程です。
短期運用は、早期に分配金を得ることができます。償還された投資金を再度異なる物件に投資することも可能です。
一方で、より多くの利益を求める方は、長期運用がおすすめです。分配金は運用期間中に一定期間ごとに受け取ることができるため、運用期間が長ければ受け取る分配金が多くなります。
運用期間は事業者や投資先物件ごとに異なるため、自己資金や投資期間などを考慮した上で、自身に合った不動産投資クラウドファンディングサイトを選びましょう。
取り扱う案件の多さや種類
取り扱う案件数が充実していれば、自身の投資目的に合った物件を見つけやすくなります。また、タイプや立地が異なる物件に複数投資すればリスク分散にもつながります。
案件数や種類が少ないサイトでは、投資家の競争率が高くなり、募集開始後すぐに閉め切られてしまうことが頻繁に発生します。その結果、人気が低く自身の投資目的と異なる物件に投資することになりかねません。
現在掲載されている案件数だけではなく、月に何件案件が公開されているかといった供給数も、サイトの稼働率を計る上で重要です。
投資する不動産の情報量
不動産に関する情報量は、投資先を厳選するために重要な要素です。物件の築年数・面積などの物件に関する基本情報だけではなく、駅からの距離や周辺の家賃相場などの追加情報が掲載されていれば、物件の価値を見極めやすくなります。
不動産投資クラウドファンディングのサイト比較
比較するポイントを踏まえた上で、実際のサイトをご紹介します。
今回ご紹介するサイトは4つです。
それぞれの特徴について詳しく解説します。
CREAL(クリアル)|案件・口数の多さが特長
CREALは、2022年4月に東証グロース市場に上場したクリアル株式会社が運営しています。CREALの特長は、募集案件の種類が豊富である点です。主にビジネスホテル、オフィス、保育施設、ヘルスケア施設などを中心に取り扱っています。
また、募集口数が1万口以上の案件が多いため、応募した案件に投資できる確率が高い点も特長です。応募に関しては、抽選式を採用しているサイトが一般的であることに対し、CREALでは先着順を採用しています。
そのため、スピード勝負にはなってしまいますが、応募した物件へ確実に投資可能です。
COZUCHI(コヅチ)|手軽に投資できる
COZUCHIは、不動産会社であるLAETOLI株式会社が運営する、不動産投資クラウドファンディングです。運営するLAETOLI株式会社は、2008年から不動産特定共同事業に関わるサービスを行っており、不動産投資クラウドファンディングの中では老舗とされています。
COZUCHIの案件は、都心のマンションが中心です。運用期間も2ヶ月〜2年と幅広い期間の案件を取り揃えています。さらに、COZUCHIでは手数料のみでいつでも途中解約及び換金が可能です。そのため、初めての方でも気軽に始められます。
Jointo α(ジョイントアルファ)|情報量が豊富
Jointo αは、東証スタンダード市場上場企業であり、分譲マンション事業などを手がけるあなぶき興産が運営しています。
Jointo αの特長は案件の情報量が豊富な点です。物件の全体図や見取り図などはもちろん、分配金の内訳や賃料収入が公開されているため、投資判断の役に立ちます。
また、Jointo αは不動産を通じて全国の地域創生に貢献できる物件を取り扱っています。投資で収入を得るだけではなく、社会貢献につなげられる点が人気を集めています。
Rimple(リンプル)|ポイントで投資できる
Rimpleは東証プライム市場に上場しているプロパティーエージェントが運営しています。
Rimpleの利点は、他社のポイントを自社で運用されているリアルエステートコインに交換して使用できることです。リアルエステートコインに交換できるポイントには、セゾンポイントやハピタスなどが挙げられます。
また、Rimpleの特徴として案件のほとんどが6ヶ月程度です。
そのため、短期運用向けのクラウドファンディングサイトです。
まとめ
投資型の不動産投資クラウドファンディングは、他の不動産投資と異なり、各社サービスサイトから手軽に投資ができます。不動産投資クラウドファンディングが気になった方は、サイトの特徴を踏まえた上で、自身に合ったサイトをご活用いただければと思います。