少額で不動産投資ができる不動産投資クラウドファンディングは、近年メディアでも取り上げられ注目を集めています。しかし、投資にリスクはつきものであり、不動産投資クラウドファンディングも例外ではありません。
この記事では、不動産投資クラウドファンディングのリスク(デメリット)と対処法について、人気の理由(メリット)とともにご紹介します。
不動産投資クラウドファンディングのリスクと対処法5選
不動産投資クラウドファンディングには、以下のリスクがあります。
・出資金や元本の補償がない
・事業が撤退・倒産するリスク
・原則として中途解約ができない
・想定していた配当金が支払われないリスク
・狙っていた案件に出資できないリスク
それぞれのリスクと対処法について詳しく解説します。
①出資金・元本の補償がない|劣後出資割合の高い案件を選ぶ
不動産投資クラウドファンディングには、出資金や元本の補償がありません。つまり、元本割れした場合や不動産評価額が下落した場合に、出資金が償還されないということです。
出資金が償還されないリスクや元本割れのリスクを抑える方法として、優先劣後出資における劣後出資割合の高い案件を選ぶことが挙げられます。優先劣後出資とは、万が一元本割れが発生した場合に事業者が一定の損失額を保証し、投資家を守るためのシステムです。
不動産投資クラウドファンディングでは、劣後出資割合が高いほど事業者が出資する割合が増加し、その分保証される金額が増加します。
そのため、出資金の償還リスクや元本割れのリスクが小さくなりまするといえるでしょう。
②事業が撤退・倒産する|信頼性の高い業者を選ぶ
事業が撤退または倒産するリスクがあります。なぜなら、不動産投資クラウドファンディングの投資先は不動産そのものではなく、不動産投資クラウドファンディングを運営する事業者だからです。
万が一、事業者が撤退または倒産すると、利益が得られなくなるどころか出資金が全て無駄になってしまいます。
事業の撤退や倒産リスクの対処法は、信頼性の高い業者を選ぶことです。実績の豊富さや、業績の安定性などから、信頼できる業者か否かを判断しましょう。
③途中解約が原則できない|短期間の案件を選ぶ
不動産投資クラウドファンディングは、原則として途中解約できません。そのため、急に現金が必要になったとしても、投資期間中に投資金額の返金を求めることは不可能です。
途中解約ができないリスクの対処法は、短期間の案件を選ぶことです。不動産投資クラウドファンディングには長期の案件だけではなく、数ヶ月程度の短期間の案件もあります。
このような短期間の案件であれば途中解約できないというリスクを抑えられるため、短期間の案件に繰り返し投資するという投資方法を選択肢に入れることをおすすめします。
④想定していた配当額が支払われない
不動産投資クラウドファンディングの配当金は、投資した不動産の家賃に影響されるため、入居率によっては想定していた配当額が支払われるとは限りません。
たとえば、投資した不動産を借りる人がいなかった場合、家賃収入がなくなるため配当金を受け取ることはできません。その結果、想定した配当額が受け取れず、予想よりも利益が得られないというリスクを生み出します。
対処法としては、収益が高い不動産に投資することが挙げられます。業績が安定している商業施設やホテルなどであれば、配当額が受け取れないリスクを軽減できるでしょう。
⑤狙っていた案件に出資できない|通知をこまめに見る
不動産投資クラウドファンディングは、一つの案件ごとに出資者の人数が決められているため、狙っていた案件に出資できない可能性があることもリスクのひとつです。ひとつの案件に応募が集中するとすぐに上限人数に達してしまい、募集早々に応募が締め切られてしまう可能性があります。
案件の出資は先着または抽選です。登録している不動産投資クラウドファンディング会社からの通知をこまめに見て、受付開始のタイミングを逃さないようにすることをおすすめします。
その他、不動産投資クラウドファンディングのデメリットと対処法2選
不動産投資クラウドファンディングには、前述のリスク以外にも以下のようなデメリットがあります。
・節税効果が比較的低い
・レバレッジ効果を活用できない
それぞれのデメリットと対処法をご紹介します。
①節税効果が比較的低い|あくまで分散投資のひとつとして持つ
1つめのデメリットは、不動産投資クラウドファンディングは税制上の優遇措置を受けられず、節税効果が比較的低いことです。
現物不動産投資は、繰越控除や損益通算といった税制上の優遇措置を受けられます。しかし、不動産投資クラウドファンディングは、これらの優遇措置の対象外であるため、利益を受け取る際の税金を軽減することはできません。
節税効果を高める方法としては、不動産投資クラウドファンディングはあくまで分散投資のひとつとすることです。
少額投資であればリターンが少なくなりますが、その分税金の負担が減りを軽減できます。
②レバレッジ効果を活用できない|別の投資手法を選ぶ
2つめのデメリットは、銀行の融資が受けられず、レバレッジ効果を活用できないことです。
現物不動産投資は投資額が大きいことから、銀行の融資を受けて投資することができます。しかし、不動産投資クラウドファンディングは、1口1万円からと少額投資が基本のため銀行の融資は受けられません。このため、レバレッジ効果を活用することは不可能です。
レバレッジ効果を活用したい場合は、別の投資手法を選ぶことをおすすめします。
リスクの高い不動産投資クラウドファンディングが選ばれている理由(メリット)一覧
ここまで、不動産投資クラウドファンディングのリスクをご紹介しましたが、不動産投資クラウドファンディングにはリスクだけではなく以下のようなメリットもあります。
・少額から投資できる
・管理の手間がかからない
まず、不動産投資クラウドファンディングは複数人で1つの不動産に投資するため、少額から投資できることがメリットです。
1人当たりの投資額の負担が減るため、1口1万円からと少額で投資ができます。
次に、不動産管理の手間がかからないというメリットもあります。なぜなら、不動産管理は事業者が行なってくれるからです。
現物不動産投資では、不動産の所有権を得られるものの、建物・設備の維持管理や入居者の募集など、全ての管理を自分自身で行わなければならず、手間がかかります。しかし、不動産投資クラウドファンディングは自分で管理する必要がないため、手間がかからず忙しい方でも投資しやすいことがメリットです。
まとめ
不動産投資クラウドファンディングには、その投資方法から複数のリスクがあります。ご紹介した対処法をもとに、リスクを軽減しながら少額で手軽に投資できる不動産投資クラウドファンディングを始めましょう。